カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

つまるところ服を脱ぐ映画   アンダー・ザ・スキン

2017-01-16 | 映画

アンダー・ザ・スキン/ジョナサン・グレイザー監督

 副題「種の捕食」。副題にそうあるので、人間の女に扮した宇宙人が、特に独身男性らしき人物を誘惑し車に乗せて家に連れ込み、服を脱がせて(セックスさせると見せかけて)捕捉していくという展開だと分かる。科白も少なく特に説明的なことが無いのでよく分からないが、そのようにして人間の皮の中身を食べているのかもしれない。宇宙人の女にはバイクに乗った男の仲間がいて、誘惑して捕えた男たちの痕跡を最小限消しているらしい。失踪事件として事がおおごとにならないようにしているのかもしれない。
 そういうことを繰り返している訳だが、ある時そのようにして車に乗せた男がフードを取ると、顔の奇形のある人だった。おそらくそのために、女性から相手にされないような、そうしてそのために心に傷があるような男なのだろう。美しい若い女にセックスをするためだけに誘われていることに信じられない様子だが、やはり家に連れ込まれて服を脱いでしまう。いつもならそのまま中身は食べられるのだろうが、何故か男は裸のまま家から逃げ出すことが出来る。結局家に帰りつくころには、仲間の男に殺されたようだけれど。
 女の中の何かの精神性に変化があったらしく、女もそのまま男の捕食をやめて車を捨てて田舎町のようなところを放浪する。そこで出会った親切な男に食事を作ってもらったり泊めてもらったりすることで、気を許すように見える。しかし情事を行おうとすると、女性性器が無いのか、最後までできない。結局また山の中に逃げ出し、そこですれ違った林業の男らしき者に強姦されそうになった時、人間の皮がはがれて宇宙人の正体である黒い本体が現れる。驚いた男に灯油か何かを掛けられて、燃え尽きて死んでしまう。
 結局あらすじで大方のすべてを書いてしまった。カットが長く説明が無いので、まあ、実際にそんなような話である。
 面白くも糞も無い映画だが、不思議な印象だけ残すのが目的なのかもしれない。スカーレット・ヨハンソンの肉感のあるヌードが目当ての人は楽しめるかもしれないが、そんなにエロティックな訳でもない。
 人間なりに好きに解釈してもいいと思うけれど、宇宙人が人間を食べるのに、なんで変な疑問のようなものを持たないといけないのか、今一つ僕には分らない。人間の女の姿をしているうちに、恋心のようなものが芽生えたというのだろうか。それでも食わなければ死んでしまうだろうし、仲間も迷惑だろう。そうして恐らく表面の皮膚も壊れやすくなってしまったのではなかろうか。捕食する以外に人間の死には関心のなさそうな残酷な場面もあって、恐らくそのような感情を持っていないことは暗示されている。宇宙人でも鬱病になるという話でもあるまい。
 物好きな人が、変だよな、と思いながら時間をつぶすための映画だろう。
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