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8年ぶりの記事・・・(^^;

チェ 39歳 別れの手紙

2009-02-06 02:08:19 | 映画2009
 ヅラ?

 しばらく誰だかわからなかったほど変装が上手かったチェ・ゲバラ。これほどまで徹底しなければ自由に入国できない要注意人物だったのですね。前章ではキューバ革命の成功までを描き、希望に満ちあふれていたチェ・ゲバラは、1966年、ボリビアに潜入しゲリラ部隊に合流する。キューバのように貧困に喘ぐ者救うという崇高な理想のために・・・

 このボリビアという国は鉱山労働者らの武装蜂起により1952年、革命が成立してい事実を初めて知った。この革命政権は軍事クーデターによって1965年に失権したため、再び貧困層が拡大したらしいのだ。ゲバラとしてはキューバでの経験を生かそうとするのだが、武装蜂起を否定する共産党の援助を得られず、まずは食糧の面で困窮する。しかし、『28歳の革命』のときと同じく農民から何も奪わない。ちゃんと金を払って食糧を買うのだ。

 ジャングルの中でゲリラ訓練が続くが、故郷に帰る者も現れ、やがてゲバラが活動していることがボリビア政府に漏れることになる・・・ラモン、フェルナンドと名前を変えてたのに意味があったのだろうか。政府軍はアメリカの援助を受け、農民を騙して有利になり、どっちがゲリラなのかわからなくなるほど解放軍を攻撃。追いつめられた上、ゲバラは薬を置き忘れたこともあって喘息が悪化。農民たちはかつての革命により土地を得たためか、新たなゲリラ革命には興味がなく、その上政府によって洗脳されたためにゲバラたちは窮地に立たされたのだ。

 キューバ革命の頃のゲバラの言葉には力強さがみなぎっていたけど、今回の彼の言葉にはどことなく死を感じさせる弱々しささえあった。「50年後に・・・」というのも諦めが入った言葉。もしかすると、今世紀に入り、南米各国で新たな動きがあるのも予言していたのかもしれない。しかし、その弱々しさを忘れさせるほど高潔な思想や行動には恐れ入った。農民が政府の言葉に騙されていることに落胆するよりも再教育を選んだところも微笑ましいくらいでした。政府を倒すことが目的ではない。農民たちを豊かにするのが目的なのだから・・・

 終盤になると、彼の運命が見えてくるので胸が苦しくなってきた。山岳での攻防戦では「身を屈めろ!」などと声を出しそうになったくらい。2時間超の淡々としたドラマではあったが、その単調さゆえにゲバラの魂がじわじわと身体に入り込んでくるかのようだ。すべては貧しい人々のために・・・21世紀に入り、かつての過激派のカリスマ的存在だった時代とは違った意味で再評価されているのもこの生き方そのものだったのだと感じる。どちらに主眼を置くかという前後編の違いからしても、決してゲバラ万歳・革命万歳の映画になっていないところもいい。

★★★★★
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Unknown (シネマ大好き娘)
2009-02-06 05:46:49
28歳観たから、これもいかないとね~~

シネマ、歴史もン苦手なんよ~~~

前作も眠かった~~
ズラ(笑) (pretty_kitten)
2009-02-06 10:59:14
あれれ?こんな髪型になったんだ。とか思っちゃいました。
とても良かったですね。
人々が豊かになるために、ここまでやった人がいたなんて。
自分の知らなさぶりを痛感もいたしました。
Unknown (Ageha)
2009-02-11 13:38:47
革命は寝るわ、モーターサイクル・・は寝るわ
それでよう手紙で感動できたなと。(笑)

チェ・ゲバラはこうでなくっちゃという部分が
カリスマとして今日に残ってる。
でもそれゆえにボリビアでは失敗したとなると
ものすごく残念な気分でした。
政治家という立場でその国の民を守る
医者という立場でひとりでも多くの人を
病から救う、
それもアリだったと思うのですが
あくまでも人の心を動かすことで
みんなでその国を変えていかなくちゃって
乗せようとした・・・したんだけどね。

どんなに愛を説いたとしても
私がボリビアのひとだったら
やっぱり武装した外国人に
そんなに簡単に心を許すことはできないかな・・・。
その反面でなんでここまで出来るんだろうっていう
その精神に感動してました・・。
39歳はとっくに過ぎたkossy (kossy)
2009-02-11 16:27:59
>シネマ大好き娘様
歴史はほんの一部知っていれば大丈夫なようです。
それよりも現在の大不況とか格差社会を考えると、結構参考になるかも・・・

>pretty_kitten様
あの髪型はショッキング!
「トロピックサンダー」のトム・クローズ並みですよね。
いつの時代でも政治や経済状況が狂ってくると、貧富の差が拡大するものだと、とても過去のことのように思えませんでした。
ゲバラは死んでも、彼の魂がずっと人々の心に響いてくる・・・この映画でゲバラそのものを感じられたのが良かったです。

>Ageha様
革命で寝て、モーターサイクルで寝て・・・俺も寝てはないけど、ちょと眠かったかな・・・でも、たしかにこの映画だけでも感動できますね。

昨日テレビでやってた『226』を見たんですけど、同じように「貧しい農民を救う」なんて言葉が聞かれましたよ。でも民主導じゃないところが根本的に違う。結局、農民がついてこなかったところを考えると、同じような過ちだったのかもしれませんが・・・

やっぱり、ボリビア国民をリーダーに立てて、ゲバラはあくまでもサポートする。ま、それでも政府の偽情報があれば難しかったんでしょうけどね。
最初、誰だか・・・ (ももママ)
2009-02-19 13:21:32
分からないくらいでしたね。変装名人!
しかし、武装闘争を共産党がなぜ拒否したのか・・・ここを知りたかったです。共産党の支持も得られずにゲリラを続けて勝算があったかも・・・。
ゲバラの計画を内なる声で聞かせて欲しかったです。
武装闘争 (kossy)
2009-02-22 14:44:46
>ももママ様
10数年前に革命は成立していたとか、キューバ危機による社会的非難を恐れてとか、様々な要因があったんでしょうね~
山岳地帯だらけということもあって、ゲリラ戦しか有効な手段しかないはずなのに・・・などともどかしさも感じられましたが、悲壮感漂うクライマックスには現実を見せられた思いでいっぱいになりました。

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