ネタバレ映画館

映画ドットコムに記事を移行してます!

ウォンタクの天使

2007-10-10 00:20:05 | 映画2007
 昭和の始め、市内ならどこまで乗っても1円というタクシーがあった・・・

 なんのことはない、ウォンタクとは主人公の名前でした。父親ヨンギュ(イム・ハリョン)は詐欺師で服役中だったが、キック・ベースボールのプレイ中に出所目前にして死んでしまったのだ。真面目に働こうと誓っていた彼は息子と良い思い出を残したいがために、天使に頼み込み、高校生ハ・ドンフンとなって地上に降り立った。天使は暴力団の親分ソクチュの身を借りて、彼を助けることにするのです。

 主人公のウォンタクは韓国のアイドルグループ“神話”のメンバーであるイ・ミヌ。雰囲気はジャニーズ系です。不良っぽいキャラ、台詞も抑え目、文句なしのアイドル映画なのですが、父親役のイム・ハリョンや彼が乗り移ったハ・ドンフンがコメディアンキャラなので、安心して笑いながら観ていられました。

 基本的には、高校生となった父親が息子と友人の関係を築くため奮闘する物語。自分が前科者だけに、息子には真っ当な人生を歩んでもらいたい。しつこかったり、強引だったり、かなり鬱陶しい存在ではあったけど、やがて友情を育むことになる・・・しかし、本当は父親なんだと名乗ることもできず、そのうち天国へ戻らなければならなくなる。ある程度予想できる展開だけど、息子が高校を退学になるなんてのは想定外。韓国の教育事情も気になるところです。

 監督は『ライフ・イズ・ビューティフル』に影響を受けたらしいのですが、脚本にはそこまでの深みはありませんでした。ヤクザに乗り移った天使のエピソードも惜しいし、同級生の女の子との関係も描き込み不足。それでも、ラストの家族写真やアルバムを眺めるシーンには涙が流れることは間違いなし。爽やかに泣きたい方におすすめです。

★★★・・

韓流シネマ・フェスティバル2007 ルネサンス

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エディット・ピアフ~愛の讃歌~ | トップ | 赤い文化住宅の初子 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
涙腺が・・ (Aki)
2008-09-25 23:00:47
最近、感受性が鈍くなったのか・・爽やかな涙がでませんでした。韓国作品を観る度、年長者に対する礼儀正しさ、家族・親族に対する愛情の深さ、友達に対する友情の厚さに感銘し、貧富の差にも驚くのですが・・父が詐欺で服役し、女手一つ、食堂をキリモリする母の姿を見ながら育った息子が、なぜかグレていることからして、イマイチだったのかもしれません。母孝行の優しい息子なら、高校から帰るなり、アルバイトをカケモチし、家計を助けていそうなのに。また、天使が自分の娘と話したいが為、服役中シマを横取りされたヤクザの親分?兄貴?にヒョウイしますが、ヤクザエピソードなしで中途半端な印象でした。
韓国映画 (kossy)
2008-09-29 11:29:48
>Aki様
家族愛が基本ですよね~儒教思想とかお国柄とか、そんなものは関係なく深い愛情。最近の日本は核家族化が問題視されることもなくなりましたが、田舎を舞台にした映画を見るとやっぱり心やすらぎます。
なんだかこの映画の記憶があまりないのですが、Aki様のコメントでよみがえってきました。まぁ、数ある韓国映画の中で埋もれてしまいそうな一本ですね・・・

コメントを投稿

映画2007」カテゴリの最新記事