定年退職からの楽しき日々♪♪

六十歳で定年退職し、テニス・ピアノ・料理などの趣味にいそしんでいます。折にふれてエッセイを書いています。

ビデオライブラリー

2017-03-10 18:37:49 | 趣味
 数年前からテレビ放送が実に詰まらないと感じるようになった。安直なクイズ番組、単なる刑事事件の大げさな報道、極め付きはテレビショッピング。妻と地上波、BSのチャンネルを次々に変えながら、見たい番組がみつからないと嘆くことが多い。

 4年前にテレビ機能のあるパソコンを購入し、様々な番組を自動録画するようになった。ドキュメンタリー、音楽、映画、健康医療、スポーツ番組などを録画予約している。毎日10本前後の番組が録画される。定期的に録画をチェックし、特に気に入った番組はブルーレイディスクに保存している。

 自動録画を始めてから4年近くになり、保存した番組がかなりたまったので、昔のDVDも含め、数日かけてすべてをチェックし、不要なものは削除の上、気に入った番組だけを残した。ブルーレイディスクで40枚、150本ほどの番組が残った。 それ以来、毎日1、2時間、録画番組を楽しむようになった。

 NHKBSで報道された「プロフェッショナル イチロー」。シーズン最多の262安打した頃に制作された密着ドキュメンタリーである。左打席で剛速球を完璧なタイミングで捉えると、打球は物凄いスピードで弾道を描き、左翼手の右を抜けていく。レフト守備では、ホームに向かって突進するランナーの後ろからボールを投げる。投球は矢のように早く、ホーム手前でランナーを追い越し、キャッチャーミットに収まる。寸前でタッチアウト。球場の大歓声をききながら、何度見ても昂奮する。
「プレッシャーはどうしてもかかる。よし、それならプレッシャーをかけよう」
随所で語られる哲学的なイチローコメントをききながら、自分も頑張ろうと勇気を貰うのである。

 4年ほど前、長年使ったステレオ装置が壊れたとき、相談をもちかけた東京の友人が、使っていない装置があると言って、驚くほど高価なステレオ装置を貸与してくれた。いまこの装置をパソコンに繋いでいる。パソコンの大画面、高画質と最高級の音響装置が一体になり、私の書斎は理想的な個人シアターになっている。

 NHKBSプレミアムシアターが、2013年12月、ミラノ・スカラ座で公演されたヴェルディのオペラ「椿姫」を放送してくれた。世界の檜舞台、スカラ座は重厚で贅沢な雰囲気がある。19世紀中ごろのパリ社交界を舞台にしたこのオペラは、華やかさと悲しさが同居している。最初から最後まで楽しく快いメロディに溢れ、ドイツのソプラノ歌手、ダムラウが美しく力のあるアリアをきかせる。スカラ座の前は2度通ったが、まだ公演をきいたことはない。いつの日かオペラを楽しんでみたいものだ。

 昨年、NHKプレミアムアーカイブスは料理家、辰巳芳子さんのドキュメンタリー「おいしさを待ち続けて」を再放送してくれた。鎌倉市浄明寺の辰巳さんの大きな屋敷でとれた食材を使い、四季折々の料理を紹介している。90歳近くになる辰巳さんは若々しく上品で、自然を大切にして、沢山のお弟子さんを教えている。
「その時、その時のね、自然がもたらすものに敏感でなけりゃダメよ」
豊かな鎌倉の自然、明るく上品な人々、ほんとうにおいしそうな料理の数々。静かで滑らかな音楽。心が洗われる。辰巳邸はテニスクラブの球友、狩野さんのご近所だという。今度鎌倉に行ったら、辰巳邸を見に行きたいと思う。

