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「高校授業料無償化」裁判で朝鮮学校が全面勝訴(大阪) ~民族教育の歴史に正面から向き合った画期的な判決文

2017-07-29 12:20:16 | 命 人権 差別

民族教育の歴史に正面から向き合った画期的な判決文

https://blogs.yahoo.co.jp/remember_0416/14921307.htmlより引用

「高校授業料無償化」裁判で朝鮮学校が全面勝訴(大阪)

「朝鮮学校yoriイメージ 1
▲朝鮮学校の勝訴を報告する原告弁護団
 
原告全面勝訴の判決 
 7月28日、大阪地方裁判所で、大阪朝鮮高級学校への授業料無償化の適用を求める裁判の判決公判があった。西田隆裕裁判長は、国(文部科学大臣)が2013年2月に「高校授業料無償化法」の省令(施行規則)を改正して朝鮮高級学校を無償化の対象から外したことを、法律の趣旨を逸脱した違法な行為で無効だと指摘し、朝鮮学校を無償化の対象から外した国の処分を取り消したうえで、朝鮮学校を無償化の対象に含めるよう命じる原告(学校法人「大阪朝鮮学園」)全面勝訴の判決を下した。この判決は、民族教育の歴史をふまえて朝鮮学校の教育の自律性を全面的に認めた画期的な判決だった。
 
原告の請求-不指定処分の取り消しと指定の義務付け
 この裁判で、原告側は、①2013年2月20日付で国が朝鮮学校を「無償化法」施行規則第1条第1項第2号ハ(※)に基づく指定をしなかった処分を取り消す<取り消し訴訟>と、②国は大阪朝鮮高級学校を同規則ハに基づく指定をせよという<義務付け訴訟>の2つを請求していた。
 このうち①は、政治的理由で朝鮮学校を狙い撃ちにした行為であるという違法性を立証できれば勝ち目は十分にあると見られていた。しかし、②は「指定をしなかった」ことを取り消した上で「指定をさせる」という積極的な措置で、比較的新しい請求であるため、原告側もここまで獲得できるかどうかは微妙だと見ていたようだ。その意味で、①②どちらも請求を認めた今回の判決は、朝鮮学校の主張を一切顧みることのなかった19日の広島地裁の判決と正反対の「完全勝利」に近いものだった。
※「無償化法」施行規則第1条第1項2号ハ 
 「無償化法」の対象となる学校で、インターナショナルスクールや中華学校、韓国学校などいわゆる「外国人学校」と呼ばれる各種学校に関する規定で、(イ)外国の教育課程で高等学校と同等の教育をしていると位置づけられている学校(ロ)国際的な評価機関の認定を受けている学校(ハ)その他文科大臣が指定した学校の3種類があり、朝鮮学校が(ハ)に該当するかどうかを文科省が審査して結論を出すことになっていた。
 
「教育の機会均等とは無関係な外交的・政治的判断で無効」
 
 国は、朝鮮高級学校を無償化の対象としないと判断した理由について、①施行規則ハの削除によって無償化の根拠自体がなくなったことと、②施行規則ハの判断基準として設けた規程第13条の「債権の弁済(授業料の無償化)への確実な充当など法令に基づく学校運営の適正」に朝鮮高級学校が適合すると認められなかったことを挙げた。
 
 このうち①について判決文は、各種学校の範囲をどう定めるかについて文部科学大臣に一定の裁量権が存在することを認めながらも、それは「教育の機会均等」という法の趣旨を逸脱しない範囲内でのみ許容される、とした。そのうえで、当時の下村博文文部科学大臣が「拉致問題の進展がないこと」を削除の理由に挙げ、「外交上の配慮により判断しない」とした民主党政権時代の統一見解を廃止したことは、教育の機会均等の確保とは無関係の外交的・政治的判断によるものであり、施行規則ハの削除は法の趣旨を逸脱した違法なもので無効だと結論づけた。
 
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▲東成区民センターで行われた裁判の報告集会

 
規程13条の解釈については国の主張を認める
 
 ②の規程13条は、広島裁判でも争点となっていた。広島裁判の原告は、規程13条で財務関係などの学校運営までを指定の条件に含めることは裁量権の逸脱であると主張したが、広島地裁の判決はこの点に関して国の主張を全面的に受け入れ、朝鮮学校が受け取った就学支援金を授業料無償化に使わずに流用する恐れがあるとした。
 
