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台湾が脱原発法を可決、アジア初
民主進歩党(民進党)の蔡英文総統は昨年1月の総統選で、25年までの脱原発を公約に掲げて当選した。
改正法は「原子力発電設備は25年までに全て運転を停止すべきだ」と明記。
【共同通信】
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2014年3月8日、13万人の反核デモ、4月22日、林義雄さんが死を覚悟して無期限断食を開始、4月27日、5万人が台北駅前の8車線道路を11時間占拠。台湾の反原発運動がさらに強まっています。
3月18日から3週間も続いた、若者たちの立法院(国会)占拠など、社会に大きなうねりが見られます。
このような運動の中、馬英九総統がついに第四原発の建設停止を発表しました。
ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.128より
5万人が台北駅前を占拠
馬英九政権 「第四原発、稼動・工事凍結」を宣言
(自由時報・蘋果日報の記事より翻訳・構成) 陳威志
第四原発の廃止を訴えるため、台湾の苦難の歴史のシンボルである林義雄弁護士が、死を覚悟して、4月22日に無期限断食を開始した。
それに呼応する形で、全国126団体による「原発廃止全国ネットワーク(全国廃核平台)」は動き出した。26日、大勢の市民が総統府前に座り込んだ。その場で、翌日のデモ行進とともに道路占拠を行なうことが予告された。
27日午後、「原発を終わらせよう、主権を市民に返せ(終結核電、還權於民)」と叫びながら、デモ隊は、総統府前の凱達格蘭大道から出発した。主催側の発表では、約5万人の参加という。
忠孝西路の台北駅に面したエリアに着いたデモ隊は、予告通り、道路占拠を図り、人数の勢いで警察の封鎖を突破し、忠孝西路の全車道が占拠されることになった。激動の事態展開のなか、馬英九政権は妥協し、第四原発の「稼動・工事凍結」を発表した。
● 第四原発を終わらせよう!
主権を市民に返せ!
「占拠」の幕は27日朝から開いた。総統府前で一夜を過ごした市民たちは、馬英九政権の民意無視・独断専行に対抗する意味で、「参加討議型民主主義」のやり方で、第四原発の行方について議論した。
その結果を集約した「核四(第四原発)市民意見書」を発表した後、15時20分、林義雄さんの呼びかけで1994年に設立されたグループ「人民作主行動」のメンバーを先頭に、デモ行進が景福門からスタートした。デモ隊は予定どおり、中山南路、常徳街、公園路、襄陽路、舘前路を歩いて、16時に、忠孝西路に着いた。行進中、「ぐずぐずするな、直ちに第四原発を中止しろ!」という市民の怒り声は、絶えなかった。
参加者が続々と忠孝西路に寄り集まったとき、街宣車から「原発を終わらせよう、主権を市民に返せ」という暗示的な指示が出された。それを聞いて、もともと台北駅前の三越百貨店の手前にいた市民たちが、道路分離柵を乗り越え、向かい側の車道に突入した。市民たちはすぐさま、事前に用意した折り畳み式の椅子を出して座ったり、横になったりした。市民たちは一気に押し寄せ、交通が遮断され、忠孝西路全車道(8車線)の占拠が果たされた。そのとき、台北市警察局による警備体制はわずか1800人だった。
忠孝西路と公園路の交差点にいた警察は、占拠の人々に対して、「集会法に違反。直ちに撤収しないと逮捕する」という札を4回も出したが、人数の差があまりにも大きいため、16時半に機動隊は撤収した。そのとき、忠孝西路の舘前路との交差したエリアから、中山南路との交差のエリアまでが、市民に埋め尽くされたのだ。
● 原発事故の怖さを訴えてダイイン
16時半ごろ、原発事故通報サイレンのような音が鳴り、参加者たちが次々と道路で横になって「緊急時演習」を行なった。高周波音によって、原発事故が発生したときの恐怖を人々に感じさせ、現場は静まり返った。
交通への影響を承知したうえで、あえてこのような行動をとることには、いままで馬英九政権が、何度も市民との約束を破り、民意を無視してきたという背景がある。
