Not doing,but being 〜在宅緩和ケアの普及を目指して〜

より良い在宅訪問診療、在宅緩和ケアを目指す医師のブログ

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

セレネースとリスパダール

2012-03-14 08:10:34 | 認知症の看取り
セレネース(ハロペリドール)とリスパダール(リスペリドン)は
共に抗精神病薬で、緩和ケアの領域では主に吐き気止め、せん妄症状
の改善などを期待して使用されます。セレネースは注射があり、
こちらはコミュニケーション能力をなるべく奪わない、軽い鎮静
(セデーション)に用いられる事もあります。
パーキンソン病に似た錐体外路症状など共通の副作用も多いです。
では、どちらを使用するのが望ましいのでしょうか。

せん妄へのリスパダールについては2004年に、28例と少数ながら
二重盲検試験で副作用・有効性ともにセレネースに
優れるものではなかった(Psychosomatics 45:297-301,2004)
という報告があります。
吐き気止め作用についてはドパミン受容体を強力に遮断する
セレネースの方が強力そうなイメージはあるものの、
両者を比較したものは私は知りません。
と、言うことは今のところどちらが好ましいとは言えず、
結局薬の特徴を理解して、患者さんごとに使い分ける
必要がありそうです。

確かに、錐体外路症状(EPS:extra pyramidal symptom)は
セレネースの方が強く、抗コリン作用もフェノチアジン系の
薬剤程ではないにせよセレネースの方が強いと思います。
しかし一方で、リスパダールは腎毒性を有し、腎機能低下例では
注意が必要です。この特徴は、100%肝臓で代謝されるセレネース
とは大きく異なる特徴かもしれません。
また、MARTAに分類されるクエチアピン(セロクエル)や
オランザピン(ジプレキサ)程ではありませんが、
血糖を上昇させる作用もリスパダールにはあります。

現在、統合失調症にも第一選択は非定型抗精神病薬が推奨されています
ので、どちらでも良い場合には私はリスパダールを使用しますが
これだけ薬理学的に短所・長所が異なりますので
使い分けが出来ないといけないですね。

ちなみにセロクエルの記事にも書きましたが、現在どちらの薬も
適応症は統合失調症ですが、せん妄や易攻撃性に対して用いた場合
査定される事はなくなりました。
但し、これらの薬剤の前に、BZ系やH2-blocker等の中止に出来る薬剤
を検討したり、採血など行い脱水など治療可能な原因を検索することが
先決なのは言うまでもありません。
ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック
« ミルタザピン | トップ | 胃瘻の値段 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぴすた)
2012-03-14 18:59:41
ここ最近のブログ更新大変勉強になります。病棟でも参考にさせてもらっています。
Unknown (こたろう)
2012-03-15 08:37:22
ぴすたさん、コメント有難うございます。
励みになります。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。