なんちゃって助教授のつぶやき

社会問題の解決のための
「社会医学」の研究
~なんちゃって法学部助教授の奮闘記

モンゴルの眠れる資源

2007-03-01 22:58:23 | ひとこと

  JICAとーく今年度の最終回。
  
  第18回 「草原に埋もれた宝を探す!~モンゴル地質鉱物資源研究所プロジェクト」
  日時:3月1日(木) 18:30~20:30
  場所:JICAとうほく15階会議室
  スピーカー:高橋 裕平さん(産業技術総合研究所・東北産学官連携センター)
  詳細:日本人かと間違えるほどそっくりな顔をもつモンゴルの方々と地質調査のため5年間モンゴルで過ごされた高橋さん。日本との生活の違いをはじめ、地学の基礎やモンゴルの資源経済なども折り込みながら、モンゴルで行われた地質鉱物資源のプロジェクトをやさしく紹介していただきます。また、地質調査のため南極にも行かれたという貴重な体験もお話いただきます。参加無料。(以上JICA東北ホームページより)

  

  なんと、高橋さんはモンゴルの地質調査をした人だった。そしてモンゴルの地質調査には経産省時代の苦い思い出が…

  中川昭一経産大臣(当時)はモンゴルファン。駐日モンゴル大使とも懇意で、大使との会談の際に、「担当課長をモンゴルに送りますから」と指示をした。
  課長がモンゴルに行ってみると、その膨大な地下資源は、アイバンホーなど外国企業にすでに押さえられてしまっていた。オストルゴイの銅鉱床などは本州と同じぐらいの規模があるという。資源価格が高騰し、資源確保のための外交合戦が続いている中でなんたること。さらに驚いたのは、実はそれらの鉱物資源の存在を広めたのは日本がODAで派遣した技術者だったという。対応があと2~3年早ければ、日本が探鉱・開発できた鉱区も数多く残っていたのに、と地団駄を踏んだものだ。当時は資源外交といっても、資源エネルギー庁は必ずしも組織的・戦略的な対応をとっていなかった。これらの反省に立ち、今では資源エネルギー庁が戦略を練り、ODA関係部局が協力する体制になったのが救いではある。
 (まぁ、仮に手を打とうとしても、日本企業の体力ではムリだったかも。外資が開発のリスクをとって世に資源を供給してくれれば、国際的な需給は緩和されるから、その方が実は日本にとっては良かったという人もいるが…)

  それで、その「日本がODAで派遣した技術者」が高橋さんだったというわけ。モンゴルに派遣された高橋さんらは、ロシア語の文献を英語にして海外の雑誌等に発表し、Mongolian Geoscientist という英文誌を発行したり、国際会議にモンゴル代表を出席させたりした。これがその後のモンゴル資源(金、銅、石炭等)のブレイクにつながる。

  資源開発には、日本の足尾銅山の事件を引くまでもなく、多かれ少なかれ必ず環境破壊が伴う。特に精錬等を伴う重金属系は影響が著しい。モンゴルの蒼穹と豊かな草原を守るための日本の知恵と技術が求められる。 


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