 沢山のブルーレイディスクを整理していたら、2年前に録画したまま見ていない番組が出て来た。「国家安全保障局の内幕」というドキュメンタリーである。アメリカの国家安全保障局(NSA)をテーマにした番組だ。再生し始めると、その恐るべき内容にぐいぐい引き込まれていった。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの後、アメリカ政府はテロを防止するために、アメリカ国民のすべてを対象に電話交信やメールを秘密裡に集め始めた。当初はプライバシー保護のための暗号化措置が取られたが、やがて暗号化は取りやめとなった。これは合衆国憲法に違反する恐れが高い。この問題を巡って秘密裡に高官、関係者の間で激論が戦われた。そして2013年のスノーデンによる情報暴露に至る。

 時のNSA長官、司法長官などが取材に応じ、事態の困難さ、危険さを生々しく語っている。国家による個人情報の収集監視はアメリカに限らず、様々な国で行われているのだろう。恐ろしいことだが、事実は事実として認識している必要がある。本当に衝撃的なドキュメンタリーだ。

 1970年前後の学生時代のことを思い出すと、このような多彩な映像を、たった一人で楽しめるなどということは、とんでもないことだと思う。経済発展と技術進歩のお陰である。特にいいと思った番組は友人や家族・子供たちに紹介している。

 世界情勢はますます混迷を深め、国内も先行きに大きな不安があるけれども、それはそれとして注視しつつ、これからも毎日じっくりとビデオライブラリーを楽しんでいこう。
                        (2017年3月)

 
 
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オバマ政権がトランプを盗聴?(ライシュのブログ)

2017-03-05 15:02:33 | 政治経済
トランプ大統領がツイッターで、オバマ前大統領がトランプを盗聴していたと投稿しました。
これについてロバート・ライシュがコメントを発表しました。

大統領が次々に発表するコメントに、ライシュは冷静に観察、論評しています。

アメリカのFBIやCIA、各メディアも調査を進めているのだろうと想像しています。アメリカサイドで目立った動きがないのが不思議です。報道規制されているのでしょうか。

ライシュのブログを要約します。
今回のライシュのブログは比較的長文です。詳しくはライシュのブログで全文をご覧ください。

2017年3月4日
トランプのわめき。その気力を奪うような理由。

3月4日、トランプ大統領はツイッターで、オバマ前大統領が昨年秋の選挙戦でトランプ候補の本部盗聴を指揮したと主張した。トランプは、前大統領は「悪い(むかつく)奴だ!」と結論付けている。
トランプは盗聴について何の証拠も示していない。
みなさん、私たちは大変な問題を抱えてしまいました。

トランプは想像していた以上にくだらない男である。本当に妄想偏執症で、地球を消し去り、アメリカと世界の運命を決める核兵器発射コードを持たせてはならない人物だ。
トランプのわめきは3月3日の、オルトライト出版、ブライトバートニュースの論評に触発されたものかもしれない。右翼のラジオでマーク・レビンがオバマがトランプチームのロシアとの関りを盗聴していた可能性があると主張したことを報じたものだ。

万一、トランプが正しく、オバマ政権が盗聴したとしても、その盗聴の前に、トランプが反逆罪を含む、非常に重大な罪を犯した可能性が非常に高いのだ。

大統領といえども、彼自身が盗聴を命じることはできない。トランプが重罪を犯したとか外国のスパイ(an agent of a foreign power)であるという充分な証拠を基に、連邦裁判事を説得せねばならない。

トランプのわめきの他の理由はないだろうか?
トランプは国民に知られたくない話やそれを書くメディアから注意をそらすためにツイッターを使う男として知られている。
ジェフ・セッションズ司法長官問題の紛糾やロシアスパイと接触したトランプ取り巻きの数が増えていることから世間の目をそらしたいのだろうか?
でっち上げの盗聴事件を持ち出したところで、世間の目をそらすことなど全くできそうにない。
トランプの今回の非難は、大統領選に勝つためにトランプがロシアと陰謀を企てた可能性に更に注目を集めることになった。

トランプのわめきの理由が何であれ、アメリカは深い問題の渦中にある。
われわれの大統領は危険な偏執症患者か、右翼の変人に頼って判断をする人か、反逆罪を犯した可能性が高い人である。
いずれの可能性もすべて大変困ったことだ。
(2017年3月)

