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「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

清水谷精錬所跡

2011-03-18 00:00:54 | STRUCTURE-構造物残影-

(島根県大田市大森町 世界文化遺産 国指定史跡)
 徳川幕府が終わり、明治時代に入ると、石見銀山はそれまでの大規模な採鉱から、地元の人たちによる小規模な採鉱に変わった。明治28年(1895)になると、長州萩出身の藤田伝三郎が起業した大阪の藤田組によって、仙ノ山福石鉱床での大規模採掘が再開された。それに先立ち、20万円(現在の価値で約20億円)をかけ、清水谷製錬所を建設した。精錬方法は、収銀湿式製錬法と呼ばれるもので、酸やアルカリ溶液で一旦、鉱石から銀を溶かした後に、銀を取り出す方法である。然し、鉱石の品質が当初の予想より悪く不採算状態となり、精錬開始からわずか一年半で操業を停止した。今は斜面に石の擁壁、八段の基壇が残るのみである。
      

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