My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

憧れの銘機を入手:CDプレーヤーREVOX B226

2013-11-23 12:58:00 | CDプレーヤー

遂に、憧れのREVOX B226を手に入れた。

プロ的スタイルPhillipsスイングアームメカ、TDA1541、この3拍子揃いが気に入っていたところ。

さらにプロスタジオ仕様品の民生向け。BBCスタジオでも使われていたSTUDERの民生向けブランドREVOX。

STUDERはスイス生産、REVOXは西ドイツ生産らしい。

初めてCDプレーヤーが世の中に出てきたときに、「デジタル臭い!」と言われるマニアのために、出来るだけビニールレコードに近づけることを意識して設計したCDプレーヤーらしい。

いつもの通り、eBayから入手。スイスからの出品。

本体$850、送料$150。Revox workshopにてRestore/Refurbishされたもの。

説明では「The instrument was revised by a Revox workshop and running perfectly again.」と書いてあったので、一瞬revised?ってことは、Originalと変えられてる?と焦ったが、掲載写真を見ると、電解コンデンサを変えたくらいに見えたし、外観も良さそうなので、ポチってしまった。

実際に届いたものを見ても、小容量の電解コンデンサが交換して有るくらいだった。

さすがに25年の時を経て、容量抜けしたのだろう。

生産時期としては、B226の発売が1987年4月だから、1990年くらいかな?

注文して2週間後、海を渡って無事到着。

実は、eBayでこの様な高額?商品を買ったのは初めてだったので、ちょっと心配だった。

トラッキングはスイス・ポストから進まずに、未だにCarrier:SWISS Postとなったまま。

マンションの管理人から、欧州から荷物が届いていると連絡があり、行って見ると1階に大きな荷物が届いていた。

その夜、早速開梱。

梱包も厳重、丁寧にされていて、本体にはシートラップが施されていて、さすがヨーロッパは仕事が丁寧だと思った。安心できる。

設置して、我が家のオーディオ・システムに仲間入り。

この外観がマッキントッシュ275によく合う!

CDPはやっぱこれでしょう。フェースがベストマッチ。プロユース的なフェースがGood。

デザイン・風格とも申し分無い。

275と管球プリアンプを購入したガレージメーカーに置いてあったのも、この組み合せ。

自分もいつかはこの組み合わせにしたいと思っていた。

でも、この店に置いてあったのは「STUDER」だったので、多分A725かA727かな。

Vintage品で揃えたぞ。

 

電源を入れてさっそく聴いてみようと思いきや、付属の電源コードが欧州仕様になってる。

そこで手持ちのプラグを使って加工。贅沢にフルテック。

電源ケーブル自体が細くて品粗に見えるが、今は仕方ない。

そして、AC電源電圧がマルチ対応になっているので、メタルキャビネットを開けてロータリスイッチを回し120Vに設定。日本で使う場合は100Vの設定も可能。

ヒューズの所には、220V 250mA、110V 500mAと書いてあったが、一旦そのままにしておいた。

電源スイッチをON! ランプが点灯、リレーが働く音がした。

CDを入れて、読み込み、音出し。---- OKだ。

デジタル出力2系統、アナログ固定出力1、可変出力1 ---全て出力問題なし。

ヘッドフォン出力 --- いきなり大きな音が出てビックリ!、ボリューム調整して問題なし。

それにしても、前面にある多数のボタンは何をするのか良く判らない。

プログラミングとかだろうけど、、??。

Index scanも出来る。懐かしい。確かに昔は有ったなぁと思い出した。

あれ、前のTrackに戻るボタンが無い。色々やってみたが出来なそうだ。? まあ良いか。

 

こういうものを買うと、すぐに中を見たくなってしまう性分なので、取りあえず、一旦電源を落として、内部を覗いて見た。

それでは大公開!!!

全体

中央にメカ、左に制御基板、右側にDACと音声基板を配置。プロの配置。

Rev.May13とサインがあり、最近修理したことを書いてる。


DAC、音声基板部

 (拡大1)

電源部に使われているコンデンサはFRAKO(Made in West Germany)製。これが、このRevoxの音を作り出してる一因かも?。基板への液漏れは無かった。

コネクタは何故かYAMAICH。付け替えられた電解コンの中には日ケミ製も。日本製も頑張ってる。

 (拡大2)

真ん中に鎮座しているのが、あの「TDA1541」。A付きじゃない。残念ながら王冠(CROWN)マークは無し。

いまどき、こんな大きなDAC ICは見かけないぞ。

青いコンデンサは「emz」製フィルムコン。ドイツ製。

 (拡大3)

 (拡大4)

右側の放熱板についているのが電源用のトランジスタ。

 

制御基板部

銅テープが貼ってあるのはEPROMかな?昔は、こうだったなぁ。

 (拡大1)

このメカはベルトがよく劣化してへたる様だが、問題なさそうだ。

 (拡大2)

なんだかワイヤーが出ているが、何かを調整した後かな?


メカ部

これが、かの有名なPhillips Swing Armメカ CDM-1である。これだけでも価値がある。

なんでもデータのロスが少なく音が良いらしい。このメカの差で、出てくる音が違うらしい。

トレイ移動のモーターはスイス製。Good!

