手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳の現場から/講演会/事前準備

2016-03-10 05:28:05 | 手話
(1)会場確認
   当日、会場までどうやって移動するか、所要時間はどれぐらいか、確認しておく。遅刻は許されない。

(2)主催者確認
   どんな団体が主催する講演会なのか、確認する。
   ネット検索して、調べておく。講演会なら、どんな内容なのか、これでおおよその見当がつく。

(3)申請者確認
   手話通訳者派遣申込を行ったのが個人なのか、講演会主催者なのか、確認する。

(4)講師確認
   講師を何回もやってるような人物なら、自分のホームページやブログを持っている。
   あらかじめ調べて、その人がどんな主張をしているか、調べる。
   バックボーン知識として、講師がいつもどのような主張をしているか、知っているのと知らないのとでは、手話通
訳のスピードも正確性 も大きく変わる。

(5)資料の入手・まとめ
   講演会主催者が手話通訳者派遣申込を行った場合、事前資料がもらえるケースが多い。
主催者側からもらった資料と、自分で入手した資料をまとめて、当日、多用されそうな単語をピックアップ。

   個人(講習会参加者)からの申込である場合、主催者側は、手話通訳者が来ることを全く念頭に置いていないケー
スが多い。
   こういうケースでは、手話通訳者は講師横に立つのではなく、申請者さんの近くに座って通訳する、と思っておい
た方がいい。
 「手話通訳者は講師の横に立たなければならない」
と考えている手話通訳者がいる。現場でトラブルを起こすのは、このような通訳者である。「手話通訳とはこうある
べき」とガチガチに考えていて、他者(手話世界の外で生きる人たち)への配慮が全くない。
現実に、トラブルになってしまったケースを見聞きしている。

 例えば、企業の研究部門が研究成果を発表するような講演会の場合、会場に入ることができるのはその会社の社員
だけ、という場合がある。申請者さんがこの会社の社員(もちろん、ろう者)である場合、手話通訳者が来ることに
ついて、会社側の許可をとっているとは限らない。申請者さんの横に座って通訳する程度なら、大目に見てくれるケ
ースが多いが、上述のような「ガチガチ手話通訳者」が講師の横に立ってしまうと、
「関係者以外、立ち入り禁止です」
と、手話通訳者が追い出されてしまうケースもある。
そして、この通訳者が、
「聴覚障害者を差別しないでください!」
と騒ぎはじめ、トラブルとなる。
こんなのは、手話通訳者の自己満足に過ぎない。常に、申請者さんの目線で、申請者さんの気持ちになって、自分が
どうするのがベストか、よく、考えてもらいたい。


(6)同行通訳者の確認・打ち合わせ
   多用されそうな単語については、手話表現を統一する。
   ただし・・・
   わしらの地域では、事前打ち合わせは当日、当日の講演開始直前しか、やってはならないことになっている。
   ま、しゃーない。


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