続・中岳龍頭望

脱力系から熱血系へ。ま、志はということで…

理想の老後   マイ・インターン

2016-10-15 | 映画

マイ・インターン/ナンシー・マイヤーズ監督

 ネットで衣服を売る事業で成功を収め、家事は夫に任せてバリバリ働く主人公のジェールズのもとに、日本でいえば高齢者再雇用のような形で、40も年上の男性が部下に付く。分野は違うものの長年会社勤めをしてきたベテラン社員が、若年のやり手社長に、時には疎まれもするけれど、ユーモアを交えた的確なアドバイスを施して、事業を成功させながら不安定さの抜けない精神面を支えることになるのだが…。
 一言でいうと出来すぎのおとぎ話。これはどちらの立場にも言えることで、こんなご年配の紳士が会社のトップの役に立てることも理想だし、そもそも若くしてキャリア・ウーマンとして家庭との両立を果たしながら(それも苦難のテーマの一つにはなっているが)成功している姿も絵にかいたような理想だ。しかしそうでなければこのお話は成り立たない訳で、コメディとしても面白く、さらに示唆に富んで勉強になり、そうして実にお話としてよくできていて気分よく観ることが出来る。だから映画としては素晴らしいのだが、やはりおとぎ話なんだろうと思われるのだった。少なくとも、よく考えるとちっともリアルじゃないという感じだろうか。それでいいですけど。
 それにしても一線を引いて、妻に先立たれ、やはりまだ仕事もできるという自負のある高齢の男性が、このような新興企業の社長の役に立てるというのは、すぐに死んでもいいくらい高い理想なのではないか。さらにセクシーな彼女もできるし(どうも現役らしいし)。一応は若い女性向けの映画の作りではあるのだけれど、これを観てうっとりしてしまうのは、他でもなく中年以上の男性であろう。企業人としては一応の成功があったらしいけれど、あくまで勤め人としてまっとうし、自分の起業した会社でバリバリ働いていたわけではない。しかし企業人としての矜持もあるし、ましてや若くやる気のある経営者の素晴らしさも身を持って理解できる。時には辛抱も必要かもしれないが、やるべきことは分かっているし、多くの若者の助言者としての地位もしっかり築けている。そうして会社や若い人間の生き方として何がふさわしいか、自分の意見を言う立場にあるのである。まったくこれ以上素晴らしい人生があるのだろうか。
 ということで、これはむしろ高齢男性が観るべき映画ということが言えるだろう。少なくとも自分とのギャップと比較しないことだが、そのことにも気づかない人こそが人生の幸福者なのかもしれない。いつまでもお元気で頑張ってください。
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