競馬マニアの1人ケイバ談義

がんばれ、ドレッドノータス!

女神「女神の一番長い日」4改定版

2017年06月27日 | 女神
 しばらくしてドアがノックされ、
「上溝です」
 との声が。
「入れ」
 ドアが開き、通信員をやってた女性隊員が入ってきました。
「失礼します」
「よし、全員揃ったな」
 ここで女性隊員が何かに気づいたようです。周りを見渡して、
「あの~ 橋本さんは?」
「辞めた」
「ええ?」
「諸般の事情てやつだ」
 女性隊員はちょっと納得してないようです。
「さて、新規隊員の紹介だ」
 隊長は宇宙人を見て、
「名前は・・・ あ、まだ名前も訊いてなかったなあ。じゃ、こっちから先にやるか」
 隊長はさっき喰ってかかった隊員を見て、
「まずはお前から」
「え?・・・」
「名前だよ」
 隊員はちょっと嫌な顔を見せてから、ぶっきら棒に発言しました。
「倉見だ」
 隊長は次はストーク号を操縦してた隊員を見て、
「次はお前」
「はい、自分は寒川です。よろしく」
 そう言い終わると、寒川隊員は手を差し出しました。が、宇宙人は反応しません。頭の上に?を浮かべてます。
「あ、これは地球特有の儀式で、握手ていうやつです。お互いの手を握りあって、心を通じ合うんですよ」
「わかりました」
 宇宙人は寒川隊員隊員と握手しました。隊長は次に女性隊員を見ました。
「次はお前だ」
「え~と・・・ 上溝です。よろしく」
 ちょっと前に身柄を確保した宇宙人が新規隊員。上溝隊員は何が起きてるのかイマイチ理解できないようですが、とりあえず彼女も宇宙人と握手しました。
「最後はオレだな。オレは香川だ。よろしくな」
 隊長も手を差し出しました。宇宙人は無言ですが、とりあえず握手しました。
「ほんとうはもう1人海老名て隊員がいるんだが、何分まだ中学生でなあ。この時間まだ学校に行ってるんだ。あ、中学生てわかるかな?」
「なんとなくわかります」
「ふふ、そうか。じゃ、今度は君のことを訊こうか。まずは名前を教えてくれないか」
「私の名前は・・・ 女神です」
「ええ?」
 これにはテレストリアルガードの4人が驚きました。
「またずいぶん仰々しい名前だなあ」
「私の星では数万人に1人の割合で超常的な力を発揮するものが生まれます。その中でも特に強い力を発揮するものを神、女は女神と呼ばれます。私は生まれたときから強い力を顕在してたせいか、かなり幼いときから女神と呼ばれてました」
 隊長はちょっと笑って、
「ふふ、なるほどね」
 上溝隊員の質問です。
「なんでこの星に来たの?」
「私の星にも凶悪な宇宙人が攻めてきたんです。それで逃げてきました。
 実は予知能力がある神が、私の星が戦火に見舞われると事前に予知していたのです。いろいろと分析した結果、凶悪な宇宙人が侵略に来ると断定されました。かなり科学技術が進んだ宇宙人のようで、私たちの星は到底太刀打ちできないと判断されたのです。そこで私たちの星は、脱出用の宇宙船をたくさん造りました。でも、乗員できた避難民は、私の星の1%にも満たない人口でした。残った人は武器を取って戦うことにしました。
 そして侵略Xデーの10日前、宇宙船はいろんな方向に向かって旅立ちました」
「実際侵略はあったんですか?」
 これは寒川隊員の質問です。
「ええ、予言通り10日後に集中攻撃を喰らったようです。せっかく脱出できた宇宙船も、かなりの数が撃ち落とされたようです」
「君の星も大変だったんだな・・・」
 今度は隊長の発言です。
「せっかく生き残った宇宙船も、我々が撃ち落としてしまったか・・・。
 これからどうする? 私は私たちの仕事を手伝って欲しいと思ってる。でも、私たちはあなたの数千もの同胞を殺してしまった。とても仲間になれとは言える状態じゃないのも確かだ」
 宇宙人はちょっと下を向いて考えました。そして・・・
「わかりました。私をこのチームに入れてください」
 隊長、寒川隊員、上溝隊員の顔はぱっと明るくなりました。でも、倉見隊員はあまりいい顔をしてないようです。ともかく宇宙からやってきた女神がテレストリアルガードの隊員になったことは確かなようです。
「ところで、このヘルメット脱げる部屋はありませんか?」
「あは、研究室の中に無菌室があったな」
 と言うと、隊長は上溝隊員を見ました。
「おい、連れてってやれ」
「はい」