 
写真左:ライシュ、  写真右:ジェフ・セッションズ司法長官
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トランプ大統領の手口(ライシュのブログ)

2017-03-01 22:46:46 | 政治経済
ロバート・ライシュが2月28付けでブログを更改しました。

それを読むと、トランプ大統領は人心掌握において非常に巧みな能力を持っているようです。リベラルで強い力を持つと思われるメディアも、最近は何か弱弱しくなっているような気がします。
アメリカは奇妙な雰囲気です。

日本のマスメディアについても、是々非々でよく見ていかねばならないと思います。

2017年2月28日のライシュのブログを要約します。

嘘を「半面だけの真実」に変えるトランプの10行程

今年初め、ウォールストリート・ジャーナル編集長は、同紙がトランプの虚偽の発言を「嘘」と表現しないことにしたと主張した。編集長によると、「嘘」は人々を誤解させるために、よく考えなければならないのだが、トランプの場合はそうではないからである。

しかし、ドナルド トランプは米国史上最も嘘つきな大統領であり、嘘つきのままやり過ごせるように見える。
そこで、トランプが嘘を「ほぼ真実」に変える10の行程を紹介する:

ステップ1:トランプが嘘(lies)をつく。
ステップ2:専門家がトランプの主張は根拠がなく虚偽だ(false)と反対する。メディアはトランプの主張は虚偽だと報道する。
ステップ3:トランプは専門家を激しく責め立て、メディアを不誠実だ(dishonest)と非難する。
ステップ4:トランプは嘘をツイッターと演説で繰り返し、多くの人がトランプは正しいと言っていると主張する。
ステップ5:主要メディアは嘘を「真偽を問われている事実」(disputed fact)と表現し始める。
ステップ6:トランプは嘘をツイッター、インタビュー、演説で繰り返す。彼の代理人はテレビと右翼のブログで嘘を繰り返す。
ステップ7:主要メディアはトランプの嘘を一つの「論争」(controversy)と表現し始める。
ステップ8:世論調査は(大部分の共和党員を含め)アメリカ人でトランプの嘘が真実であると信じる人の数が増えているということを示す。
ステップ9:メディアは、トランプの嘘は「アメリカの党派分断(partisan divide)を反映する主張」であり、「多くの人が真実と思っている」と表現し始める。
ステップ10:国民は何が事実なのか混乱し、方向感覚がなくなる。こうしてトランプが勝利する。

トランプの嘘を真実らしくしてはならない。用心しよう。
真実を知り、広めるのだ。
メディアはもったいぶった言葉使いを止めるべきだ。トランプの嘘を嘘だと報道せよ。
(2017年3月)

 
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座右のエッセイ

2017-02-27 13:59:15 | 日記
 10年余り前から、手帳と日記帳を兼ねてA5版のノートをバッグに入れている。ノートカバーのポケットに新聞記事の切り抜きが挟んである。2003年1月19日付けの日経新聞コラムである。ベストセラー『清貧の思想』の著者、中野孝次さんが寄稿したエッセイで「老年をたのしむ」というタイトルがついている。

「老年とはどうやら悪い年齢とは限らないようだぞ、もしかすると人生の一番いい時かもしれないぞ、とあるころからわたしは考えるようになった」
エッセイはこのつぶやきから始まる。十代の頃は受験勉強に打ち込まねばならず、社会では仕事に時間とエネルギーを捧げねばならなかった。
「それが今や時間の全部が自分の自由になり、自分のためにだけ生きていいようになったのである。これほどの恵まれた時がまたとあろうか」

 中野さんは自主定年と称して55歳で國學院大學の教授を辞職した。それ以来、時間のほとんどを読書と執筆と趣味の碁に捧げた。読書は日本、古代中国、ローマ、西欧の古典ばかりで、それを読むとき中野さんは
「限りない昂揚とよろこびを覚え、本当に生きていると感じた」
 夕方は晩酌3合半を楽しんで7時にことりと寝て、朝は5時に起きる。庭で実ったスダチをしぼり、ハチミツを加えたジュースを飲み、陽の昇るころまで読書と書き物をする。

