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「萌え経済学」森永卓郎著

2006-05-10 23:34:28 | Book
2005年5月11日に18歳3ヶ月の少女を3ヵ月以上も監禁して、自分のことを「ご主人さま」と呼ばせていたイケナイ王子、K容疑者が逮捕された事件をご記憶にあるだろうか。

森永卓郎氏がこのようなおパンチまるだしの表紙→を着せて、本書を世におくるきっかけとなったのがこの事件における、精神科医の香山リカさんのような萌えの本質への無理解にある。「オタク」や「萌え」への規制が必要というニュアンスの漂うコメントを、森永氏は大変残念がっている。何故ならば、K容疑者は(blueさまもGacktに似ていると思ったくらい)相当なイケメンということで、アキバ系のオタクではないと断言している。そもそもアキバ系の性的魅力に乏しい若者は、女性から「ダセーんだよ」の一言ではねつけられ、恋愛に対する絶望感から最後に下した結論が、本田透氏の「電波男」の「二次元だっていいじゃないか。オタクだもの」という解脱である。だからイケ面王子は、萌えではない。森永氏は、純性アキバ系の人たちや萌え産業が、彼と同列に扱われて非難されることに対する怒りを隠さない。
それでは、「萌え」とはなんなのか。

①萌えの定義・・・「萌え」とは、アニメのキャラクターに恋をすることである。

②萌え市場の規模・・・04年野村総合研究所によると推定市場は2900億円。もはやニッチな産業とはいえない市場規模と主張しているが、著者によると萌えのコンセプトがわかっていない頭の固いシンクタンクの試算よりも、実際は数倍という規模で尚且つどんどん膨張しているという。萌え市場は、ニーズが多様化しているため大手企業が参入するほどのロットがなく零細企業が中心であり、またオタクからオタクの間を資金が循環している閉鎖市場であるから統計がとりにくいが、今後日本経済や社会のあり方を根本的にかえていくだろうとまで予言している。

③芸術性が支える萌え産業・・・少年のこころとオトナの体(経済力)が合体したコレクターを満足させるには、中国製品などにないアート(芸術、技術)が重要である。もともと技術がしっかりしている日本の製造業に、イタリアのような高付加価値を実現するために、芸術性が必要だ。

恋愛市場における経済学は、特に読ませる。
戦後の日本は、結婚によって性の欲求が満たされる社会だった。愛には性愛と相互理解、相互依存という3つの要素があり、これらの抱き合わせ販売が行われていた。こうした抱き合わせ販売は、性愛の分配を一種の共産主義的な仕掛けで平等化していて、お見合いというシステムがこの販路に貢献し、おおかたの日本人は安定した性的パートナーを確保できた。ところが、この愛の抱き合わせ販売は近年崩壊している。何故ならば、女性の社会進出に伴う男性への経済的依存が不要になり、終身雇用制がなし崩しになったことから男性へ自分を託すリスクの増大、社会のマインドコントロールもきかなくなり結婚制度そのものへの疑問も生じるようになった。更に自由な市場経済が、一握りのモテる勝ち組が多くの女性という富をかっさらい、負け組みが下流社会を構成しているという現象は、今の日本の経済と同じラインである。。かくして「性愛の難民」、つまりモテない男たちの大量発生である。そこに萌え産業の需要と供給があるのだ。

以下、萌えの美学と消費者行動を連結して、新しい巨大市場を分析した著者のぺんは快進撃ですすむ。その行間からは、理想の女性は「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイと言い切り、ミニカーのコレクターとしても有名な氏の迫真のオタクぶりが油のようににじみでてくる。思わず、特徴のあるご面相←が浮かんでくる。そして足ツボマッサージを実践するくだりで、メイド服を着てかいがいしく奉仕する女性を普通の容貌にも関わらず、その姿を見ているうちにイトオシクて仕方がなくなるという告白がある。これには「きもいっ!」、、、それが正直な感想である。「萌え」には性的な含みがあることが、実験でも証明されているが、二次元の女子への恋というオタクの幻想もイタイ。しかし三次元の豆粒大Gacktを見ることがまれなライブの限定期間ということを考えると、私も殆ど二次元のGacktに「萌え」ていると指摘されるだろう。実際ブレインサイエンス・ラボラトリーの脳波測定実験の被験者になったら、間違いなくGさんの写真に脳波はエロ派として反応するはずだ。りっぱに解脱している自信がある。(そういう意味では、Gacktにはファンを裏切らない二次元キャラクターを終生演じていただきたい。)
時々、氏の表現には女性の立場から読むと不適切(不快)に感じる部分もあるが、オタクとネット市場との融合など経済学者らしい論説は、著者の顔を連想することをさけることを条件に、一読に値する。この本は、つまり経済書である。
「オタク」にも「萌え」にもあまり興味がなかったが、その市場参入者に魅力的な男性がいないという見る目はあたっているかもしれない。生身の女性とかかわり傷ついた殿がたには申し訳ないのだが。  -腐女子より
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