まちおもい帖2

日ごろ感じていることを書き記します。

青嵐中学校で2年生に避難所運営ゲーム(HUG)をしてきました

2017-10-30 17:23:13 | 日記

田無スマイル大学では、昨年度、行政への企画提案事業として、市内の中学校で避難所運営ゲーム(HUG)を実施することを申請し、9校のうち、2校が事業に載ってくれました。この2校につきましては、今年度も実施予定となり、10月14日(土)に青嵐中学校で2年生全員を対象に実施してきました。

市内の小中学校は、災害があった折の避難施設に指定されています。このため、各学校には、先生と地域の人とからなる「避難所運営協議会」が設置されており、この協議会が何かあった折の地域の避難の司令塔になる予定です。でも、実際には、学校の先生は数年で異動されことや、地元の役員も高齢化しているなどの理由から、熱心な地域とそれほどでもない地域があるなどバラバラです。こちらについては、実際に即して、避難所をどのように活用・運営するのか、具体的な訓練が必要に思います。

私の住んでいる地域では、向台小学校に避難することになっており、こちらは、それなりに熱心に取り組んではいますが、もちつき大会などで人を集め、それは炊出しなどの訓練にもなるのですが、もち欲しさに来ているだけの人もいるなど、なかなか訓練と結びつかずにいます。また、危機管理室の方や消防の方などが、避難所での簡易トイレやテントの設営、水の補給、放水訓練等々やって下さいますが、自分ごととして捉えきれない気がします。

田無スマイル大学が中学校で避難所運営ゲームを実施する意味は、中学生に避難所運営のプロになって欲しいというよりも、東北や熊本で起きていることは、TVで見る遠くの話ではなく、いつ自分たちの身にも降りかかるかもしれないこと、その時には、中学生も子どもだからと受け身になるだけでなく、出来ることをお手伝いすると良いこと、などなど、「当事者意識」を持ってもらうことに主眼を置いています。ですから、大きなタイトルは、「中学生の生きるチカラを育む」としています。

            

たまたま、分かりやすいので、避難所運営というテーマを取り上げているが、このゲームを通して、世の中には、いろいろな事情を抱えた人がいること(赤ちゃんだったり、足の不自由な人だったり、外国人だったりなどなど)を知り、そういう人たちに寄り添うこと、日頃から、そういうことに関心を持つきっかけになってもらえたらよいと思っています。また、1+1が2という明確な答えのない問い(しかも瞬時に判断しなければならないこと)にどのように対応するのか、世の中には、答えが一つではないことがたくさんあって、それにともかく対応していかなければならないことなどを知ってもらいたいと思ってのことです。

大人にやる時には、もっと時間を取るのですが、学校の時間割のなかで、それでも2時限分(90分)を頂戴して、説明→ゲーム→振り返りと情報共有をしています。生徒5~6人くらいを1チームにして実施します。カードは、250枚くらいあるのですが、中学生の折には、150枚くらいに絞っています。カードは、人に見立ててあり、それぞれの事情が書かれています(親を亡くした子ども、ペットをつれてきた、足が悪いなどなど)。それぞれの事情を勘案して、体育館や教室にその人たちの居場所を作ります。そのほかに、4分に1度、出来事が起こります。たとえば、「おにぎりが20個届いたので、配って下さい」、「着替えの部屋が欲しいと言っている人がいます」といったことが10くらい起こります。これにも対応する必要があります。

今年実施した限りでは、生徒さんは、自分たちなりに、多様な人々の事情を勘案しながら、いろいろと考えてくれた様子が良く分かります。一方で、10回ある「出来事」にも対応しなければならず、おにぎりの配り方などにどのように公平にするか悩んだりしていました。

 

ゲーム終了後、大人の場合には、全部のテーブルを周りあって、自分たちと違う配置の仕方(考え方、解決方法)を知ることで、さまざまな気づきを得ることができるのですが、中学生の場合、時間の関係で、隣のチームのみ比べ合うという方法になります。このため、他との違いから気づく部分が少ないといえます。そこを、本来、情報共有の折に、発表し合うと良いのですが、今回は、ファシリテーターである私が力不足で、多様な意見を述べてもらうことができませんでした。でも、振り返りシートを見ると、いろいろな気付きを得ていたようです。これを、このままにせずに、皆ともっと共有できる時間にしたかったと反省しています。

でも、このゲームを実施したことを通して、彼ら彼女らがいろいろな刺激を得て、これからの生活に活かしてくれると嬉しいと思っています。来年初めに柳沢中学校での実施が決まっているので、もうひと工夫したいと思います。


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