緑色公民行動連盟事務局長の崔愫欣(チェスーシン)は、「林義雄さんの命が少しずつ衰えてゆき、われわれ市民の怒りもどんどん増えていって、もう我慢の限界だ! 権力を奪い返そうじゃないか!」と、激しく当局を非難した。
● 第四原発建設・稼動は
きっぱり中止すべき
事態が厳しくなっていったなか、27日の夕方、地方自治体首長との討論のあと、馬英九総統は譲歩した姿勢を見せることになった。総統府は以下の声明を出した。「第四原発1号機を稼動させない。安全審査を行ない、その後しばらく凍結する。2号機は全面工事停止。第四原発の稼動に関しては、国民投票で決める。また電力供給に支障を与えないように、行政院は全国エネルギー会議を開く」
しかし、原発廃止全国ネットワークは「受け入れがたい」という態度を表明し、行政院に「第四原発建設・稼動の『中止』をただちに命じろ」と断固要求した。
占拠現場は、夜の忠孝西路に、8000人が残っていた。
● 28日未明、強制排除が始まった
連日の行動でやはり疲労困憊か。零時を越えると、人数は2000人に減った。そんななか、排除に向けて警察が動き出した。1800名の機動隊が、28日未明から、40回ほど放水銃を発射しながら、忠孝西路と館前路との交差点から、中山南路との交差点へと攻めてきた。
放水を受けた人々は倒れて、機動隊がすぐさま人を排除していくが、必死に反抗する市民たちもいた。いっぽう、路上から運び出された多くの市民が、暴力に負けず、また現場に戻って座る光景も見受けられた。放水、排除、対抗のくり返しだ。
排除されたのは市民たちだけではなかった。忠孝西路の歩道橋まで突入できた機動隊は、5時ころ、歩道橋の上にいた記者らを追い払い始めた。拒否しようとしたapple dailyの張記者が強行に運び出され、けがをした。
朝7時7分に、忠孝西路は通常の交通状態に戻ったが、一部の市民は総統府前に戻り、座り込みを続けた。
● 約束を履行するかどうかを
見つめていく
一旦落ちついた28日の午後に原発廃止全国ネットワークは記者会見を開いた。会見で、第四原発の稼動・工事凍結宣言を、運動の初歩的、段階的な成果だと評価したが、第四原発が本当に廃止されるまで引き続き監視していくと語られた。「行政院が約束を本当に守るかどうかを見つめていく必要がある」と強調された。
● 民間版「公民投票法修正案」の提出
原発廃止全国ネットワークの発言者(マスコミ対応係)である台湾人権協会の邱伊翎は、さらに以下のように語った。「きっぱり第四原発廃止を決断しない行政院は、政府の責任を果たすどころか、その責任を市民に押しつけようとしている。きわめて遺憾だ。公民投票法の成立条件に関する抜け穴の問題は周知されていて、法改正を行なわないかぎり、市民は到底受け入れがたいだろう。私たちは近々、市民版の修正案を提出する予定で、その可決を要求していく」
追伸:4月30日、林義雄さんは断食活動を終了した。
(「183項目に及ぶ安全審査は1〜2年はかかるとされるため、第四原発稼働問題は馬英九政権では凍結され、2016年に誕生する新政権下の民意に判断が委ねられることになった」との報道もあります)
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ノーニュークス・アジアフォーラム通信 No.128 もくじ
(14年6月20日発行)B5版20ページ
● 5万人が台北駅前を占拠
― 馬英九政権「第四原発、稼動・工事凍結」を宣言 ― (陳威志)
● 台湾人に感謝します
―絶食を停めるにあたり皆様にお伝えします (林義雄)
● 断食する林義雄さんに届けたメッセージ
● 川内原発「再稼働」反対!
― 県議会開会日、県庁前集会に1100人 ― (杉原洋)
● 三菱が原発を輸出しようとしているトルコ・シノップで1万人デモ
「幸福なシノップに原発はいらない」
(ルファット・ドーアン)
● サムチョクに希望を見出すも、脱原発の政治イシュー化には遠く (高野聡)
● 顕在化するインドネシア・バンカ島の原発建設計画 (遠山勝博)
● インド・クダンクラム原発反対運動(15)
● 福井地裁・大飯原発差し止め判決! 「原告の一人として」 (水戸喜世子)
● ノーニュークス・アジアフォーラム関連 Ustreamアーカイブ (中島貫)
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