 この切り抜きをノートに挟んでおきながら、この10年間で読み返したのはほんの2、3回であった。それでも黄ばみ始めた切り抜きを捨てようとは思わなかった。

 2010年3月、私は中野さんより5年遅れの60歳で、同期生より5年ほど早めに退職した。それからの7年間、読書とエッセイ執筆、趣味のテニスとピアノに大半の時間を費やしてきた。読書は思いつくまま、気の向くままで、岸本葉子さんのエッセイ、師と仰ぐ大鐘稔彦さんの著作、そして最近は経済学者、ロバート・ライシュの文章を慈しみながら読んでいる。今年に入って、ライシュのブログを読むようになり、頻繁に発表される文章をインターネット辞書頼りに楽しんでいる。テニスも肘痛に悩まされているとはいえ、十分な時間を使って存分にエンジョイできている。ピアノは奥が深く、楽しいというよりは辛いと感じることの方が多かった。それでも2年ほど前から、モーツァルトやベートーヴェンの交響曲を弾くようになって、練習のストレスよりも音楽の楽しさが勝るようになってきた。ドイツのブリュートナーピアノを購入し、その音色のすばらしさ、音の伸びも楽しさの一因である。

 何といっても、毎日のスケジュールを自由に設計できる。早期退職を決意するとき、
(仕事をやめたから収入はなくなる。しかし、1日24時間の自由時間を確保できる)
と考えたが、まさにその通りだった。子供の頃、学生時代、社会人時代を振り返って、退職後の7年間はもっとも楽しく、さまざまな方面で成長でき、そこそこの結果も残せた時期だった。

 今、中野さんのエッセイを読み返してみると、私は退職後、庭にたわわに実るゆずが毎日食卓に上がり、芋焼酎とワインを愛でることも含め、毎日とても似たような暮らしをしていることに気づいた。しかし、私は50になる前から今のような暮らし方をどことなく心に描いており、中野さんのエッセイを読んでまねた積りはない。

 自由人になってからずっとフェリス女学院大学のシニアカレッジでエッセイ入門講座を受講している。1年ほど前の講義で、講師で独文学者・エッセイストの川西芙沙先生が意外な話をしてくださった。
「今日の教材を書いている中野孝次さんは、私の夫の同僚で、昔よく家に遊びに来ていました。酒の好きな人でべろんべろんに酔うことが多かったです」
この話をきいて、80近くになっても晩酌を3合半も飲むということが頷け、同時にとても親しみを感じた。

 中野さんの暮らし方を模倣したのではないが、潜在意識としてなにがしかの影響を受けたのかもしれない。そう思うと、中野さんの文章が改めて輝きを増し、これからの私の生き方に大きな示唆と勇気を与えてくれるような気がする。時々この短いエッセイを読み返して、13年前、79歳で天に召された中野孝次さんとの会話を続け、ますます早く過ぎていく日々を味わいたいものだ。(2017年2月)

 
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普通の国になったアメリカ(行天豊雄氏の論考)

2017-02-24 17:55:31 | 政治経済
50年来の畏友が、かつての上司、行天豊雄(元大蔵省財務官、国際通貨研究所理事長)さんの論考を紹介してくれました。
世界におけるアメリカのポジションについて興味深い意見が述べられています。

この論考は国際通貨研究所のホームページに掲載されています。
転載することが許されているので、このブログに全文を転載します。
(2017年2月)





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なぜ トランポノミクス は失敗するか(ライシュのブログ)

2017-02-22 21:48:07 | 政治経済
93歳の母が直腸脱になり、日々ますます苦しい状況になったので、2月20日に入院しました。本日主治医と面会し、3月2日に手術をすることになりました。
手術法の詳細とリスクについて説明を受け、文書に署名しました。
本人も家族も予想外の展開です。主治医と病院の医療体制に託したいと思います。
日本のすばらしい医療制度、健康保険制度に心から感謝しています。

