子供の頃から身近に存在していた「とうきび」。
全国的には「とうもろこし」といいますね。
夏休みも終わり頃になると、
その辺の畑のあちこちでで実が大きくなっているので
農家の人にお願いして、分けてもらったりしていましたが
どうも「はてな?」と気になることがあって・・・。
私はずっと長いこと、↑コレが「とうきびの花」だと思っていました。
なのに「とうきびの実」は↑こんな下の方になります。
花の位置と、とうきびの実についている位置が
どう考えてもずれているのです。
で、疑問はそのままにして月日がたち・・・。
ここ札幌に来てからは裏にとうきび畑もあることだし
何十年越しの疑問を解き明かすチャンスなので
ちょっと観察をね、してみました。
春、4月下旬から5月中頃までの間にまかれた種は
発芽し、成長して畑は一面緑になります。
やがて、一番上の葉の中からこんなものが伸びてきます。
やや!これは「とうきびの蕾」でしょうか?
成長すると、↑こうなります。
アップで見るとこんな感じ。花は花でもこれは「雄花」でした。
いっぱい下がっているのは花粉の袋。
とうきびは「雌雄同株(しゆうどうしゅ)」
つまり、ひとつの株の中で雄花と雌花が別々に咲く植物なのだそうです。
「あけび」や「かぼちゃ」なんかもこの雌雄同種の植物らしいです。
えっ、かぼちゃってそうだったのかぁ。。。
ちょっとお米の花に似ています。
お米の花の写真はこちら
一方、雌花は雄花より少し遅れて出てきます。
やがて成長して・・・。
↑こうなります。このもじゃもじゃが「とうきびの雌花」です。
このひげはめしべの先端。
一本一本がそれぞれ受粉して、とうきびの黄色いつぶつぶになります。
とうきびは風で受粉します。
そろったとうきびを作るためには、受粉の確立を高めるため
たくさんまとめて育てる必要があるそうです。
そういえば、とうきびは必ずまとめてにぎやかに植えてあります。
どの畑でもそうでした。
いろんな種類を近くに植えてしまうと
違う品種のとうきびになってしまうので、
ひとつの畑にはひとつの種類のとうきびだけを植えるのですよ。
受粉も成功し、やがてとうきびの実はふっくらとしてきます。
めしべだった「ひげ」が上から3番目の写真のように茶色くなって
さきっぽまで身が入ってきたら収穫時です。
だいたい、タネを蒔いてから90日くらいで収穫できます。
・・・・・・・<おわり>・・・・・・・