言の葉花壇

今日もマナ女とカナ女がにぎやかに勝手なおしゃべりをします。

川の瀬光り

2017年07月17日 | 万葉集
第 0855
◆ ◆ 蓬客等また贈れる歌三首
松浦川 川の瀬光り 鮎釣ると 立たせる妹が 裳の裾濡れぬ
よみ人知らず ◆ ◆
     
万葉集 第五巻 より

::: 読み :::

まつらがは かはのせひかり あゆつると たたせるいもが ものすそぬれぬ

::: 意訳 :::

松浦川の川の瀬が日の光を受けてキラキラと光っている。 鮎を釣ろうとして立っている美しい娘の裳の裾も濡れています

 
題詞に 「蓬客等(をのれ)」 とあるけど、蓬客って何?
万葉仮名では「をのれ」と読むけど、蓬客は ヨモギにキャクと書いて、「ホウカク」と読みヨモギが風に吹かれて飛ぶように、 あちらこちらをさすらい歩く旅人の意味で、大伴旅人が自身のことを 通りすがりの旅人だと名乗ったんやろうね。
「等」とあるので、一行はお供を連れた複数やったんやろうね。 読み人知らずとはなっているけれど、実際には大伴旅人が太宰府に着任中に現在の佐賀県内を流れる小河川に遊びに来たときに、 鮎漁をしている美しい乙女と、夏の美しい情景を中国の唐の時代の神仙物語 「遊仙窟」に模して詠んだのではないかと言われているわね。 と言うのも、この歌の前に漢文風の序文があって、その中で、乙女に向かって 「もしや仙女様ですか?」と訊ねているのよ。 そして、

あさりする海人の子どもと人は言へど見るに知らえぬ貴人の子と

玉島のこの川上に家はあれど君をやさしみあらはさずありき

の問答歌をかわしているわね。
けれど、日暮れが近づき家に帰らないといけないので、名残惜しく思ったのか、 さすらいの旅人と名乗り、乙女と贈答を重ねているわね。
この歌はその贈答歌の一番最初の歌やよ。
つまり、お互いに名家の貴人だと名乗らずに旅人としてナンパしたってこと?
う~ん…まぁ、手っ取り早く言えば… 
鮎は神功皇后が朝鮮出兵時を占ったとき釣れた魚と言われていて、 豊漁を意味するんやね。
それにしても川の水も乙女もキラキラと涼しげに光って山の木々の緑と空の青さまで目に浮かぶような 鮮やかな情景やね。

 

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 清水流るる | トップ | 7月17日(月)のつぶやき »