ロバート・ライシュの2月17日付けブログ、
「アメリカの正当な経済政策」
をご紹介しました。ゆい様からコメントをいただきました。

2月18日付けでその続編が出ました。

今日の国家の経済政策の基本は、自国労働者に教育投資を行い、労働者の生活向上に努め、国内インフラの整備を図ることだというライシュの主張は一理あると考えます。

更に、アメリカに較べ、日本ではまだ、企業や富裕層に対する応分の課税がなされており、日本の所得・資産の格差が拡大することを防いでおり、日本社会の安定に非常に意味のあることだと思います。多くの国民が税制調査会などの答申を緻密に精査し、企業や富裕層への減税が進行しないよう、国会議員などと連携していくべくと考えます。
日本人はアメリカ人より幸せだと思います。

2017年2月18日付けのライシュのブログを要約します。
「なぜトランポノミクスは失敗するか」

注目すべきことに、ボーイングに納入している会社は労働者に低い賃金を支払っている訳ではない。実際は、健康保険と年金を算入すると、これらの労働者はボーイングの労働者より待遇がよいのである。(サウスカロライナのボーイング労働者の平均賃金は20.59ドル/時、43千ドル/年である。)これらの労働者はボーイングより多くの有給休暇を得ている。

これらの国々(イタリア、フランス、ドイツ、スウェーデン、日本、英国、カナダ)は若い人々に優れた教育と技術訓練を施している。これらの国々は常に労働者のスキルを向上させている。同時に国民が全員享受できる健康保険制度を提供している。

教育や保健などすべての費用を支払った上で、これらの国家はアメリカより多くの税金を企業や富裕な個人に課している。更に、これらの国家の健康保険、安全、環境、労働規制はアメリカより厳しい。

これらの国では労働組合もしっかりしている。

さて、ボーイングのジェット機の部品の多くが、なぜ、高賃金、高税金、高コストの国から調達されるのだろうか?

これらの国の労働者が作った部品の性能が、世界のどの国の製品より優れており、長持ちし、信頼性があるからである。

ここに教訓がある。

アメリカ人労働力の競争力を高める方法は、アメリカの周りに壁を築くことではないのだ。それは、アメリカ人の教育、技術訓練、オンザジョブトレーニング、健康保険制度にもっと多く、もっと上手に投資することだ。そして、強い労働組合を通じて、労働者に企業内での発言権を与えることだ。

言い換えれば、アメリカ人の生産能力に投資し、彼らに高い給与で報いることによって、アメリカはファーストクラスの労働力を確保できるということだ。

トランプが提案しているのは全く逆である。

ところで、ボーイング787、ドリームライナーの初号機の引き渡しは来年、シンガポール航空向けに予定されている。現在の受注残の多くは、エアフランス、英国航空、メキシコの代表的航空会社、エアロメヒコからのものである。

ボーイングは、今後20年間に渡り、787を含め総額1兆ドルの航空機を中国から受注しようと期待している。中国からの受注はすでにボーイングの売り上げの5分の1を占めている。

しかし、トランプがアメリカの周りに経済的障壁を築くことに成功すると、これらの国のエアラインはボーイングから航空機を購入することを再考するかもしれない。これらの国は、自分たちの輸出を受け入れてくれる国家から航空機を、例えばヨーロッパのエアバス社から購入するかもしれない。

トランプの「アメリカファースト」経済学はまったくのデマである。外国人嫌いのスタンドプレーはアメリカ人労働者の競争力を高めない。アメリカをベースとした企業の競争力を高めない。

せいぜい、トランプの宣伝になるだけだ。

☆2017年2月15日付けの私のブログが
 囲碁倶楽部 のブログに転載されました。

(2017年2月)

 
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アメリカの正当な経済政策(ライシュのブログ)

