続・中岳龍頭望

脱力系から熱血系へ。ま、志はということで…

8分間を繰り返す生き方   ミッション:8ミニッツ

2017-08-09 | 映画

ミッション:8ミニッツ/ダンカン・ジョーンズ監督

 列車爆発事故に乗り合わせた犠牲者の意識に、8分間だけ同化できるという設定で、テロ実行犯逮捕と事故を未然に防ぐために奮闘する男の物語。何度も何度も過去の8分間の世界に入り込んで、事件の真相を明らかにしていく。
 そういう設定のSF作品なんだが、わりあい早く爆弾のありかは掴みながら、その阻止というか犯人割り出しにもたもたして結構失敗を繰り返してしまう。パラレル・ワールドで考えると、そのように失敗して進行した世界がたくさんあるような気がしてしまった。8分しかないからやれることは限られているのだが、その世界の人とそれなりに馴染まなければならない気もする。それに本来は違う人の人格に忍び込んでいる訳で、本当にこれでいいのかという疑問は最後までぬぐえなかった。まあ、そうしなければこの世界観は成立しないにせよ、倫理問題としては、この展開ではまずいのではないか。観た人でぜひ判断してもらいたいものだ。しかしながらスピード感のある展開でもあって、いくぶん僕の勘違いもあるのかもしれない。
 過去を繰り返しやり直す話は、SFの世界ではそれなりにたくさんある。他の人は同じことをしている中で、自分だけはトライ&エラーを同じ時間でやりくりする。そのようにしてその時間で自分がやったことで未来が変わる。要するにタイムトラベルの問題が起こる。しかしながら僕がこれで一番混乱するのは、本人は自覚的に一つの時間軸の中で他の時間を行ったり来たりしているものの、物理的にその空間に居たり居なかったりする為に化学反応が起こるのではないかという予想だ。さらに移動した時間帯にも別の場所に本人自体がいるはずであったりすると、さらに混乱を覚える。この映画ではまず出会わない設定ではあったけれど、普通は自分の身近なところで関係性のある人々とのやりくりをするのだから、大問題だと思う。人間の頭の中では、タイムトラベルは成立するのだけれど、やはり物理現象としては、量子力学や超ミクロ世界ならともかく、人間のサイズの生物がタイムトラベルをすることは、無理があるような気がする。詳しく話すとさらに混乱するが、人間が生きている一回限りの時間の流れというのは、やはり変えられないものなのではなかろうか。また、そうであるから、切なくも時間は貴重なのだと思う。
 さて、映画としてはそれでもこのような見せ方で楽しむことができる。人間の想像の共有というのは、なかなか興味深い問題なのである。
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