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『ブラック・スワン』 アプローズ!アプローズ!

2011年05月14日 | ドキドキした映画

原題:BLACK SWAN    (R15+)
2010年・アメリカ(108分)
               
製作:マイク・メダヴォイ、アーノルド・W・メッサー、
   ブライアン・オリヴァー、スコット・フランクリン
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:マーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・マクラフリン
音楽:クリント・マンセル
出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー
   ウィノナ・ライダー、バンジャマン・ミルピエ ほか


鑑賞日:2011年5月13日 (川崎)

鑑賞前の期待度:★★★★


この興奮を、この衝撃を、どう表現すればいいのだろう?

『ブラック・スワン』を観終わって2時間が過ぎようとしていますが、
このブログを書きつつも、
今だに“白鳥の湖”の演奏が頭の中で流れ、興奮が納まりません。

期待以上に凄い作品でした。

正直に言えば、
“白鳥の湖”を、こんなにも衝撃的に観ることになるとは思いも寄らず、
クライマックスでは、劇中の観客と一緒になって拍手を贈っていました。

まさか、ここまで圧倒されるとは・・・。

いや~、今はまだ冷静にこの作品を語るのは難しいなぁ~。

手法や描き方、題材の違いやテイストの違い、
趣はまったく違っていても、
昨年観た『オーケストラ!』も、本作『ブラック・スワン』も、
“舞台芸術の奇跡の瞬間”を描いて見せたという点においては、
等しい作品。
どちらも、その瞬間、スクリーンに向かって拍手を贈らずにはいられませんでした。


あ~、なんだか、もう、衝撃が強くて、
今回の感想は、いつも以上にとっ散らかってしまってます。
ご容赦の程を。

 

とにかく、
ニナ役を演じきったナタリー・ポートマンに、アプローズ!
『レオン』でデビューして以来の集大成とも言える本作の演技は、圧巻!
ファンならずとも圧倒されることは必至。
新プリマに選ばれ、
精神的に追い込まれていく主人公を演じたあらゆるシーン
90%以上を自身で踊り通したバレエ・シーンの裏側では、
どれほどのエネルギーが注ぎ込まれたことだろうか。
そもそも、実年齢28歳でバレエ・レッスンを受け、
あれほどの完成度に高めるためには、どれほどの時間と努力が必要だったことだろう。
想像を超える厳しさを体験したであろうことは、容易に察しがつく。
また、主人公の精神面は、
ハーバード大学でナタリー自身が学んだ心理学に裏づけられていて、
アカデミー賞ほか各主演女優賞の受賞は当然ともいえる、
説得力ある演技でした。

この際、あえて断言しておきます。
「この作品を観ずして、ナタリー・ポートマンを語るなかれ!」と。


競演のミラ・クニスも良かった。
『ザ・ウォーカー』('10)で、実年齢より若い少女役を魅力的に演じたミラでしたが、
本作では、
自由で奔放な性格のダンサー、リリー役を好演。
主人公ニナが精神的に追い込まれていく様に説得力を持たせる意味でも、
対照的なリリー役はとても重要でした。
見方によっては、彼女の役柄に惹かれる人もいるかもしれません。
ミラ・クニスもまた、役作りのための減量はもちろん、
肋骨の怪我に苦しんだナタリー同様、
靭帯2本断絶、肩を脱臼するなど、
肉体的に過酷な特訓を経て、リリーを演じたそうで、
その女優魂にもアプローズ!


音楽は当然、チャイコフスキーの<白鳥の湖>・・・、
ですが、音楽担当のクリント・マンセルは、
この有名な「主題」に多彩なアレンジを施し、心理表現をしているのだとか。
もちろん、スコアも読めないぼくに、それを聞き分ける能力はありません。
それでも、主人公が正気と狂気の狭間で舞い、
一線を越えることでしか到達できない“完璧”なる瞬間に至ったとき、
「主題」が、
これ以上はないというほど、圧倒的な迫力で胸に響いてきました。

この映画は絶対に、
音響の良い劇場の、一番良い席で鑑賞するのがベスト。
きっと、アプローズせずにいられなくなります。

アカデミー主演女優賞を獲得したことで注目度が高まった本作でしたが、
鑑賞後に感じたのは、「とんでもない作品だ!」ということ。
アロノフスキー監督にアプローズ!
本当に驚かされました。

全体的には、
ニューヨーク・シティ・バレエ団の新しい演目「白鳥の湖」の舞台内幕を、
手持ちカメラで被写体に迫るドキュメンタリー・タッチで描きながら、
次第に追い詰められていく新プリマの精神面をホラー・タッチで描き出す。
結果的に、主人公が覗き込む深淵に、
観客もまた否応なく囚われていくというダーク色の強い作品。

鏡に写っているのは誰なのか?
それは現実なのか、夢なのか?
まだ正気なのか、もはや狂気なのか?

この映画は、一筋縄ではいかない!

アロノフスキー監督は、
前作『レスラー』と『ブラック・スワン』を意図的に姉妹編としたようで、
「言われてみれば、なるほど。」と、
それも理解できました。

今後も要チェックの監督となりそうです。


ナタリー・Pの集大成度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ミラ・クニスの魅力:★★★★★★★★★★★
衝撃度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
感動度:★★★★★★★★★★★★★★★★★
興奮度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

鑑賞後の総合評価: 

                            

余談です。
忘れられないのは、
ナタリーが結婚と妊娠を公表した後に行なわれた、
ゴールデングローブ賞・主演女優賞を受賞した際の挨拶。

「シーンの中で、トマ(ヴァンサン・カッセル)から、
 “彼女と寝たいか?”って訊かれ、
 デヴィッド(ベンジャミン・ミルピエ)は否定したけど、
 彼って演技が上手なの。
 だって、本当はわたしに夢中だったんだもの!

と、夫のベンジャミンを紹介。会場は拍手に包まれました。
挨拶しながらも喜びに満ち溢れたナタリーの笑顔が印象的でした。


やはり、とっ散らかった感想に終始してしまいました・・・すみません。

 

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2 コメント

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Unknown (けん)
2011-05-15 02:40:01
TBさせていただきました。
またよろしくです
こちらこそ。 (コナ)
2011-05-16 22:44:48
>けんさん

こちらこそ、TBありがとうございました。
またよろしくお願いします。

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