 今日の大阪地裁の判決でも、規程13条自体は法の趣旨を逸脱するものではなく、「法令に基づく適正な学校運営」は「不当な支配」からの独立を謳った教育基本法第16条1項も含まれると、国の主張を採用した。
 
 そのうえで、大阪朝鮮高級学校は私立学校法に基づいて財産目録や財務諸表等を作成し、理事会等も開催されており、大阪府知事の臨時立ち入り検査の際に法令違反を理由とする行政処分はなかったことから、「特段の事情がない限り」規程13条の適合性が認められる、とした。
 
 それでは、朝鮮高級学校が朝鮮総連の「不当な支配」を受けている疑念を生じさせる「特段の事情」が認められるか。それが今回の判決の肝になる部分だった。
 
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国が主張する「不当な支配」には根拠がない
 
 国は、「不当な支配」の証拠として、保守系マスコミの新聞報道や、拉致被害者を救う会や朝鮮総連と対立する民族団体の文書、公安調査庁の資料などを提出した。判決文は、これらすべてを「根拠がない」「無償化に反対する立場からのもので信用性は慎重であるべき」と判断した。
 
 例えば、朝鮮高級学校が朝青(在日本朝鮮青年同盟)の会費を授業料と共に徴収していることを問題視する報道について、「朝青は生徒会と同様の組織であり、会費を授業料と共に徴収するのは合理的」だと一蹴している。また、理事会の議事録を偽造したとか補助金を目的外に流用したとの報道も根拠がなく、教育会については保護者・卒業生等で組織される支援組織であって、朝鮮総連による学校支配の機関ではない。むしろ、朝鮮総連のホームページに記載された「朝鮮総連が朝鮮学校を指導している」という記述が朝鮮学校の申し入れにより削除されていることから見ても、一部マスコミの報道が「特段の事情」の存在を証明しているとは言えない。
 
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 そしてこれが特筆すべき部分であるが、朝鮮高級学校では朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の指導者に敬愛の念を抱き北朝鮮の国家理念を賛美する教育が行われ、それに朝鮮総連が一定程度関与しているのは事実であっても、それをもって両者(朝鮮学校と総連)の関係が不適正であるとは言えない、と明言している。それもまた民族学校としての朝鮮学校の自律性に属する、という判断だ。
 

 
民族教育の歴史と向き合った画期的な判決
 
 判決文は、「朝鮮高級学校は、在日朝鮮人子女に対し朝鮮人としての民族教育を行うことを目的の一つとする学校法人であるところ、母国語と、母国の歴史及び文化についての教育は、民族教育にとって重要な意義を有し、民族的自覚及び民族的自尊心を醸成する上で基本的な教育というべきである。そうすると、朝鮮高級学校が朝鮮語による授業を行い、北朝鮮の視座から歴史的・社会的・地理的事象を教えるとともに北朝鮮を建国し現在まで統治してきた北朝鮮の指導者や北朝鮮の国家理念を肯定的に評価することも、朝鮮高級学校の上記教育目的それ自体には沿うもの」であると述べている。
 そのうえで、朝鮮学校が朝鮮総連によって「不当な支配」を受けているという「特段の事情」は存在しないと認め、13条を含む規程の要件をすべて満たす大阪朝鮮高級学校に対する(授業料無償化の)指定をしないのは裁量権の逸脱・濫用であると結論づけ、国に対して指定を命じている。
 
 判決文では、日本社会の一角に(時には朝鮮学校を支援する立場の人まで)存在する「朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連から自由にならないと無償化は難しい」という考えは完全に否定されている。朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連と不可分の関係にあることは、朝鮮学校が朝鮮総連の協力によって自主的な民族教育として発展してきた歴史に照らせば自然なことであり、無償化の判断材料とはなり得ない。まさに民族教育の歴史をふまえた画期的な判決である。筆者は、曇りのない目で歴史と向き合い、子どもたちのために何が最善かを考えてこの素晴らしい判決文を書いた裁判長に心から敬意を表したい。
 
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▲決意を述べる弁護団
 
 
 
