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<書き起こし・その1>「施行時期を明言。安倍総理のメッセージから、憲法改正の今後を読み解く」木村草太  〔TBSラジオ「荻上チキ」5月3日(水)放送〕

2017-05-07 21:23:40 | 憲法

荻上チキ・Session-22

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https://www.tbsradio.jp/144021

「施行時期を明言。安倍総理のメッセージから、憲法改正の今後を読み解く」木村草太×荻上チキ【音声配信】5月3日(水)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)

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小原 美由紀さん、▽書き起こしその1

安倍首相のビデオメッセージ演説を聴いて、萩上チキさんが論点をまとめ、
「木村さんは、全体お聞きになっていかがですか。」

...

木村草太さん
「まずは、九条についてはですね、ご本人(安倍首相)の前のめりとは別に、かなり難しいと思いますね。いま九条を変えて自衛隊を明記すると、それはひとつの考え方ですが、
仮に「個別的自衛権まで」というふうに国民投票にかけて可決すると、安保法制が違憲になっちゃうんですね。「集団的自衛権こみ」で国民投票にかけると、2015年の安保法制をそのまま国民投票にかけると言うことになります。これはいまの政権に取とって大ばくちになりますし、安保法制への反発を考えますと、否決される可能性も高いんですね。

国民投票で安保法制ダメ、って否決されたら これは相当なダメージですし、安保法制も全部立て直し、ってことになりますし。ということは、結局具体的にやろうとすると実は非常に難しくて。
かつ、いま違憲の疑いが非常に強いところは自衛隊以前にむしろ安保法制のことで。
もし違憲の疑いを払拭するということであれば
「安保法制を国民投票にかけます」というべきだったわけですが、それはできないことがわかっていて、支持者向けにポーズを取ったという声明になってるとふうに読まざるをえないんですね」

荻上さん
「9条の1項2項を残しつつ、自衛隊を明文化すると言うことですので2項に足すのか、3項をもうけて「自衛隊を保持する」とかくのか。仮に自衛隊を保持すると言うことを明文化するとなれば、1項2項を含めたトータルの解釈になるのでしょうか?」

木村さん
「んーと、書き方によると思います。
いまの内容とまったく変わらないとするような書き方もあると思います。
ただこの場合は、国民が国民投票でなにを聞かれてるかさっぱりわからない国民投票になりますので、たいへんな混乱が起きるので、やめた方がいいと思います。」

萩上さん
「なるほど。いまの政府見解では、自衛隊は保持していいってことになっているんですね」

木村さん
「そうなっていて、今のままで行きます、って言う改憲を提案するのでしたら、
国民は賛成するとどうなって、反対するとどうなるのか、わからないまま国民投票することになるので、なんの結論も出ない、意味のわからないことになるので、もう少し議論を整理してからしゃべってください、という感じですね。」

荻上さん
「改正の理由については、いまの音声ではふれなかったんですが、多くの憲法学者や政党が、自衛隊を違憲だとする議論がまだ続いているから、それに決着をつけたいと。
自衛隊は合憲なんだって、より強く、はっきりとさせたいと。すでに政府見解はいまの解釈は出ているけれども、それに対して有無を言わさず。。」

木村さん
「世論調査をみていると、自衛隊の存在自体はけっこう合憲だと考えている方もいらっしゃるんですね。
もし、ほんとに自衛隊の合憲に疑義があるなら、真正面から認めるべきで、 かつ、いまの政府解釈に自信があるのなら、それを維持すべきです。
違憲の疑いがより強いのは「集団的自衛権」のほうで、自衛隊の存在よりもそちらのほうが違憲の疑義が強いところなので、そこにまったく言及せずに9条論議をすると言うこと自体が、大きな逃げを打っていると。」

荻上さん
「なるほど。つまり九条改正しますよ、ということで保守層にアピールできるのと、多くの国民がなんとなく自衛隊そのものの存在はいいよね、というところだけで論議したいのですが。まあ、まだ具体的に条文が出ていないので・・」

木村さん
「自衛隊の明記、と言うのは、改憲提案としては国民に通りやすいというか理解が得られやすいところなんですね。世論調査でも割と賛成が多いとされている箇所なんですが。
ただ、いまの状況でやると、2015年安保法制というのを前提にすると、それをかけたときに、安保法制をかければ政権にとってダメージだし、個別的自衛権までの改憲をしちゃうと、安保法制の違憲が明確になっちゃうと言う結局非常にやりにくい、ファンタジーな提案だってことでしょうね。」

荻上さん
「もうひとつ、高等教育の無償化という面について織り交ぜていますが、いかがですか?」

木村さん
「これはやはり、維新の会のみなさんには、取引と言うか、維新の会の提案ものみますよ、といわないと、維新の会賛成しにくいでしょうから。一緒にやっている面はあると思いますが」

荻上さん
「仲間においで、ってことでしょうか」

木村さん
「これも最近の世論調査で出てますが、禁止されてるわけではないので、憲法で。改憲しなくたって教育の無償化はできるわけで、わざわざやる必要はいだろうと。

それからやはり、この番組でも申し上げましたが、
国民投票って一回に850億円かかるんですよね。そりゃかかりますよね。一億人の投票ですから」

萩上さん
「そうですよ、あちこちに投票所もうけて、選挙管理委員会とかもうけて、集計とかトラックとか、色々あるわけですよね」

木村さん
「850億円かけて、やんなくていい改憲するよりは、そのお金奨学金にした方が絶対いいですよね。」

萩上さん
「ああ、そうですねぇ。」

木村さん
「わかりました、やりましょう。でも、もっと有益なことにつかいませんか?という議論になりやすい話しではあるんですね。
もちろん、維新の会のみなさんが「教育の無償化」って論点を出してくださったおかげで、いま、若者に対する教育の支援に注目が集まったのは、評価されてしかるべきと思いますが、
ただ やっぱり、改憲という手法で行くのはどうなのかと考えている国民の方も多いですし、

やはり高等教育ということになると、TBSの番組で西原さんという憲法学者が指摘したのですが、
「高卒の人から取った税金で大学に通っている人たちにお金を回して、大卒の人が高額の所得を得る」と言う制度になるわけですね。
これはやはり高卒の人って大卒の人に比べて収入が低いので、とても不公平に見える制度になってしまう。
もし高等教育の無償化をやるのだったら、高卒で働き出した人に対するスタートアップの支援みたいなものも一緒にしてったほうがいいと。
初めての高卒で働き出した人は、いろんなお金がかかるでしょうから、そこで支援をすると言うことを合わせてやらないと 不公平感が出てきますね。」

< その2に続く!!>

文責・小原美由紀

 

 


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