続・中岳龍頭望

脱力系から熱血系へ。ま、志はということで…

苦労を買ってする   奇跡のリンゴ

2016-10-01 | 映画

奇跡のリンゴ/中村義洋監督

 結婚した先も実家と同じリンゴ農家。勤めを辞めてリンゴづくりに取り組むことになる。リンゴは害虫に弱いようで、年に何度も駆除のため農薬を撒かなければならない。この薬に妻は弱いようで、薬撒きの度に具合が悪くなってしまう。もともと子供の頃から研究熱心な性格もあって、若手営農者とのリンゴ栽培のやり方についての勉強もやっている。そんな中福岡正信の自然農法の本を読んだことによって、無農薬でのリンゴ栽培へチャレンジする決意をし、そのまま地獄の日々に突入していくのだった。
 原作というか、主人公は著名なリンゴ農家で、自伝のような著書がある。僕は未読だが、テレビなどの露出で、なんとなく知っているようだ。独特の風貌に独特の語りを持っており、タレントとしての面白さのある人であると感じる。
 さて、お話の方だが、基本的には妻に対するラブストーリーととらえることが出来ることと、残酷物語で苦労するサクセス・ストーリーであるということがある。事実の映画化ということはそうなのだろうが、多くの人を巻き込みながら破綻を見せる行動には、かなり疑問を覚えずにはいられなかった。無農薬と言いながら、酢やワサビを使う。基本的な薬の知識が怪しいような感じもある。家庭菜園ならそれでいいと思うが、商品としてのリンゴ栽培は、恐らく相当周りの人に対しても、普通にそれなりに迷惑をかけていたことも見て取れる。自分のやり方や信念を通すというのは勝手なことだとは思うけれど、もう少し自分に対しても疑問があった方が人間らしいのではないだろうか。
 そのように、実に普通に疑問のわくような行動で苦しんでいるのだけれど、要するに妻だけは(それと妻の父)、楽観して見守っている。野菜をつくって家計を助けている。長年苦労しても結果の出せない農法ということの根拠をつくった福岡さんはまったく出てこないが、ずいぶん罪な本なのではあるまいか。映画としてはそれでいいのかもしれないけれど、自分で娯楽のように苦労するというのは、キリギリス的な生き方のようにも思える。アリの生き方が正しいとは限らないにせよ、実験的人生を始める前に、もう少し先に物事を考え抜くことも大切だと思ったことだった。
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