他地域の裁判でも勝利を、そして補助金裁判へ
 判決の日の夜、東成区民センターで行われた報告集会は、朝鮮学校関連では久しぶり、いや初めてではないかと思われるほど笑顔が溢れる集会になった。1月の補助金裁判や広島の判決があまりにも不当な内容のものだったので、声明文朗読やアピールで登壇する人がみな「不当判決バージョン」を準備してきたと笑わせながら、超満員の会場全体が勝利の喜びに酔いしれていた。
 大阪地裁の判決は全国5カ所で行われている裁判のうち1カ所での1審判決で、国はおそらく控訴すると思われる。過去に行政訴訟で下級審が画期的な判決を出しても上級審で覆った例はいくらでもある。弁護団の一人が「補助金裁判に勝ってから喜びたい」と言ったように、大阪では「補助金」裁判が高裁に場を移して進行中である。朝鮮学校に対する差別排外主義との闘いは、これからが本番だ。
 その闘いにあたって、この日の判決が他地域の無償化裁判や大阪の補助金裁判に大きな弾みとなることは間違いない。無償化裁判では、北朝鮮や朝鮮総連と朝鮮学校の関係(を理由にした無償化からの除外)を正面から問うている愛知の原告の主張に沿った内容であるし、判決で述べられている朝鮮学校の教育の自律性を考えれば、大阪府が提示した補助金支給の4要件(※)はまったく不当なものとなる。
 「法の正義」や司法の良心がいまだ生きていることを示した大阪地裁の判決を大いに歓迎し、今後の裁判でも同様の判決が出ることを期待したい。
※4要件 
 2010年3月12日に橋下徹大阪府知事(当時)が朝鮮学校に対する補助金支給の条件として提示したもの。①学校法人として、朝鮮総連と一線を画すること、②北朝鮮指導者の肖像画を教室から外すこと、③日本の学習指導要綱に準じた教育活動を行うこと、④学校の財務情報を一般公開すること。
 朝鮮学校はこれを受けて初・中級学校の教室から肖像画を外す等の措置をとったが、府側はその後も追加条件を出したり内容を拡大解釈して「4要件」が守られていないと断定し、補助金の支給を停止し続けている。
 
大阪朝鮮学園 声明文
2017年7月28日
学校法人 大阪朝鮮学園
 大阪朝鮮学園は、「高校無償化」の適用を求めて日本国を相手どり、2013年1月24日に提訴し、4年6ヵ月、16回に及ぶ口頭弁論を経て、本日、判決言い渡しを迎えました。
 本日の勝訴判決は、行政の不当な差別行為を、司法が取り消すという画期的なものとなりました。公正で平等な判断を下すべき司法が、強大な行政権力の意向を忖度せず正当な判決を下したものであると、これを歓迎いたします。
 この判決は、法治国家・先進国を謳い、国際化、共存・共生の社会を目指す、日本において、朝鮮学校に対する公的助成からの排除の流れを断つ、礎となり、始発点、転換点となることでしょう。
 また、朝鮮学校で学んでいる多くの子どもたちの教育への権利が改めて認められ、保障されたことをうれしく思い、我々の民族教育は正当であり、民族教育は法的保護に値する権利であることが証明されたと思います。
 「悔しさ」を胸に巣立っていった、数多くの朝鮮高級学校の卒業生や生徒たちの無念を晴らす何よりもの「吉報」でもあります。
 我々は、文部科学省の申請書類の作成や調査、視察、質問などに対して、真摯に応対し、誠意をもって対処してきたにもかかわらず、唯一、朝鮮高級学校だけが、指定どころか、挙句の果てには「除外」されました。
 国連人種差別撤廃委員会も、日本政府に対して、朝鮮学校に「高校無償化」制度の適用と、地方自治体には補助金の再開・維持を要請するよう勧告しています。
 「高校無償化法」は、政府自らが、政治的判断や外交上の問題ではなく、教育上の観点から客観的に判断し、「すべての意志ある高校生」が対象であると言っていたものであります。それがやっと実現しょうとしています。
 「教育への権利」は、差別があってはならないし、平等でなければなりません。
 学習権、こどもの権利は、何人も侵してはならない世界共通の神聖な権利であります。
 本日のこの『勝利』は、「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」のメンバーをはじめとする多くの日本人、丹羽雅雄弁護士を筆頭とする弁護団、大阪はもとより全国の心ある方々や韓国の市民運動家らの物心両面にわたる大きな支援の賜物であります。
 我々の裁判闘争を支えてくださり、協力・支援をしてくださった全ての人々に心からの謝意を表します。
 また、公正な判断を下された裁判長をはじめとする裁判官のみなさまに敬意を表します。
 日本政府は判決を真摯に受け止め、控訴することなく、すみやかに停止していた7年間の「就学支援金」を支給するよう強く求めるとともに、国家による「民族差別」をやめ、地方自治体の補助金再開を強く求めていく所存であります。



 

 

 

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