古森病院@福岡市博多区

ベイサイドプレイスの近所にある博多区対馬小路の長期滞在型病院です。病院の紹介や医療情報の発信を目的としています。

ストレスチェック制度

2017-06-14 08:49:24 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

今回は 2015年12月に厚労省の政策でいきなり導入された
ストレスチェック制度についてお話します。

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ストレスチェック制度(ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/


ストレスチェック制度 (上記ホームページより)
平成27年12月より施行のストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況に
ついて検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、
個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、
職場環境の改善につなげる取組です。

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管理人は産業医でもあり、2016年3月まで実際に産業医活動をしておりました。
過去に産業医をしていた企業で驚いたことは
精神疾患で休職になった対象者のほとんどが 
もともと精神疾患(発達障害を含む)を患っており、
それに付随して 職務が十分果たせず、(職務が果たせないことで
二次的に周囲との軋轢が産まれることもあります)
症状をこじらせて 休職に至っているということでした。

本人の資質に関係のない、職場起因の過重労働、パワハラ、セクハラなどのハラスメントによる
精神不調による休職を防ぐということが ストレスチェックの最大の目的と思われますが
そのような理由での休職者はまったくおられないわけではありませんが、少数派であるようで
管理人が産業医の講習会などでどの講師に聞いても、「もともと精神疾患を持っていた人の
精神不調による休職の占める割合の方が確かに多い」というご意見を多々戴きます。
職場起因の過重労働、パワハラ、セクハラなどをうけた方々は 休職ではなく
退職(あるいは労働訴訟)や自殺の転帰を辿られている可能性もあり
個人的な経験だけで物は言えないのですが、、、。

このことに関しては
精神疾患による休職者に どれくらいの割合で精神基礎疾患があるのか
調査すれば、正確なところが出ると思うのですが、なぜか調査は行われていないようで、
論文を検索しても出てきません。

管理人を含め、現場で産業医をしている医師はストレスチェックに懐疑的な意見が多いです。
前述したように、精神疾患による休職は企業起因性でない私傷病によるケースが少なくないという実感があるのに 
対象企業にストレスチェック制度を整える体制を義務付け、
高ストレス者には 本人が希望すれば産業医面談という流れになっています。
一方で、ストレスチェックはもともと精神疾患を抱えている
職員(こういう職員は企業側に自分の病気について告知していないケースも多いです)の
あぶり出しにつながることから、強制とはなっていません。
しかし趣旨を十分に理解していない企業、仕事を獲得するべく社会保険労務士その他職場の解析を行う
業界の人たちにあおられて(実施義務対象企業には 職員に対し半強制的に有無を言わさず
テストを行っているところが多いようです。当院は職員の希望制としています。)、現行のストレスチェック制度は
本来趣旨(二次予防 すなわち職場起因による精神不調の早期発見)と別の方向に走っていっている
印象がぬぐえません。

企業によるでしょうが、ハラスメントによる精神不調であれば 産業医面談より、
本人が企業の相談窓口に相談するか、さっさと精神科を受診して精神科医の診断書を会社に提出するか、
労働基準監督署あるいは弁護士事務所に駆け込んだ方が 解決が早く効果が高い可能性がありますし
過重労働については 企業側に少子化の中 効率化のための設備投資を行うか 
雇用を増やさないといけないという経営的な難問が突き付けられるものの、
そうしない限り解決しないので
産業医に面談させとけばいいという発想は 根本的に間違っているように思います。

このあたりが ストレスチェック制度について 
管理人がもやもやする理由であると 産業医の一員として考えておりますが、
制度が始まったばかりですので 模様眺めということで 記事を終了いたします。

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