2017-02-18 14:34:50 | 政治経済
ロバート・ライシュがトランプの「アメリカファースト」経済政策の間違いを解説しています。

国民の教育、訓練、インフラ、健康管理に投資し、高い賃金で労働者に報いることによって、わたしたちは第一級の労働力を得ることができ、国民経済力を高めることができると主張しています。

これはアメリカだけでなく、わたしたちの日本にとってもそのまま当てはまるように思います。日本でもこのような投資、動きが活発になるように、安倍内閣や関係者、企業に希望したいと思います。一国民として応援したいです。

2月17日付けのライシュのブログを要約します。

Friday, February 17, 2017
トランプの馬鹿げた「アメリカファースト」経済学

トランプは17日、787型「ドリームライナー」新型ジェット機が公開された南カロライナ州のボーイング社の工場で演説をした。
「この飛行機はまさにここで建造された。われわれの国家目標は、より輸入に頼らず、ここアメリカでより多くの製造がなされることでなければならない」

このような考えは単なる幻想だ。その理由を今すぐ説明しよう。
トランプはこう要求した。「ボーイングが従業員を解雇し、海外に移転して製造し、その製品をアメリカに売ろうとするならば、非常に重いペナルティを払わねばならない」
更に、彼はアメリカの雇用を海外に移転させる税金を引き下げ、規制を撤廃すると言いました。
「われわれはアメリカの工場でアメリカの労働者が製品を作ることを望んでいる。そして4文字のすばらしい言葉、メイドインUSA(Made in the U.S.A.)を製品に貼りつけるのだ」

トランプはグローバル競争について、そして本当は何がアメリカの労働者の雇用を奪っているのかということを何も知らない。

事実は、ボーイングのドリームライナーの1/3は海外から輸入されているのだ。
低賃金の国からではない。高い税金、厳しい規制、十分な賃金、強い労働組合、技術教育を含む優れた学校、国民皆健康保険制度の国からの輸入だ。

例えば、
1.イタリア、アレニア エアロノーティカが中部胴体を製造する
2. フランス、メシィエールは着陸ギアシステムを製造する
3. ドイツ、ディエール ルフトファールトがキャビンの照明を供給する
4. スウェーデンのサーブ エアロがドアを製造する
5. 日本のジャムコがトイレ、インテリア、厨房を作る
6. フランスのターレスが変電システムを作る
7. ターレスは2005年、日本のGSユアサから変電システムに使うリチュウムイオン電池を調達することにした

ドリームライナーの1号機は来年、シンガポール航空に納入される。現在、英国航空、シンガポール航空を含め、全世界の顧客から149機の注文がある。
トランプの主張とは反対に、ドリームライナーは全世界で製造され、全世界で販売される。

トランプの「アメリカファースト」経済学は単なるデマである。
アメリカ人の教育、訓練、インフラ、健康管理に投資し、高い組合員賃金でアメリカ人に報いることによって、わたしたちは第一級の労働力を得ることができるのだ。

外国人嫌いのスタンドプレーでは、アメリカ人労働者の競争力を高めることはできないのだ。
(2017年2月)


 
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フリンとロシア大使問題、FBIが精査中(ライシュのブログ)

2017-02-16 21:07:28 | 政治経済
このところ、ロバート・ライシュのブログは頻繁に更改されています。
2月14日付けで新しいブログが投稿されました。

日本では、フリン補佐官が辞任し、トランプ政権が痛手を受けたとのみ報道されています。

ライシュは、フリン補佐官のロシア大使との接触をFBIが精査していると伝えています。その結果如何で、トランプ大統領の弾劾の可能性もあるとしています。

合衆国憲法第2条第4節によると、大統領、副大統領及び合衆国のすべての文官は、反逆罪、収賄罪又はその他の重罪及び軽罪につき弾劾され、かつ有罪の判決を受けた場合は、その職を免ぜられる、とあります。

2月14日付けのライシュのブログを要約します。

2017年2月14日
ミカエル フリンと6つの大きな質問

アメリカ国民は少なくとも以下の5つの質問に答えて貰う資格がある。その上で6つ目の判断ができるだろう。

1. トランプはなぜもっと早くフリン補佐官をくびにしなかったのだろうか?トランプは、フリンがロシア大使と接触していたことを1月には知っていた。今年1月、司法長官代理、サリー イェイツはホワイトハウスに、「フリンはロシア大使と電話で協議している」と報告していた。

2. いずれにせよ、トランプは大統領就任式の前に、フリンに、何をロシアと協議することを許可していたのか?

