「そばを“ずずーっ”とすするのは、はしたないことではない。
そばの味わいをより一層感じるのには、むしろそうした方が良い」
とは前回、滔々と述べさせていただきました。
読者の皆さんは、ソムリエがワインを味わう時の所作をご存知でしょうか。
そもそも、お客様の目に映る仕事のイメージとしては
ちょっとカッコつけながら、ワインについて、あーでもないこーでもないとかいいながらワインをグラスに注いでくれる人
ぐらいの感覚かも知れません。
ま、実際、ほとんどその通りのことしかしないのですが(笑)
お客様に見えないところでは、結構いろいろとやることがあります。
その中で最も肝心なのは仕入です。
ソムリエという人間にとって、ワインとは
純然と商品であります。
世界中に、まさにゴマンとあるワインの中から
仕入れるワインが商品として、売り物として
優れたワインかどうか
それがお客様に喜んでいただけるものかどうか
何より、お店にとって利益が出るものかどうか、などなど
いろんな意味で
そのワインがおいしいかどうかなどを
味わい、いわば鑑定するのが、実は本来の仕事といえます。
そしてそこでは、ワインを味わうプロであるソムリエならではの味わい方、所作、作法があります。
見たことがある方も多いとは思いますが
一般的には
テイスティンググラスに注がれたワインを、
上から下から斜めから、また液面に平行に眺めては
遠くから匂いを嗅ぎ、また近づけては嗅ぎ、
次にはグラスをくるくるっと回し、
ワインを落ち着けては嗅ぎ、また回しては嗅ぎ、
また回しながら嗅ぎ、
ソムリエによっては右の鼻の穴、左の鼻の穴からも嗅ぎ分け
(実際、違うんです)
数秒、思案に耽ったかと思えば
ようやくワインを口に含み
そして口をすぼめて
「ひゅるる~っ」と
空気を軽く吸い込み
またひと思案して
次は、口の両端を開いて「い」の発音の口にして
「ふぃりり~っ」と
空気を吸い込み
くちゅくちゅっと口の中でもんだ後
また
「ひゅるる~っ」と
空気を軽く吸い込み
また「ふぃりり~っ」と
空気を吸い込み
最後には吐き出します。
(ただし、昼のテイスティングの場合は吐き出しますが、
夜のテイスティングは、大抵飲み干します。ほぼ例外無く。笑)
このような、文章にすると
非常にまどろっこしい、もったいつけた
見ようによっては非常に変態的な所作を
ソムリエという人種は、ワインを飲む度にする習性があります。
この
「ひゅるる~っ」とか
「ふぃりり~っ」とかいうのを
専門用語で、
『レトロオルフェクション』と申します。
長くなりましたので
続きは次回。
そばの味わいをより一層感じるのには、むしろそうした方が良い」
とは前回、滔々と述べさせていただきました。
読者の皆さんは、ソムリエがワインを味わう時の所作をご存知でしょうか。
そもそも、お客様の目に映る仕事のイメージとしては
ちょっとカッコつけながら、ワインについて、あーでもないこーでもないとかいいながらワインをグラスに注いでくれる人
ぐらいの感覚かも知れません。
ま、実際、ほとんどその通りのことしかしないのですが(笑)
お客様に見えないところでは、結構いろいろとやることがあります。
その中で最も肝心なのは仕入です。
ソムリエという人間にとって、ワインとは
純然と商品であります。
世界中に、まさにゴマンとあるワインの中から
仕入れるワインが商品として、売り物として
優れたワインかどうか
それがお客様に喜んでいただけるものかどうか
何より、お店にとって利益が出るものかどうか、などなど
いろんな意味で
そのワインがおいしいかどうかなどを
味わい、いわば鑑定するのが、実は本来の仕事といえます。
そしてそこでは、ワインを味わうプロであるソムリエならではの味わい方、所作、作法があります。
見たことがある方も多いとは思いますが
一般的には
テイスティンググラスに注がれたワインを、
上から下から斜めから、また液面に平行に眺めては
遠くから匂いを嗅ぎ、また近づけては嗅ぎ、
次にはグラスをくるくるっと回し、
ワインを落ち着けては嗅ぎ、また回しては嗅ぎ、
また回しながら嗅ぎ、
ソムリエによっては右の鼻の穴、左の鼻の穴からも嗅ぎ分け
(実際、違うんです)
数秒、思案に耽ったかと思えば
ようやくワインを口に含み
そして口をすぼめて
「ひゅるる~っ」と
空気を軽く吸い込み
またひと思案して
次は、口の両端を開いて「い」の発音の口にして
「ふぃりり~っ」と
空気を吸い込み
くちゅくちゅっと口の中でもんだ後
また
「ひゅるる~っ」と
空気を軽く吸い込み
また「ふぃりり~っ」と
空気を吸い込み
最後には吐き出します。
(ただし、昼のテイスティングの場合は吐き出しますが、
夜のテイスティングは、大抵飲み干します。ほぼ例外無く。笑)
このような、文章にすると
非常にまどろっこしい、もったいつけた
見ようによっては非常に変態的な所作を
ソムリエという人種は、ワインを飲む度にする習性があります。
この
「ひゅるる~っ」とか
「ふぃりり~っ」とかいうのを
専門用語で、
『レトロオルフェクション』と申します。
長くなりましたので
続きは次回。