鴻風俳句教室

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写真と俳句で美を追求しましょう
そしてこの世に生まれてきた証を残しましょう
 

絵心の無きことかなし絵筆草(紅輪たんぽぽ・5枚)

2015年06月29日 11時13分06秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・「紅輪たんぽぽ」のことを「絵筆草」ともいう。

「紅輪たんぽぽ」と言われると、その全身に黒い毛を生やした毒々しい花を思い出すが、

「絵筆草」というと、何となくかわいらしい草花を思い描くことであろう。

「角川俳句大歳時記」で「蒲公英」の傍題として「紅輪たんぽぽ」とは出ているが、

「絵筆草」ではまだ収録されていない。そのほか、「講談社日本大歳時記」「講談社新日本大歳時記愛蔵版」その他の歳時記にも

「蒲公英(たんぽぽ)」はあるが「紅輪たんぽぽ」「絵筆草」は少ない。

「蒲公英」は中国の描き方を日本でもそのまま借りて「たんぽぽ」と読ませているが、

中国読みでは「pu/gong/ying//プーゴンイン」とよんでいる。

なお、中国では牡丹の花や芍薬の花や菊の花は見ることは出来るが、蒲公英の花を見ることは非常に難しく貴重である。

それは、蒲公英の芽が1cmほども伸びると、奥さん方が総出でたんぽぽの若芽を摘み、茹でてピーナツ和えや、

炒めて食べてしまうからである。春の摘み草で蒲公英には花を咲かせたくても咲かせることが出来ないのだ。

黄色い蒲公英に話が流れたが、中国では「紅輪たんぽぽ」を見ることは出来なかった。

 

・・絵心の無きことかなし絵筆草

 

・・毛深きは紅林たんぽぽ父似ゆゑ

 

・・母無くばいつも母描き絵筆草

 

・・野にあれば紅林たんぽぽ華やげり

 

・・絵筆草紅蓮の日輪描く子等

・・絵筆草鴉歩むめる車庫の屋根

 

 

 

 


地に咲ける芍薬の影ほの紅し(芍薬10枚)

2015年06月27日 19時42分00秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・北海道にも遅い夏が訪れ、芍薬が満開になっている。この芍薬も咲くまでは長いが、咲くとすぐにも散りはじめる。

芍薬と言えば中国、中国と言えば南京市を思い出す。大學の先生が「南京で見たいところがありますか。」というので、

「南京長江大橋を見たいのですが。」というと先生自ら、42度という炎天の中を案内してくれた。

特に、「中山植物園」や「大橋植物園」などは芍薬や牡丹の花が見事に咲いていた。そんなことが思い出される。

 

・・地に咲ける芍薬の影ほの紅し

 

・・芍薬や長江渡る午後の船

 

・・芍薬に彼の世思へり真昼時

 

 

 

・・芍薬の蕊の金箔層幾重

  

・・日の光弾き芍薬笑ひをり

 

・・芍薬の花弁の深き谷を蟻

 

 

 

・・芍薬や南京大橋渡り出す

 

・・芍薬の香ぞお佛間に満ちみてり

 

 

 

 

 

 


残雪の山並み写し植えた水(道央道・滝川~江別市)

2015年06月25日 10時32分24秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

  ・「滝上町(たきのうえ)」の三つの山の芝桜、「上湧別」の120万本のチューリップ、「大空町(東藻琴)」の芝桜と見てきたが、これで

完結背ある。明日からは、じぃじの狭い庭で咲いている、わずかな花々をアップしたい。

 ・・早苗田に風吹き渡る空知郡

 

 

 ・・苗未だ植えぬ田の水眠りをり

 

 

 ・・流水のきらめき若葉風ひかり

 

  

 

 

 ・・残雪の山並み写し植えた水

 

 ・・新緑に残雪交ざり裏恵庭岳

 


北海道の夏草醸すサイレージ(道央自動車道・滝川市付近)

2015年06月20日 06時46分04秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・菜の花を見ると中国で過ごした8年間を思い出す。

2000年4月定年退職とともに、に中国の山東省駅の名前は「泰山」、市の名前が「泰安」の特別市で3ヶ月、「泰山大学」で中国語の基礎を勉強した。

9月からは江蘇省「南京市」の「三江大学」の日本語教師を皮切りに、最後は黒竜江省「佳木斯師範大学」までの8年間どこに行っても、

「油菜の花」が咲いていた。特に江蘇省の「南通市」では、学生と山に登って下を見たらその山を包むように見渡す限り菜の花の海であった。

また、吉林省の「四平市」の「吉林師範大学」では大學そのものが菜の花畑の中にあったといっても良い。宿舎の部屋からも、教室の窓からも、

目を外に向けると菜の花が咲いていた。実に美しかった。

 

・・長江を覆ふ油菜花盛り

 

・・菜の花明るさかなし埴生小屋

 

・・北海道の夏草醸すサイレージ

 

・・菜の花の褥に白雲動かざり

 

・・一面の菜の花満州吉林省

 

・・山裾は菜の花の海四川省

 

 

 

 

 

 


山脈の残雪著き原始林(旭川・紋別自動車道→道央自動車道)

2015年06月17日 19時22分12秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・大空町から「北見端野美幌線」を抜け「北見市」から「遠軽国道‥国道333号から「国道333号・白滝」あたりまでくると、

残雪の残る、大雪山系が見えてくる。さらに、「旭川市」から「道央自動車道」に入る。あとは滝川・砂川と南下するだけである。

・・万緑の海の彼方を雲の船

..

