瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

あにめぞん感想、ざっくばらん30

2012年04月22日 17時46分50秒 | 漫画&アニメ
中断してるハウステンボス旅行記についてはGWに上げる予定なので暫くお待ちください。(汗)
取敢えずは週一更新であにめぞんレビュー、前回の続きで御座います。

・第30回「エッ響子さん結婚!?五代くん涙の引越し」 脚本:伊藤和典 コンテ・演出:吉永尚之 作画監督:河南正昭

…原作では数回に渡る中編で、アニメでも前編後編と分かれる。
それでもかなりすっ飛ばしてるな~と感じられた。
前編の前半15分の内に誤解が拡がり、五代君が一刻館を出てってしまうんだから。
原作に有る台詞やシーン等所々削られてるが、話の筋を追う限りでは問題無い纏め方、これは試しに原作めぞんを読んだ事の無い友人に観せたところ、「大変面白かった」との感想を貰い確認できた。(大笑いするほどウケていた。)
つまり原作を読まずとも話は問題無く追える、面白く観る事ができるように作られてる。
がしかし、原作を知ってるファンは、観てどういう風に感じたか?
当時、削られた台詞やシーンの重要性を説き、憤ってたファンは少なくなかった。
自分も原作を読んで入ったファンな為、あの頃は削った箇所を残念に感じてたなぁ。

「妄想しない五代君と、ヤキモチ妬かない響子さん」

第2期のあにめぞんは、原作の主人公2人のキャラクター設定を、意図的に抹消していたように思える。
今回原作に在るのに削られたシーン・台詞は全て、キャラクターが心情を吐露するモノローグ。
内心で呟いてる言葉で、外の誰かに伝える類のものじゃない。
その事実から第2期のCD(監督)である安濃さんの、「想いを台詞で表現しない」主義が透けて見える。

五代から一刻館を出て行く積りが無い事を聞き、安堵する響子さんへの「罪なひとです――」。
響子さんが三鷹と結婚すると誤解した五代の、「何であんな事言ったんだ…!」。
五代が出て行きガランと空いた部屋で響子さんが、「諦めるのが早いわよ――」。(←ここの台詞、ちょっと記憶が不確か)

上記の独り言は全て削られてる代りに、アニメでは情景描写でもって埋めている。
踏み切り前での別れから、坂道を不自然にはしゃいで上る五代のシーンなんか、視聴者に読み取って欲しい演出家の意図を感じられた。

「読み取って欲しい」というより、「感じて欲しい」だろうな。
安濃さんの代表作「マジカルエミ」でも、同様の描写をしてる回が在った。
失敗して落ち込んでる男が居て、下宿してる家から飛び出してしまう。
周りは心配するが、大人だし何時か戻って来る事を信じて待つ、戻って来ないかもしれないとも考える。
暫く経って男は、自分なりに気持ちに踏ん切り付けて、戻って来る――ただそれだけの話。(第22回「からっと秋風心もよう」)
本来、心情というものは言葉に置き換えられない、それをしてしまえば不自然になってしまう。
第2期のあにめぞんを観てから原作めぞんを読むと、妄想シーンやヤキモチを爆発させるシーンは如何にも漫画的。
当り前だわな、漫画なんだから。(笑)
現実世界を舞台にしているように見えて、実のところめぞんは非現実漫画世界だったわけです。
その事に気付かされると、果たしてリアル描写を得意とする監督のカラーに合う作品だったか疑問…。

肯定してるんだか否定してるんだか解らないレビューになっちゃってますな。(汗)
季節感を出しての丁寧な情景描写は個人的に好みです。
黄色く色付く銀杏の葉、小路の片隅に咲いてる草花、コオロギの声、金木犀の香り等の演出、深まる秋を実感できる。
気になって「金木犀」の花言葉を調べてみたら、「謙虚・謙遜・真実・真実の愛・初恋・陶酔」だそうな、スタッフがその意図有って用いたかは不明だけど。
他細かい点だけど、叩く音にドアを開けて出た響子さんが、一旦視点を彷徨わせてから、前に立ってる一の瀬さんに気付く所、とても自然に感じられた。
一の瀬さんは背が低いから、「ああ、そうなるだろうなぁ」と納得する演出。
一刻館の扉を五代が勢い良く開けた後、反動で振り子の様に揺れるのもリアル。
退かした家具の後が畳に残ってるのもリアル。
原作では響子さんが五代の幻に呟くシーンですが、アニメでは幻を登場させる事無く、家具の跡や服がかかってないハンガーで比喩してるのです。
原作とは表現が違えど、響子さんの空虚感は伝わって来る。
その場の空気を実感させるのが巧いんですよ。

作画については、まだ原画スタッフが、新キャラデザに慣れてないように感じた。
特に始めの方が荒れてるなぁ、動きも今一悪い。
踏み切り~五代が出て行く迄のシーンは、回のクライマックスという事で綺麗に描いてあるけど。
風俗嬢のお姉さんがバリバリ高田明美チックな顔してて笑った。(ト○コはやはりカットされたようで、笑)

朱「『野球は下駄を履くまで解らない。勝負はツーアウトから』って言うじゃない」
四「さぁ、そもそも下駄履いてやる野球なんて知りませんからねぇ」

なんていう惚けた会話が地味に面白い。(笑)
朱美さん、四谷さん、一の瀬さんは、(若干原作より「イイ人」度を上げつつも)やはり動かし易かったようで。


(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画△ …あっさり住所を教える引越屋を見て、個人情報保護法の無い時代だったなと。携帯も無いし、すれ違いドラマ好きには、良い時代でした。(笑)



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2 コメント

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違和感なかったですね~。 (もりぴ。)
2012-04-22 22:31:27
今晩は、びよりさん~もりぴです。

今回のエピソードは、前半の中でも自分的にイチバン好きな話でした~。原作から入った自分ですが違和感なく観れましたです。原作にある台詞がなくても、情景が伝わってくるもんですね~
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毎度遅いレスすみません(汗) (びょり)
2012-04-29 00:38:31
響子さんの激しいヤキモチや五代の妄想有っての、めぞんの面白さと考えてるファンには不評でしょうが、アニメはアニメで自分は楽しめました。
後半、BGMにシネマが流れるシーンなぞ、かなりお洒落な演出に思います。
原作と異なっても良いとこは誉めたい。
今後のレビューも宜しかったらお付き合いください。
コメント有難う御座いました~♪
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