3. フリンとその他のトランプ補佐官は、大統領選挙の前、ロシアと他にどんな接触をしていたのか?
アメリカの情報機関は、2016年の大統領選挙期間中、フリンはロシア大使、キスリャクと接触していたと報告している。両者の接触は11月8日の大統領選挙後も続いた。
ロシア大使は選挙の前も後もフリンと接触したことを認めている。何が議論されたかについては発表を拒否している。

4. フリンと他の補佐官は2016年の大統領選挙に影響を与えるためにロシアと協力していることを知っていたのだろうか?

5.もし彼らが知っていたとしたら、トランプはこのようなロシアとの協力を知っていたのか、鼓舞していたのか?

これらの疑問ははっきりしていない。FBIと上院機密情報委員会が調査中である。機密情報担当の記者たちも本件を調査していることが期待される。 やがて真実が明らかになるだろう。リチャード ニクソンが知ったように、ワシントンでは隠ぺいすれば事件は更に悪くなる。

そして最後の質問:
6. もしトランプが知っていたならば、トランプは弾劾されるでしょうね?

(2017年2月)

 
ライシュ                     ニクソン
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トランプ政権の実情(ライシュのブログ)

2017-02-15 15:53:24 | 政治経済
ロバート・ライシュが、トランプ政権の現状について、日本のマス・メディアでは報道されていないことを書いています。
トランプ政権のニュース報道を見る際に参考になる情報ではないでしょうか。

2月13日付けのライシュのブログを要約します。

2017年2月13日
無秩序なホワイトハウス

ドナルド トランプは、選挙民に対し、成功した実業家で政府をまとめあげるしっかりしたマネージャーだと売り込んだ。

しかし、彼はもっとも不適当で、いい加減で、無能な大統領であることを示しつつある。トランプのホワイトハウスはほとんど機能を失っている。

トランプはフリン補佐官が最後までポストにしがみつくことを許した。どのような政権でも、フリンがロシアと接触したことについて副大統領に嘘をついたことが分かった時点でフリン補佐官をくびにしただろう。

スパイサー大統領報道官は文字通り冗談である。彼の執念深い毒舌は既に深夜コメディ番組の格好のネタになっている。ホワイトハウスには優れた報道官のイメージというものがあるが、彼は問題外だ。

入国禁止措置は完全にしくじった。不明確でいい加減でまったく検討されていない措置だ。トランプは部下がちゃんとした助言をしないと不満をぶちまけている。しかし、入国禁止措置に責任を負っているバノンとミラー補佐官はホワイトハウスで更に権限を強めている。

一方トランプ政権は過去のどの政権よりもリークが多い。補佐官が他の補佐官のニュースをリークする。補佐官たちはトランプの無能ぶりや奇異な点の例をリークしている。
補佐官たちは、トランプが州のトップに電話をかけ、よく準備をせず、基本的事実を理解せず、外国のリーダーを非難している内容をリークしている。

ラインス プリーバス首席補佐官は何が起こっているかまるで分っていないようだ。 あるホワイトハウス高官はワシントンポストにこぼした。「ラインスにもっとリラックスして仕事をさせ、もっと有能にしなければならない。彼は影がないところに影を見ているんだから」

内輪もめも激しい。ケリーアン コンウェイ大統領顧問がプリーバス首席補佐官の後釜を狙っているとか、スティーブン ミラー補佐官がスパイサー報道官の仕事に狙いを定めているとかといううわさが渦巻いている。誰一人として他人を信用していない。

