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新年度へ向けて

去る17日、来年度に塾で使用する教材を検討するため、教材会社が行なう教材展示会に行ってきました。入試が佳境を迎える中、そちらと同時並行で来年度の準備もあるため何かと慌しいですが、来年度に向けてとても大きな収穫がありました。

その収穫とは、来年度から小学校の授業に関するものです。教材展示と同時に行なわれていたセミナーで、来年度から行なわれる小学校の「新指導要領」に関する内容があったのですが、そのセミナーの中でこんな言葉がありました。

それは…

「今は人生の最初の分岐点は中3だといわれているが、来年からはある意味において、小学校で決まるようになるなるかもしれない」

という言葉です。

Image8201_edited 来年から始まる新指導要領では、「教科書に記述された内容をすべて教えなければならないものではなく…」という文言が入っています。(文部科学省発行「生きる力」 p.23)つまり、全員が同じ内容を同じように学ぶのではなく、「個人の能力において選択をしていき、全員が同じ問題を解くわけではなくなる」ということになります。

実際、来年度からの教科書を見ると、基本的に全員が学ぶページのほかに「補充問題」や「発展問題」などがあります。出来る子は「発展」、繰り返しの練習が必要な子は「補充」というように、同じ教科書を使っていても解く問題が違って来る可能性があります。

「個人に対応した教育」といえばその通りだと思いますが、逆を言えばできる子はどんどん進み、出来ない子は同じところをグルグルまわるだけ、そうならないかという懸念もあります。つまり言い換えれば、学力差が今よりも大きくなる、そういう可能性も指摘されているようです。

また、土曜日が休みのままで内容が増えることから、全てが消化できるのかという懸念もあります。東京の葛飾区や墨田区など一部では、月に1回土曜日に授業を行なう方針のところも出てきているようですが、埼玉ではまだその動きは無く、夏休みを短縮して対応する方針だと聞いています。

現行よりも授業時間が増えるとはいえ、現在でも取りこぼしがある状況で平均25%増しの教科書がこなせるのかどうか、議論が起きていることは事実です。

そのような中で、それらを発展問題までこなせた人と、補充問題だけで終わってしまった人では学力差がさらに拡大するとの懸念がでています。小学生のうちに学力差が大きくなってしまうと、中学校でその差を縮めることは、なかなか難しくなるかもしれません。

そこで、冒頭の言葉となるわけです。

そのような時代の変化の中で、この塾が皆さんにそのようにお役に立てるか、来年度の教材を考えつつ、真剣に考えていきたいと思います。

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