スイングアーム、ピックアップが微かに見える。

ピックアップレンズにLEDライトを当てて観察したが、すごく綺麗で光輝いていた。

さすがガラスレンズ!まったく問題なさそう。


トランス部

ここには「STUDER」の名前が。おそらく共通部品なのだろう。

電源電圧の選択が出来る様になっている。全世界で使ってもらおうと考えたのであろう。


リア部

STUDERの名前も書かれている。西ドイツ製。

シリアルNo.は、メカにも同じNo.が書かれている。前の写真で確認が出来る。


製品からは、昔の電気・電子製品の匂いがする。部品の匂いか、基板の匂いか。懐かしい匂いだ。

TVとかラジオの裏から、よくこんな匂いがしたのを覚えている。

 

ここで、やっと音の印象について

一言で言うと、憧れていた音を初めて聴いてみて、これは良い!!!!!

今までのCDプレーヤーと明らかに違う。一線を画している感じ。

今まで体験したことの無い音だ。

なんと表現したら良いのでしょう。

音が太くてふくよか、温度感、潤いを持っていて、音楽を聴いているって感じがする。

好きなジャズ女性ボーカルなんかは、いままでより更に、色っぽく、甘く、いやらしく聴こえる。

情報量も思ったほど悪く無いように思う。

どうしたらこんな音が作れるのだろう?

Swing Armの成せる技?、TDA1541?それとも使用しているアナログ部品?トランス?設計そのもの?

いやぁ、その当時のエンジニアって凄いですね。音に対する執着があったのでしょうね。

職人技につくづく尊敬しますよ。

今は、デジタルの時代だから、情報量やスペックだけで競ってしまう。

失ってしまったオーディオの本筋である本来の楽器の音を再現するという、根本的な探求心(マイスター)を取り戻そうよ、って感じですね。


コメント (9)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« CDプレーヤーのデカップリン... | トップ | 意外と簡単だった、CDPのピッ... »
最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (偏人)
2013-12-22 23:28:37
お久しぶりです。
Revoxのプレイヤーは聴いたことありませんが気になりますね。特にElkoのでかいコンデンサとTDA1541が気になります。1541の出力は45mAで現在でも強い方です。
やはり余裕の出力と大柄で内部配線が太いのが音質の秘密かも知れません。
最近私が気に入っている旭化成のDACは10mm径で90mAで一般的な高出力DACの倍近いパワーなせいか力強くて温かみがあると思います。
Re: (ブログ主)
2013-12-24 22:37:36
今も聴きながら書いていますが、やっぱり良いですね。
力強いです。今のDACには無い音です。
最近のICはDACに限らず小型化のために微細プロセスになってオーディオには良くないと思いますね。
デジタル処理には高速化が進み良いでしょうが、オーディオにとっては良くないですね。
真空管→トランジスタと同じ様な事と思います。

90mAも取り出せるDACは、旭化成の型番は何ですか?
最近はマルチビットDACを探しています。
WofsonのWM8740とか、どうなんでしょうか?
MarantzのCD-94、CD-95も手に入れたいですが、難しいですね。
Re: (ブログ主)
2013-12-24 22:43:36
言い忘れました。
FRAKOのコンデンサもですが、電源トランスも何やら変わってますよ。

TDA1541Aのダブルクラウンも試して見たいですね。

このあたりの事は、価格.comの掲示板でもちょっと盛り上がりました。
「 REVOX B226の音質について」で検索して見てください。
Unknown (偏人)
2013-12-24 23:46:29
旭化成は32bitラインは恐らくみんなMax90mAじゃないでしょうか。全部は確認していませんが。
WolfsonはOnkyo、Kenwood、Rotel辺りが好んで使っていますね。スッキリ綺麗で繊細な傾向ですね。
電源トランスは黄色いテープが巻いてあって四角いやつですよね。確かに四角は珍しいかも。
マルチビット型CDP (naoki santou)
2016-10-22 12:55:19
昨年にQUAD66CDを購入しおよそ半年をかけてフルメンテナンスしていただき使用していますが以前の1ビット型CDP
と比較すると、よりアナログな再生音を楽しめています、好みはあると思いますが、私のようなレコードマニアには好みな
音がでますね、およそ1990年以降のほとんどのCDPは1ビットになっていますが、マルチビットが良いですね、特に
スイングアームとTDA1541(フィリップス製)がなせる業ですね
名高いビンテージスピーカーにはよく合うと確信します。
クラウンは無くても (LHH100)
2018-05-21 21:00:30
LHH1000のDACをダブルクラウンに交換してもらい余ったクラウンマーク付きをB226に載せたことがあります。
結果から言うと、音が痩せました。
このB226の魅力が半減した気がしました。情報は増えるのかもしれませんがすぐに元に戻しました。ソケットを使っているB226だからこそ簡単にできた事でしたが。
Re.クラウンは無くても (ブログ主)
2018-05-22 10:54:08
古い記事へのコメントありがとうございます。

私は、ず~とTDA1541Aのクラウン付きを探し続けていますが、参考になりました。
でも、何故音が痩せるのでしょうね。特別選別品とは、マルチビットのラダー抵抗の精度を特別選別しただけと言う理解だったのですが。。。
それと、TDA1541→TDA1541Aへの換装は、クロック用コンデンサを外付けする必要がありますね。
コンデンサーですか! (クラウンは無くても)
2018-05-30 00:00:00
まさかコメントをいただけるとは思っておらず、また、コンデンサーに関する情報もありがとうございます。470pfのコンデンサーを必要としていたとは。
パーツを手配し、再挑戦してみます。
やってみました! (LHH1000)
2018-06-10 17:51:33
コンデンサーを外付けしてやってみました。
前回の印象とはまるで違います。
ちょっと視聴しただけですが、B226の魅力はそのままで、透明度が増し、情報も増えている感じです。
B226まだまだ現役で頑張ってもらえそうです。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

CDプレーヤー」カテゴリの最新記事