続・中岳龍頭望

脱力系から熱血系へ。ま、志はということで…

凋落しても這い上がる超人ぶり   バンドワゴン

2016-11-26 | 映画

バンドワゴン/ビンセント・ミネリ監督

 言わずと知れたフレッド・アステア主演作。以前はダンス俳優で一世を風靡した主人公だが、今は流行から少し外れている感じ。しかし彼を主役に再度ミュージカルの企画があがり、前衛的な舞台演出で期待が高まるのだが、見事にコケる。しかしミュージカルに参加していた若手のダンサーたちと再起して新たに地方巡業からやり直して、またブロードウェイまで駆け上がるというようなストーリー。物語はそんな感じだが、やはりアステアの映画だから、ダンスがたっぷりというエンタティメント作品だ。ストーリーの通り少し老けたアステアだったが、その踊りの見事さは変わらない。若いダンサーに混ざっても堂々と軽やかなステップを刻むという感じ。まったくさすがだな、という彼のための映画。
 ミュージカルはブロードウェイを有するアメリカ文化だが、映画としても世界を席巻したというのがよく分かる作品。何しろあちらの文化のものを人々が通って観るわけにはいかない。特撮娯楽映画とは違って、生身の人間がファンタジーとして見事に歌って踊る姿に、感動した人々の気持ちはよく分かる。まさに映画の黄金時代なのだろう。日本でミュージカルというとなんとなく子供めいた感じがするが、もともとはこのような大人の世界の娯楽なんだということがよく分かるだろう。さらに若い人だけのものでもない。肉体を酷使するのである程度の若さというものも必要だろうけれど、衰えないアステアの踊る姿というのは、いつまでも元気に君臨する理想国家アメリカそのものだろう。もちろんそれがいつまでも現実のものなのかは分からないのだけれど。
 楽しい映画だが、同時にこのようなわざとらしい過剰さがいつまでも流行り続けて繁栄し続けていないというのも、それは当然世界の潮流である。これを受け継いでいるようなのは、将来の巨大国家、インドくらいのものだろう。今となっては、当たり前だがいささか古臭い。もちろんそれが良い訳だが、アメリカ国内ではブロードウェイは健在で、彼らはあんがい保守的で頑固だということもよく分かる。いや、素晴らしい文化は彼らの国民の間では衰えないということだろうか。偉大なる古代国家アメリカの夢は、このような映画で記録が残るということなんだろう。
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