ニューヨークタイムズは報じている。
「ホワイトハウス国防会議の混沌と不安な日々」
国防会議のスタッフはトランプのツィートを読んで、それに政策を合わせるために苦闘している。トランプが電話で外国のリーダーに何を話しているかは、大部分は秘密である。

トランプ自身は国家機密にかかわる国防情報に非常にいい加減である。例えば、土曜の夜、トランプはマー・ア・ラゴの私的クラブの食堂中央のテーブルで、北朝鮮のミサイル発射について携帯で議論した。プライベートクラブメンバーの聞こえる範囲である。

米国の情報機関は、トランプと閣僚たちがロシアとの関係をもっていると確信しているので、米国情報機関はもはや大部分の機密情報をホワイトハウスには提供していない。秘密情報が結局プーチンの手に落ちることを防ぐためである。

アメリカ国家安全保障局高官によると、トランプとそのスタッフが秘密を守ることができないことを懸念して、安全保障局は重要な機密情報をホワイトハウスには伝えないようにシステムを組んでいるという。

無秩序なホワイトハウスはトランプ自身の失策である。トランプは責任を果たすことが求められているのに、タフなマネージャーではないことが判明した。 トランプはよいマネージャーですらない。そもそもマネージメントにまったく興味を持っていないようだ。

政府をまとめあげる代わりに、トランプは政府を機能不全と陰謀にみちた場にしている。

(2017年2月)

 
ロバート・ライシュ                 フリン補佐官
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オバマケアが廃止の危機(R.ライシュのブログ)

2017-02-13 16:52:49 | 政治経済
トランプ大統領と安倍首相の会談は予想外の展開でした。本当は何が話し合われ、合意されたのか、大きな不安も残ります。
時期を合わせて、北朝鮮がミサイルを発射し、この軍事情勢も心配です。

ロバート・ライシュはこれらのことについてはまだ発言していません。彼がどのようにコメントするのかきいてみたいものです。

ライシュはオバマケアについては、2月12日付けで投稿しています。

オバマケアは、オバマ政権が推進した米国の包括的な医療保険制度改革。国民に保険加入を義務付け、保険料の支払いが困難な中・低所得者には補助金を支給することにより、保険加入率を94パーセント程度まで高めるというものでした。

そのオバマケアが廃止の危機にあります。
日本の医療保険制度は、多くの課題を抱えつつも、しっかり機能していると思います。政治家・官僚任せにせず、健全な医療保険制度として維持するために、
国民ひとりひとりがよく理解して、支えていかねばならないと思います。

ライシュのブログを要約します。

Sunday, February 12, 2017
共和党がオバマケアを廃止したい本当の理由

オバマケアを「廃止し別の制度で置き換える」というトランプと共和党の公約に騙されてはいけない。
彼らはオバマケアを廃止することはできるだろう。しかし、別の制度で置き換えることはできないし、置き換えようともしないだろう。
彼らは多くの人をカバーする代替保険案を示そうと数年間検討してきた。しかし代替案は示されていない。

共和党は、なぜ、オバマケアを廃止し、数百万人を医療保険のない状態にしたいのだろうか?
それは、富裕層に対し納税面で巨大な棚ぼた利得があるからだ。
オバマケアの廃止により、1年間で、
上位1%の富裕層に対し平均3万3千ドル
上位0.1%の富裕層に対し19万7千ドル
の減税となる。

最上位400人の高額納税者(平均年収、3億ドル以上)は年間、平均7百万ドルの減税となる。

一方、トランプに投票したほぼすべての労働者階級を含む、年収1万ドルから7万5千ドルの家庭はオバマケア廃止により税負担が増加することになる。

共和党がオバマケアを廃止したら、われわれはどのような羽目になるのだろうか?
・3千2百万人が健康保険を失う
・必要な医療を受けられないので、数万人のアメリカ人が死ぬ
・老人医療制度は劣悪になる
・そして、金持ちははるかに金持ちになる
これは狂気の沙汰だ。われわれはこれに立ち向かわねばならない。
(2017年2月)

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