 上溝隊員と女神が廊下に出ました。2人は歩きながら会話です。
「よかった。あなたが隊員になってくれて。実はテレストリアルガードには元々20人以上の隊員がいたんだけど、次々と辞めちゃってね、今は6人しかいないんだ」
「え?」
「橋本さんも辞めちゃったけど、あなたが入ってきたから、また6人かな?」
「何があったんですか?」
「隊長が次々と死んじゃってね。今の香川さんで4人目なんだ」
「戦死ですか?」
 上溝隊員は首を横に振りました。
「病死。正確に言えば、3人とも心臓麻痺よ」
「心臓麻痺? 3人も?」
「しかも3人とも、なんの前触れもなく突然錯乱状態に陥って、そのまま死んじゃった。そのせいでテレストリアルガードは呪われたチームというレッテルを貼られちゃってね、たくさんの人が辞めちゃったんだ。でも、今の隊長になって不幸は止まったみたい」
 女神は何か話を続けようと思いましたが、特にセリフが思い浮かばないようです。
 2人が1つのドアの前に立ちました。そこで上溝隊員はラミネートされた紙を女神に渡しました。それにはイラストがたくさん描かれてました。
「これが無菌室とエアシャワー室の使い方よ。あ、日本語だから、わからないかな?」
「大丈夫ですよ。イラストをみれば、だいたいわかりますよ。それじゃ」
 女神はエアシャワー室に入りました。上溝隊員は彼女を微笑んで見送りました。

 強い紫外線を浴び、上下左右からの強烈なエアシャワーを浴び、女神が無菌室に入ってきました。この部屋には医療用のベッドしかありません。四面のうち、1つの面には大きなガラスがはめ込んであり、向こうからこの部屋をのぞけるようになってます。その反対側には観音開きのドアがあります。ドアの向こうにはたくさんの機材があるようです。
 女神はドカッとベッドに腰かけました。そして首筋のボタンを押し、両手で挟むようにヘルメットに手をかけました。そのままヘルメットを上げると、彼女の顔があらわになりました。巨大な一つ眼、鼻はなく、大きな口。地球人からみたら不気味で気持ちが悪い顔です。でも、それ以外は標準的な地球人。髪はかなり長かったのですが、ヘロン号に散切りにされてしまったせいか、今はショートになってました。身長は170cmと、日本人の標準的な女性と比べたら、ちょっと高いようです。身体はかなりスレンダーで、胸はそれほど膨らんでません。
 女神は下を向いてため息をつきました。5千もの同胞を殺され、自分も殺される寸前まで追い込まれたというのに、今はそいつらに恭順している。絶対許せない相手だけど、今は他に頼れるものがない。もしあのまま警察に連れていかれたら、かなりひどい目に遭わされていたかもしれないし、今はここに甘んじるしかないのか・・・
 でも、あの橋本て男がテレストリアルガードを辞めてなかったら、きっと別の手段を選んでたと思う。あの男は明らかに私に敵意があった。いや、まだ倉見て男がいたなあ。あの男は隙を見て攻撃してくるかも。ここも安住の地とはなりえないのかも・・・
 女神は再びため息をつきました。

 ここはサブオペレーションルームです。今自動ドアが開いて、身長140cm未満の隊員服を着たおかっぱ頭の女の子が入ってきました。彼女が海老名隊員です。
「ただいま帰りました」
 隊長はテレビモニターでアニメを見てましたが、海老名隊員を見て柔和な顔を見せました。
「お帰り」
 海老名隊員はイスに座るなり、
「宇宙人、来ましたか?」
「ああ、来たよ」
 海老名隊員は興味が湧いたようです。
「どんな宇宙人ですか?」
 隊長は左手の親指と人差し指で○を造り、それを自分の眉間に置いて、
「眼が一つ」
「ええ?」
「巨大化するし、光線技は使えるし」
「うわっ、すっごーい!」
「ほんとうにすごい人材をゲットしたかもしれないな。ふふっ、さっそく試してみるかな」
 隊長は立ち上がると、コンピューターの前に座りました。海老名隊員もその横に座りました。隊長はキーボードをタンタンタンと指で叩きました。
「シークレットコードを入れてと・・・」
 隊長はコンピューターとコードでつながった小さな機械を海老名隊員の前に置きました。
「指紋頼む」
 どうやら指紋認証システムのようです。
「はい」
 海老名隊員はその機械に自分の左手薬指の腹を置きました。するとピッと音がし、コンピューターのモニターに表が現れました。
「さーて、どれにするか」
 海老名隊員はディスプレイの一点を指さして、
「これがいいんじゃないですか?」
「OK」
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小説
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