改め Objective Technician

はぐれ技術者のやりたい放題

机上の空論

2006-08-20 00:34:46 | 陸上競技
幅跳びでL[m]跳んだとき、踏み切り時に重心が水平方向に大きさU[m/s]の速度を持っていたとする。

地面から重心までの高さをH[m]、重力加速度をg[m/ss]とする。

ここで、踏み切り直後の鉛直方向の速度の大きさをv[m/s]、重心が地面から最も高く上がったときの高さをs[m]とする。

重心の落下点を着地点として考える。


水平方向にL[m]移動するために必要な時間はL/U[s]。

重心が最高到達点から砂場に落ちるまでの時間は√{2s/g}[s]。

((2s/g)^(1/2)を√{2s/g}と表現することにする。)


踏み切り地点から最高到達点に上がるまでの時間は√{2(s-H)/g}[s]。


よって L/U=√{2s/g}+√{2(s-H)/g} が成り立ち、これをsについてゴリゴリ解くと

s=(LLLLgg+4HHUUUU+4LLHUUg)/8LLUUg [m]


v^2=2g(s-H)から

v=√{LLLLgg+4HHUUUU-4LLHUUg}/2LU [m/s]…A




あるジャンパーのパラメータが
L=6.5[m]、U=8.5[m/s]、H=1.1[m]だとする。
(調子が良いときの平均記録が6m50。100[m]加速走が10"8、踏み切り前で減速するから大体8.5[m/s]。身長1.77[m]で黄金比から重心を算出すると約1.1[m])

重力加速度はg=9.8[m/ss]。


鉛直方向の初速度の大きさはA式から

v=2.3[m/s]


ジャンパーの体重をm[kg]として、踏み切り直後の力学的エネルギーをE[kgmm/ss]すれば

E=m(v^2+U^2)/2+mgH [kgmm/ss]

棒高跳びにおいて、ポールを持ってこれと同じ踏切が実現できて、かつ上昇の過程で力学的エネルギーの損失がないと仮定した場合(ポールから受ける力が全部束縛力だとする)、最高到達点x[m]での位置エネルギーは

mgx[kgmm/ss]

従って

mgx=m(v^2+U^2)/2+mgH から

x=(v^2+U^2)/2g+H[m]

あのジャンパーの場合v=2.3[m/s]、U=8.5[m/s]、H=1.1[m]だから

x=5.1[m]





つまり、幅跳びからポールに転向したこのジャンパーは、仮に完璧な技術を身につけて、幅跳びと同じくらいの踏み切りが出来れば5m跳べる可能性がある。


ただ、頂点でも水平方向に速度がないとバーをクリアできないし、跳躍のどこでエネルギー損失が発生するのか、重心がどんな軌跡を描けば効率がいいのか、等々まだ考え中だからあくまでこれは机上の空論。




最近、踏み切った後に左手を潰さないで足が払われないようにするコツを見つけていい感じなんだけど、そうした方がいい物理的な理由が分からなくて、それが気になってしょうがない。



毎日突っ込み動作をしつこく何度も繰り返してるから、突っ込みに関しては、遅れなくなったしタメが作れるようになって前よりずっと安定した。

次は、踏み切ったあとすぐに振り上げないでワンテンポ遅らせられるようになること。(これも物理的な理由が分からないけど、こうしたほうが跳べるらしい)


ちなみに、幅跳びで踏み切りの飛び出し角をθ°とすれば、


tanθ=v/u だから

θ=arctan(√{LLLLgg+4HHUUUU-4LLHUUg}/2LUU)…B

これらのパラメータに数値を代入すると、B式からこのジャンパーの飛び出し角は

θ=15.2°

まぁ、こんなもんだ。

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