コメちゃんの悪性リンパ腫闘病日記

悪性リンパ腫になってからの生活の様子と病気についての考え方を書いていきます。

体の「鉄」についての考察

2016-10-23 11:21:23 | 日記
体の健康について色々と調べる内に
鉄の重要性を訴える方の説に興味が湧いたので
まずは鉄について調べてみた。
栄養学的には、鉄は人(生体)にとって必須の元素で
鉄分を欠くと、血液中の赤血球数やヘモグロビン量が低下し、貧血などを引き起こす。
生体内の必須微量元素のなかで最も多く
成人では生体内に約3~6g存在する。
割合は赤血球のヘモグロビンのヘム鉄に66~75%
脾臓や肝臓の貯蔵鉄に20~25%
筋肉のミオグロビンのヘム鉄に3~5%
血清鉄(トランスフェリン)は微量(3~4mg)となっている。
また酵素(チトクロムC,カタラーゼが代表的)にも存在し
腸管上皮細胞にも貯蔵されている。
体内の鉄の動態を考えてみると
食品から摂取された鉄は十二指腸から空腸上部において吸収され
ヘム鉄はそのままの形で特異的な担体によって腸管上皮に吸収され
細胞内で2価鉄イオン(Fe2+)とポルフィリンに分解される。
非ヘム鉄は3価鉄イオン(Fe3+)の形態ではほとんど吸収されない。
Fe2+が、2価金属輸送担体1(divalentmetal transporter 1)と結合して吸収されるので
この吸収は2価金属の亜鉛、銅と競合する。
腸管上皮細胞内に吸収されたFe2+は
細胞から血漿へFe2+を放出する鉄排出輸送体のフェロポルチンによって門脈側に移出され
腸管上皮細胞基底膜に存在する鉄酸化酵素によってFe3+に酸化される。
体が過剰と判断した鉄(Fe3+)は腸管上皮細胞内にフェリチンとして貯蔵される。
血液側に移行した鉄は
1分子の血漿トランスフェリンに2原子結合し
トランスフェリン結合鉄(血清鉄)として全身に運ばれる。
多くの血清鉄は
骨髄において赤芽球にトランスフェリンレセプターを介して取り込まれ
赤血球の産生(ヘモグロビン)に利用される。
120 日の寿命を終えた赤血球は
脾臓と肝臓の網内系のマクロファージにより捕食され分解されるが
この際に放出された鉄はマクロファージの中に留まり(フェリチン、ヘモシデリンとして貯蔵される)
体が鉄が必要な時に血中に放出され、トランスフェリンと結合し、
トランスフェリン結合鉄(血清鉄)として全身に運ばれ
再度ヘモグロビン合成に利用される。
ちょっと長くなってしまったが、これが体の鉄に関しての基礎知識である。
鉄は体にとって必要な必須の元素だが
基本的に、生体にとって鉄は有害物質である。
3価鉄イオンはフリーラジカルの産生を促進(Fenton反応)して細胞を傷害する。
どんなに体に必要な物質でも、やはり「過ぎたるは猶及ばざるが如し」が当てはまる。
次回は、その辺りの事を考察したい。


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