こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

ルイス・フロイス「日欧文化比較」

2008年06月06日 | つれづれ
イエズス会宣教師ルイス・フロイスの記録著書
「日欧文化比較」には、とても興味深い記述が
数多く見られます。
安土桃山時代から江戸時代にかけての、
日本の社会・生活習慣。
フロイスの観たそのまんまが、書き綴られています。
たとえば、
「ヨーロッパの女性は美しい整った眉を重んじる。日本の女性は、一本の毛も残さないように、全部毛抜きで抜いてしまう。」

これは、眉ずみでもってまゆを描く平安時代からの風俗習慣が、
この時代にも残っていた証だそうで、
しかし、これは今の時代でも全く同じ風俗が残ってるってことですわね。
早朝にゴミを出している女性にご挨拶をするとき、
時としてゾワッとすることがあります。
・・・うん、確かに同じ風俗です。
でも、昭和40年代50年代は、太めで濃いめで長めの眉が流行だったような
そんな気がしてるのですが、いかがでしょうか?

フロイスはこんなことも書き留めています。
「ヨーロッパでは夫が前、妻が後になって歩く。日本では、夫が後ろ、妻が前を歩く。」

これなんか以外ですよね。
男尊女卑甚だしき時代かと思いきや、
当時の日本では常に「レディーファースト」。
三歩さがって、夫(師)の影を踏まず・・・みたいな社会を
イメージしていましたけれど、
もしかすると、
今以上に女性の方が闊達自在な生き方をしていたのかも知れませんね。


資生堂 素肌有情


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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そうなんですよね (まつを)
2008-06-07 06:35:38
フロイスの日本史は凄く刺激的なことが書かれてるんですよね。
全般的に日本人はすばらしい
的な日本人観なんですけれど
女性の描写になると「えっ!」と思うことがしばしば。
たしか、西洋に比べて
日本の女性はフリーセックス的でいかんとか
日本女性の再婚率が高くていかん(ということは男性も再婚率が高いって事ですが)
と言う様なことも書かれていたんじゃなかったかなあ。
いかに私たちの歴史上の人間観が
時代劇で刷り込まれたパターナリズムに陥っているかわかりますよね。
でもね高校時代の古典で読んでいた
源氏物語や宇治拾遺物語みたいなもの思い出しても
日本人の男女間ってなんといいますか
ゆるゆるなんですよね。
ちっとも儒教的じゃない。
おおらかといいますかね。
おおらかですね (石田光洋)
2008-06-07 07:45:46
ありがとうございます。
フロイスの覚え書きに、
「坊主とその風習に関して」という章がありますけど、正直、ほんとかよ、ってにわかに信じがたい記録です。こりゃ偏った被写体に違いないと。仏教も儒教もみじんも薫ってこない。この章だけはあまりよんで欲しくないって、心底思います。(笑
 そう考えると、当時の宗教的儒教的指導は、大衆レベルまで浸透していなかったんだ、と思わざるをえませんかね。もっとも、現代にいたっては尚更のことか。

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