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菅野完が斬る「森友問題の核心は籠池教育を持ち上げた安倍首相」〔dot. 2017.5.8〕

2017-05-10 23:06:29 | 森友学園疑惑

 籠池氏「あれは忖度ではなく、『ご下命』があったんだよ」「忖度だけで、官僚はあんなに動かない。上から明確な指示があったから動くんだ」


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https://dot.asahi.com/wa/2017050800062.html?page=1

菅野完が斬る「森友問題の核心は籠池教育を持ち上げた安倍首相」

(更新 2017/5/ 8 16:00)
菅野完氏菅野完氏

 

 20以上の疑惑が未解明のままの森友問題。口封じのように、大型連休明けにも籠池ファミリーの強制捜査があるとの説もささやかれる。籠池前理事長夫妻から4年分の手帳、財務省との会話を録音した音声データなどを託された著述家の菅野完(たもつ)氏が、本誌に森友問題の“核心”を語った。

*  *  *
 新たな証拠がここまで出てきたのに、安倍政権は昭恵氏ら当事者を国会に呼ぶこともなく逃げ切ろうとしている。完全にモラルハザードです。統治者としてのタガが外れている。もう、あったことはあったと認めましょうよ。

 たとえば財務省は交渉記録を捨てたと言い続けていますが、そんなはずはない。もし、森友学園が小学校の認可申請を撤回しなかったらどうなっていたか。大阪府私学審議会は認可を下ろさず、森友学園は国に土地を返さなければならなくなる。森友学園は府に対し、行政訴訟を起こしたでしょう。そうなれば国も訴訟に巻き込まれる。記録をすべて破棄してしまっていたら、訴訟を戦えない。官僚がそんなことをするはずがありません。

 籠池泰典氏は“メモ魔”で、いつ誰と会ったかは手帳に全部記録が残っています。私は籠池夫妻から4年分の手帳のコピーなど、膨大な記録を託されており、今も精査しているところです。

 籠池氏と国や大阪府との交渉については今後、さらなる事実を明らかにしていくつもりですが、私は問題の核心は別のところにあると考えています。

 安倍晋三首相は2月17日、国会で「妻から森友学園の先生(籠池氏)の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」と臆面もなく述べていました。子供たちに教育勅語を教えている教育者を、首相が「素晴らしい」と讃える。ファーストレディーの昭恵氏は、そうした教育を目の前で見た上で、名誉校長に就任した。私はこのこと自体が、一番の問題だと感じます。メディアや野党には、こうした点をもっと愚直に攻めてほしい。

──安倍政権は、この問題を早く幕引きにしたいようだ。4月17日には安倍首相が都内の商業施設のイベントで山口県産品がないことを指摘して「(私の思いを)忖度(そんたく)していただきたい」とジョークにした。一方で、大阪地検に告発されている籠池氏については、永田町では「連休明けにも逮捕され、国会での追及は幕引きになるのではないか」とうわさされている。

 籠池氏は泰然自若としています。安倍首相にはまだ、一定の敬意を抱いているようです。そこは一貫している。「忖度」のジョークは鼻で笑っていましたが、「忖度」という言葉が独り歩きしていることに違和感があるそうです。

 籠池氏は、「あれは忖度ではなく、『ご下命』があったんだよ」と言います。「忖度だけで、官僚はあんなに動かない。上から明確な指示があったから動くんだ」と。やりとりの音声記録について財務省が「データの出所を承知しておらず、コメントできない」としていることについては、「よう言うわ」と、あきれていました(笑)。

──籠池氏と財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長とのやりとりの音声記録が出てきたことを受け、籠池氏は4月28日に国会内で民進党のヒアリングに応じ、昭恵氏と頻繁に連絡をとり合っていたことを明かした。

 籠池氏によれば、小学校の建設について2012年10月頃に「まず真っ先に相談した」のが昭恵氏だったという。当時、首相に返り咲く前の安倍氏に講演を依頼しようと安倍家と接触すると、昭恵氏との面会が実現し、小学校の建設構想を話した。安倍氏が同年12月、首相に返り咲いたため、講演は実現しなかったが、13年9月に財務省に土地取得の要望書を出した後なども、「昭恵夫人に適時、ご報告していた」という。

 その後、昭恵氏の講演が実現することとなり、籠池氏は14年3月に都内のホテルで昭恵氏と面会。

 この際、小学校の建設運動について説明すると、昭恵氏は「主人に伝えます。何かすることはありますか」と応じたという。

 籠池氏はその後も昭恵氏に交渉の経過を逐一報告し、その回数は20回ほどだったという。さらに、籠池氏の妻と昭恵氏はより頻繁に電話しており、1回の電話で1、2時間ほど話し込むことが「数えきれないくらいあった」と説明した。

 こうしたやりとりから、籠池氏は「私の考えを(昭恵氏に)ご説明申しあげて、そのことを通じて各方面にわたって対応していただいていたのではないか」という認識を持っていた。

 また、問題発覚後に昭恵氏が名誉校長を辞任した際は安倍事務所の秘書からファクスが送られてきたが、昭恵氏自身は辞任を知らなかったという。

 籠池氏は「家内とのメールに『私が辞任したことは知らなかった』という言葉があった。当然、事務所の上の方の対応であったのでしょう」とも語った。

 籠池夫妻と昭恵氏の“親密さ”をどう読みとくか。

 籠池氏は「昭恵氏の意向を受けて財務省が学校設置のために動いてくれた」と思っていた。14年末、財務省から売買契約締結までの手順を詳細に書いた「手引書」のような資料までもらっている。この時あたりから、「神風が吹いている」と感じていたようです。それなのに、16年3月になって新たなゴミの問題が発覚し、財務省が業者に対し、ゴミの一部を埋め戻すよう指示していたという記録も目にした。籠池氏はこれを「安倍家への愚弄」と感じたのでしょう。

 一方、財務省側もこうした背景を熟知していた。

 15年11月には昭恵氏付職員の谷査恵子氏が、籠池氏からの問い合わせを受け田村室長とやりとりをし、籠池氏にファクスで回答しています。そして音声記録の中のやりとりでも、籠池氏は「棟上げ式に首相夫人が来られて、餅をまくことになってるから」と、昭恵氏に言及していた。官僚が「安倍家」の存在を意識しないはずはありません。

 実際、やりとりの中で田村室長は「もともとこの件の経緯が、もう貸し付けするっていうことが特例だった」「特例的なものは我々にも相談が来る」と、何度も「特例」という言葉を使っている。政治家の関与する、いわゆる「マル政案件」であることを、自ら認めているようなものです。このやりとりの後、土地が8億円値引きされ、森友学園に売却されました。8億円の根拠が何だったのかはわかりません。15年9月4日の近畿財務局と業者との交渉記録では、近財が簿価より高い費用を発生させられないと言って、ゴミの埋め戻しを指示したことになっています。

 そもそも、値引き前の9億5600万円という土地の評価額の根拠があやしい。隣接するほぼ同じ広さの土地は、約14億円で豊中市に売却されています。土地の値段も、政治案件だからと恣意的に決められた可能性があるのです。

──籠池氏は、「(交渉の)録音テープはまだあります」と語っていた。今後、さらなる“爆弾”が出てくるのか。

 私のほうでも、籠池氏から託された資料について精査を続けているところです。うやむやなまま幕引きはさせませんよ。(本誌・小泉耕平)

週刊朝日  2017年5月19日号


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