見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

電柱撤去と電線の地中化

2007-02-18 21:18:53 | 仕事・職業
初めて欧州を歩いたときの驚きのひとつは都市空間の美しさだった。
対して、日本の街がどうして雑然と感じるのか、その時はわからなかったが、帰国後に旅の写真を現像してから理解できた。車道や歩道を邪魔する電信柱がない、空と視界を遮る電線がない、建物を覆う派手な広告塔がない・・・。

日・英・独・仏・伊・米、6カ国の社会資本整備の国際比較を見ると明らかだが、ロンドン、パリ100%、ベルリン99.2%の電線地中化率に対して、東京は3.8%と比較にもならない。

  

先週、地域住民と行政との懇談会の場で珍しい意見が出された。「中心市街地は電線地中化が進められて街がきれいになってきたが、郊外の道路の方が実は切実。狭い道に電信柱がせり出し邪魔で危ない。景観もよろしくない。郊外の電線地中化を促進すべき」と。なるほどの提言である。

が、しかし、都市整備には多大なコストがかかる。国が施策として取り組み始めたのが1986年と浅く、整備対象も商業地域や歴史的町並みなどと範囲を限定しているために、基礎自治体が単体で推進するには資金的な限界がある。
電線地中化事業には、100M当り5000万円以上のコストがかかり、電線管理者や沿線住民の合意形成も欠かせない。欧米諸国レベルに近づくまでの道は険しく遠い。

日本を含むアジア諸国の混沌、雑然とした町並みも悪くはない。しかし、整然として、清潔で、無菌状態の都市空間を望む声はますます大きくなるのだろう。



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