みなさん、こんにちは。栗きんとんです。
今回お届けします、ひまわりの壷は「木材」です。
先ず本題に入る前の予備知識として、現在の国産材がおかれている状況について、お勉強したいと思います。以下お話する内容は林野庁や総務省の統計データ等を参考にしています。したがって独学で調べたものですので不適切な表現があるかも知れませんがどうかご了承下さい。
それでは、お勉強をはじめましょう!
先ずは森林率についてです。
森林率とは国土に占める森林面積の割合の事を言います。簡単に言えば森の人口密度と思って下さい。それでは主な国々の森林率を見て見ましょう。
上の表を見ると、北欧諸国、ロシア、インドネシアの森林率が高く、カナダ、アメリカは低くなってますが、カナダ、アメリカは面積が広大なので森林面積だけで考えると上位クラスに入ります。また、ブラジル、インドネシアは赤道直下の広大な原生熱帯雨林があるので森林率は高い数値になります。
では、日本は?というと何と67%もあります。
つまり日本は世界屈指の森林大国なのです。
ところが・・・・・・・・現在の日本の木材自給率はわずか20%しかありません。
では何故日本の木材自給率が低いのか・・・・・。
上のグラフは日本の森林自給率の変化を表しています。
日本は第二次大戦後、戦後復興による木材需要が増え、次々と山林から天然木材を伐採し、その伐採した跡に成長の早い針葉樹のスギ、ヒノキを植林しました。これは政府ができるだけ多くの木材を供給し、同時に将来の木材資源量を高めるためが目的でした。
ところが、高度経済成長期に入ると都市部への人口が集中し始め、道路交通網の整備、高層ビル、公団住宅の建設といった鉄骨、コンクリートの需要が高まったことや化石燃料を使った新建材が普及したこと、
植林された日本の山が海外の木材供給国に比べ急峻地域が多いため、森林の下刈りや間伐といった山林管理コストが高くなり、木造住宅の需要が増えても大量輸入された外材との価格競争に追い込まれ、その結果戦後植林された山林は林業の担い手の減少と作業者の高齢化が進み、手付かずの山林の広がりと荒廃という悪循環が生まれました。こうして荒廃した山林は、使用したくても建材としての利用価値が薄れ、木材の安定供給が難しい状況になりました。
ちなみに日本の主な建材用の外材の輸入先は、カナダ、アメリカ、ロシア等です。これらの国々には広大な針葉樹林帯があり、木の生育場所も丘のような緩い斜面にあるので機械化が進み、その結果コストの安い木材を供給することができるのです。また森林率で出てきたブラジル、インドネシアの木材は紙パルプの原料や合板として日本に輸出されてます。
次に日本国内の森林がどのようになっているか?を見てみましょう。
日本の森林にはスギ、ヒノキを主体とした人の手で作り上げた人口林、世界自然遺産で知られる白神山地の様に人の手が全く加われていない天然林の2つに分類されます。
上のグラフは日本国土の67%を占める森林面積を基準に人工林と天然林の割合を過去から現在(今は2008年ですので古いデータですが)までの推移を表したものです。
こうして見ると、1966年から1999年の間、天然林は微増ですが人工林は1966年から3倍以上に増えているのが判ります。もしこのまま人口林が手付かずのまま放置されるとしたら、洪水や土砂崩れの防止、良質な水資源の安定供給といった森林が本来持つべき機能が低下してしまいます。
先日発生した、宮城岩手内陸地震ような大きな地震、梅雨時の梅雨前線の活発化による集中豪雨が起きれば、荒廃した山林がどこまで持ちこたえられるかが心配です。
以上、社会の勉強になりましたが、今回はここで一旦お開きにしたいと思います。
次回も「木材」をテーマに森林のCO2吸収量についてもお話したいと思います。
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