言の葉花壇

今日もマナ女とカナ女がにぎやかに勝手なおしゃべりをします。

暗きより

2017年07月17日 | 拾遺和歌集
第 1342
◆ ◆ 性空上人のもとによみてつかはしける 雅致女式部
暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月
和泉式部 ◆ ◆
     
拾遺集 第二十巻 より

::: 読み :::

くらきより くらきみちにぞ いりぬべき はるかにてらせ やまのはのつき

::: 意訳 :::

暗闇から暗闇の煩悩の道へと迷い込んでしまいそうです。 上人様の月の光のような徳で、私たちの進む道を遥か先まで照らしてください。

雅致女式部」とは和泉式部の事よ。
和泉式部の父は越前守大江雅致(おおえのまさむね)、母は平保衡の女たいらのやすひらのむすめ)。
橘道貞と結婚して、道貞が和泉守に任ぜられた際にともに下向したので、 父の官職名「式部」と合わせて 「和泉式部」と呼ばれたのよ。
この歌は一条天皇の皇后である上東門院彰子(じょうとうもんいんしょうし)が、 播磨国書写山、圓教寺の、性空上人に教えを乞いたいと思い、 和泉式部を伴って都からはるばるやってきたのだけれど、 俗世間との交わりを厭う性空上人は、居留守を使って一行を帰してしまうんやね。
そこで、和泉式部は短冊にこの歌を書いて、お上人に取り次いでくれるよう応対の僧に託したところ、 お上人は大変感銘を受けて

日は入りて 月まだ出でぬ たそがれに かかげて照らす 法のともしび

と返歌して、一行を呼び戻して仏道を説いたと伝わっているのよ。
性空上人の歌の意味は?
これはね、「私は未だ、月の明るさにに例えられるほどの徳を得てはいません。 しかし、たそがれに進むあなたたちの道を照らす灯火となるのでしたら、 喜んで仏様の教えを説いてお力添えをいたしましょう。」
これを聞いた皇后彰子は非常に喜んだと伝えられているわよ。

 

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 7月13日(木)のつぶやき | トップ | 7月16日(日)のつぶやき »