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NHK籾井会長が任期満了直前で見せた「哀愁の粘り腰」2016.12.6(町田 徹  経済ジャーナリスト)

2016-12-07 23:16:41 | 報道

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50375より転載

2016.12.06

NHK籾井会長が任期満了直前で見せた「哀愁の粘り腰」

「僕が続投という声はないんですか?」

消去法で選ばれた「籾井後任」

来月任期切れを迎える籾井勝人NHK(日本放送協会)会長の後任候補として、元三菱商事副社長で、NHK常勤経営委員を務める上田良一氏を起用する人事案が急浮上。早ければ、本稿が掲載されるのと同じ12月6日に開催される経営委員会で選任される見通しになっている。

現役の記者たちに取材したところ、上田氏起用案は、続投に拘る籾井氏に引導を渡すのに手間取り、足りなくなった時間の中での「消去法的な選択」(全国紙記者)で、「急転直下、白羽の矢が立った」(ブロック紙記者)ものという。

財界出身の歴代NHK会長と違って、上田氏には大企業の社長経験がないため、「NHK会長の格を備えていない」(放送記者)とシニカルな見方もある。

しかし、上田氏は三菱商事で最高財務責任者(CFO)職を務めた実績を持つ。NHKには、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、渋谷の放送センター建て替え、4K・8K(次世代放送)への対応と大型投資を伴う懸案が山積だ。

 その原資は、われわれ視聴者が負担する受信料だけに、上田氏には商社マン時代に鍛えた眼を活かして効率的な投資を行い、近い将来、放送の充実と今回は幻に終わった受信料還元を両立してほしいものである。

撮影:編集部

続投の意欲を見せた籾井会長

あまり報じられていないが、大手メディア各社の記者が今回の会長人事の取材で最も多くの時間を割いたのは、後任候補探しや後任決定のタイミングを探ることではなく、籾井氏が自身の進退にけじめをつけられるかどうかの取材だったという。

政府のプロパガンダとの間でデリケートな線引きがある国際放送に絡んで「政府が右というものを左とは言えない」とか、言わずもがなの従軍慰安婦問題にわざわざ言及して「どこの国にもあった」などと放送人にあるまじき失言を繰り返した。

その上、プライベートのゴルフに使ったハイヤー代金をNHKにつけ回そうとして経営委員会から注意を受けた問題もあって、菅義偉官房長官ら官邸首脳は早くから、籾井氏の任期を1期(3年)限りと決め、再任しない方針を固めていた模様だ。

そのため、焦点は、いかに騒ぎを起こすことなく会長のバトンを後任に譲らせるかの一点に絞られていたらしい。

10月になると、NHK会長の人事権を持つNHK経営委員会は、次期会長選びを想定して、「政治的に中立である」「人格高潔であり、説明力に優れ、広く国民から信頼を得られる」など5項目から成る資格要件を明確化した。

いつもと同じ資格要件をわざわざ切り出した狙いが、「籾井氏は不適格だ」と本人に自覚させることにあるのが明らかで、実際に「籾井氏が合致しているとは言いがたい」とコメントした委員もいたという。

しかし、籾井会長はそうした周りの空気を無視。代わりに、「余ったら返すのが筋だ」と、受信料の引き下げを手土産にして、会長再任を目指す構えを見せた。

仮に万人が不適格と思っていたとしても、籾井氏は「安倍首相のお友達」という触れ込みでNHK会長に就いた人物だ。本人が続投に強い意欲をみせている段階で、後継者探しを始めても、候補者に受諾させるのは容易なことではない。

それゆえ、この種の示威行動だけで、NHKは、一流の財界人に籾井氏後継を代診する道を封じられてしまったという。


僕じゃダメ?

ようやく事態が動くかに見えたのは、先月(11月)22日の経営委員会だ。800億円近い内部留保があるうえ、受信料収入が過去最高の7000億円突破する見込みとなっていることを理由に、来年秋から月額50円程度引き下げるという籾井会長の値下げ案を、経営委員会が「将来的な収支の見通しが不透明だ」「見通しが甘い」と切り捨てて、値下げを見送ったのだ。

これにより、失言を繰り返してきた籾井会長に対する経営委員会の不信感は根深く簡単に修復できる見込みはないため、会長の再任支持はあり得ないと、さすがの籾井氏も観念するだろうと、関係者の誰もが期待したのである。

ところが、籾井氏はまだ粘った。

12月1日の定例記者会見で、陪席していた堂元光副会長が、同氏を籾井氏の後任候補とする報道があることに関する感想を求められて、「私は会長を補佐するということで、ここに座っている。私自身に対する質問にはお答えできない」と生真面目に答えたところに、籾井氏が笑顔を浮かべながら割り込んみ、「(候補者に)『僕』っていう声はないんですか?」とやらかしたのだ。

その態度を見て、開いた口が塞がらない記者も少なくなかったと聞く。

とどめを刺した読売新聞

だが、12月2日。過去2、3年、圧倒的な官邸への食い込みを見せる読売新聞が夕刊で、そうした状況に終わりを告げるスクープ記事『NHK会長、上田氏が有力に 籾井氏は退任へ』を放った。

それによると、会長の選任には、12人のNHK経営委員のうち9人以上の賛成が必要だが、籾井会長再任を積極的に推す委員はおらず、同氏が退任を余儀なくされそうな半面、委員の間には上田氏支持が広がっている。

上田氏は2013年6月からNHKの常勤経営委員を、同7月から監査委員を務めており、NHK経営や放送法に精通していることも付記した記事で、官邸が上田氏の起用を軸に事態の収拾に乗り出したことが伺える内容になっていた。

新聞やテレビは、この読売新聞記事を相次いで追いかけており、上田氏の次期NHK会長就任はほぼ確実といってよいのだろう。

そこで、読売新聞や官邸のお墨付きに筆者が加えることがあるとすれば、上田氏の三菱商事での最終職であるCFOは、会計や財務だけでなく、リスク管理や管理会計に基づいた投資判断も管掌するポジションだったということだろう。

筆者の経験では、大企業の社長経験者には、自分で時々の状況をほとんど把握しておらず、善きに計らえと部下任せにしてしまう、お飾り的な人物が意外と多いのが実情だ。そういった点では常勤の経営委員や監査委員もこなし、NHKの実情に通じた上田氏こそ、むしろ会長にピッタリのはまり役の可能性がある。

実際、三菱商事時代の上田氏をよく知る三菱商事の中堅幹部は、「真面目なハードワーカー。現場の意見をよく聞き、リーズナブルな判断を下す人」と高く評価する。

そこで、上田氏には、オリンピック・パラリンピック対応、渋谷の放送センター建て替え、新世代放送(4K・8K)投資などのために相応の積立金があるからといって油断せず、効率的な投資に徹することを期待したい。

番組制作費については、独りよがりとしか思えないおカネのかかった番組が目に付くこともある。その種の無駄遣いは最大限カットしていただきたい。そのうえで、今回、見送りになった受信料の引き下げを1日も早く、少しでも大きな金額で実現するよう期待したい。

 

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