サムイズダート・ロシア

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ウクライナ国境の町へ

2007-06-06 | ヴァルシェブニキ・ドヴァラ
コンサートに向かうバスの中で折り紙大会。
中央はトップソリストのヴラッドくん。カメラを向けると即、この笑顔!
*当ブログではズバリの顔写真は掲載いたしませんので、クリアな写真をたっぷり見たい方は、本国公認カピトシュカ・ブログへどうぞ!

5月9日午後2時半。
ナタリアさんの案内で、ヴォロネジ鉄道駅前へ。
すでにそこには、『ヴァルシェブニキ』の子らを乗せたバスが待機。
これから戦勝記念日のコンサートに向かう〝魔法使いたち〟と共に、
ウクライナ国境の町シェべキノを目指すのだ。
てっきり我々が最後の乗客かと思ったら、
「○○ちゃんのママがまだよ!」と遠足バスのようなノリである。

バスは町を抜け、郊外に出て、車窓にダーチャが見えてくる。
家の前にはニワトリやら羊やらブタやらが
好き勝手に走り回る、なんともアナーキーなダーチャ!!



でも残念ながら、道中の写真をほとんど撮っていない。
なぜなら出発して間もなく、女子組の12歳コンビ、
ダリアちゃんとオクサーナちゃんがやってきて、
ずっと英会話ごっこをしてたからである。
「英語学校に通っているので、英語でお話してもいいですか?」と、
隣の席にピトっと座ったダリアちゃん。
普通の学校以外に英語学校、加えてこの音楽スタジオの活動!
なんて学ぶことに意欲的なんだろう。

4時間をとうに過ぎて、バスは村に毛が生えたような小さな町へ。
どうやらここがシェべキノらしい。
会場となるのは、公民館みたいな建物前の広場。
トイレ休憩のあと、バスのなかでいっせいに準備が始まる。
衣裳に着替え、髪をつくり、女の子たちは軽くメイク。
次々に〝魔法使いたち〟ができあがっていく。

すると「あのね。本番の前に、私たち必ずすることがあるの。
教えてあげましょうか?」とダリアちゃん。
「こうやってお互いに顎をさわり合うの」とやってみせる。
日本ならさしずめみんなで手を重ねて「オー!」だけど、
ここでは子供たちが寄ってたかってお互いに顎をクチュクチュ。
なぜか我々もクチュクチュに加わって、一心同体の気分。

そしていよいよコンサート開始時刻が近づく。
バス中に響きわたる大声で、ヴィタリーさんが曲順を確認。
子供たちのスタンバイを横目で見ながら
先回りして屋外コンサート会場の最前列に陣取る。
ほどなくしていきなりコンサート開始。



…なんでしょう、これ。想像をはるかに上回る面白さ!
20人近い子供たちが入れ替わり立ち替わりする展開の早さ、
歌と踊りの緩急のつけ具合、合い間で煽るMCの絶妙のタイミング!
もちろん、もろもろの意味での洗練さにかけては、
大金と膨大な数のスタッフをつぎこんだ
日本のアイドルのステージにかなうよしもないが、
この子たちにはそんな後ろ盾はないのである。
おまけにきのう、部分的なリハをしただけで、
本番の会場では一度も通し稽古をしていないのに、
ぶっつけ本番でこの完成度の高さはどうよ??
振付けがアブナイ子も、自信たっぷりにごまかして
それなりに見せちゃってる。スゴイ舞台度胸だ。
音響や照明にしたって、一度もテストしてないのに、
(しかもロシアなのに・笑)なぜこうも舞台と同調してるのだ!

しかし、どうにもこうにも悩ましいのは、ステージ開始前から
無情にも降り始めた雨。ステージにはかろうじて屋根があるが、
観客はどんどん強くなる雨足にさらされて悲惨な状況。
ロシア人はビクともしないでノリまくっているが、
精密機器を抱えた日本人一行はたまらない!
そのうちに「ソ連のリリー・マルレーン」といわれる戦時歌謡
『青いプラトーク』のテクノ・ヴァージョンが始まると、
それまで子供らのつきそいだった会場のバブシュカたちが、
突如熱狂して歌いだした。ひえ~、なんなんだこりゃ!?
あ、そうか、戦勝記念日だったんだ。
なるほどツボをわきまえた選曲ですね。
以後、老若男女入り乱れての大盛り上がり大会。
すっかり暗くなった空に、シメの花火がぶちあがる…。

高揚感と満足感。久々に気持ちのいいものを見た。
バスに乗り込み、帰路につく。
そしてそれは、夢の子供たちとのお別れのとき…。
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