 

・・北壁の残雪いまだ深からむ

 

・・連峰の雪形に種蒔く農婦

 

・・山脈の残雪著き原始林

 

・天支ふ大雪山系夏朧

・バスの窓からの撮影なので青く写るのは仕方がない。

 

 


オホーツクの天を擡げて雲の峰

2015年06月16日 17時05分39秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・オホーツク海を少し離れて、振り返るように眺めると青空に雲の峰が立ち上っている。

夏の訪れを知らせているのだろう。

・・オホーツクの天を擡げて雲の峰

 

・・万緑の虚空を渡る風の艶

・写真が青っぽく見えるのは走行中のバスの窓から撮った写真でバスのガラス窓の青さが入り込んでいる。

 


大空へ続く山々芝ざくら(大空町)

2015年06月16日 16時55分45秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・ついこの前まで「東藻琴村」と呼んでいたが、いつの間にか、本当にいつの間にかと言う感じで「大空町」となった。

「大空町」とは確かに格好の良い名前だが、じぃじのような古い人間には「藻琴」がなじみやすく、「東藻琴村」が懐かしさを覚えるのだ。

北海道も若い人へと代替わりしなければならないのは理解できるが、昔からの町名が消えてゆくのは寂しいものである。

・・芝桜藻琴原野の花ローど

・・・大空へ続く道美(は)ししばざくら

 

・・山上の動く人々芝桜

 

・・芝桜濃淡の紅ほしいまま

 

・・東の文字と鳥居の芝ざくら

 

・・芝桜もて牛の貌描く山

・・・山腹を行く軽トラの観覧車

 

・・ヘリコプター飛ぶ山上や芝ざくら

 

・・芝桜咲き小さき村の祭りかな

 

・・オホーツクの風芝桜吹き渡る

・・・濃淡の紅敷き並べて芝桜

 

・・花爪草の緞帳の紅垂らす山

 

・・山上の祠へ続く芝桜

・・・芝桜山また山を燃え立たせ

 

・・紅炎に交ざる白炎芝桜

・・・白妙の波寄す山の辺しばざくら


オホーツクの夜明けを告げる海猫の声(オホーツク海)

2015年06月12日 20時53分16秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

 

・どの写真も青く見えると思う。

走行するバスの窓から写真を撮るとバスの窓の青みが入り込み青くなってしまう。

・・サロマ湖に山背の生める白卯波

 

 

・・サロマ湖へ入りこむ川や行行子

・北海道の道路はどこも直線道路である。本州から来られた方はこの直線に驚くのである。

・・霞へと傾れし道路の一直線

 

・・オホーツクの海へ光の種を蒔き

 

 

・・オホーツクの夜明けを告げる海猫の声

 

 

 

 

 

・・能取湖の見え隠れせり木々若葉

 

 

 


せせらぎに癒され若葉に癒される(北の森ガーデン)

2015年06月11日 20時42分40秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

・国道273号線「上川町」に「北の森ガーデン」「熊牧場」「アイスパビリオン」がある。

ここで昼食をとる。食堂の裏が造成中の公園となっている。さほど珍しいものとて庭となっているが、これから20年30年後には、

有名な公園になっているかとも思った。水の音がここと良かった。

・・せせらぎに癒され若葉に癒される

 

 ・・流れにも流れで水草生ひにけり

 

・・積み上げし岩石下る夏の水

 

・・若葉風磨く荷馬車の装車輪

 

 ・・扱き混ぜて夏の花へと動き出す

 

・・新緑に交ざる楓や風甘し

 ・蝦夷すずらんはドイツスズランに比べ背丈が短い。また秋には蝦夷すずらんには赤い実はならないがドイツスズランには赤い実がなるのだ。

においのよいのは蝦夷すずらんと思う。

 

 ・・咲出だす蝦夷すずらんの花清し

 

 

 


日を恋ふるチューリップハット縞模様(上湧別:チューリップ)

2015年06月09日 20時17分46秒 | 俳句と写真で美を求める=句写美じぃじ

 

・チューリップ(tulip)のことを日本語では「広辞苑」では「鬱金香(うこんこう)」である。

「角川大歳時記」でも「鬱金香(うこんこう)」だが、「ホトトギス俳句季題便覧」では「鬱金香(うっこんかう)」となっている。

発音は「鬱」を「う」と読んでも「うつ」と読んでもさほど変わりはないと思うが、

漢字では日本では「鬱金香」と書くのに対して、漢語(中国語)では「郁金香(yu・jin・xiang)と書く。

・・なぜ「郁(yu)」を「鬱(うつ)」としたのかはわからないが、じぃじには非常におもしろいと思うのである。

中国の漢字をそのまま日本の花の名としたのは、「向日葵(ひまわり)」「牡丹(ぼたん)」「芍薬(芍薬)」「百合(ゆり)など

いくらでもある。

 

 

 

 ・・丘陵の残雪が消え影正座

 

 

 

 ・・日を恋ふるチューリップハット縞模様

 

 

 

・・日をためて燃え立たす紅チューリップ

 

・・牡丹に見まがふ花の郁金香(ユイ・ジン・シャン)

 

・・ほったりと香気ただよふチューリップ

 

 

・・深き襞集め炎のチューリップ

 

 ・・チューリップ原種は小人の家ならむ