糸乃こまりの川柳

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双子の姉と妹

2016-01-14 17:56:22 | 創作入門 失語症になった妹

〇高層病院・非常階段

   副島が先に階段を上がっていく。

   ゆかりも必死についていく。

副島「きりこさんが会ってほしい先生がいらっしゃるんです」

ゆかり「待って」

副島「なんです」

ゆかり「私はゆかり。きりこの代わりなんて出来ないわ」

副島「今さら何ですか。きりこさんは見舞いに来た。

暗くてもサングラスは外せない。背中も丸まってる。

悲しいからだ。そうでしょう。なぜなら姉が倒れたからです」

ゆかり「失礼だわ、勝手だわ」

   ゆかりは振り向いて階段を下り始める。

   慌てて追いかけてくる副島。

副島「でもたった一人の妹さんですよ」

   と立ち止まり,ため息交じりにいう。

ゆかりり「でも無理よ。私には出来ません」

   そういってさらに階段を下りて行く。

   ゆかりの背中に向かって、

副島「ゆかりさんがきりこさんになってくれる。

ご主人もそういってました。でも無理ですよね。

もう充分です。ありがとうございました」

ゆかり「主人も?」

   振り向くと、階段を駆け上がっていく 

   副島の背中が小さくなっていく。

ゆかり「副島さん」

副島の声「もういいんです」

   そして階段の閉まる大きな音が聞こえ

   る。   

 

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双子の一人が失語症になる

2015-09-14 19:07:02 | 創作入門 失語症になった妹

〇北見家・マンション・エレベーター

   ゆかり以外に二人の女性が乗っている。

   エレベーターの壁を見つめているゆか

   り。

   二人の女性はゆかりをじっと見たり、

   二人で見つめ合ったりしている。

 

〇北見家・マンション・玄関(夕)

   ゆかりが外に出てくると、止まってい

   たタクシーのドアが開いた。

   乗り込むゆかり。

   エレベーターに乗っていた二人の女性

   がそれを見送った。

 

〇高層病院・玄関(夕)

   病院の構内に入ったタクシーが速度を

   落とすと、追いかけてくる男がいた。

   副島だった。

   彼はタクシーを追い越して、無理やり  

   止めた。

   そしてタクシーのドアを開けようとす

   る。

副島「きりこさん、彼女意識が戻らないんで

す」

   副島はドアから運転手に一万円を手渡

   す。

ゆかり「副島……さん」

副島「マネージャーにさん付けしないでくだ

さいよ。きりこさん。いつもお願いしてるのに」

ゆかり「あ」

運転手「ちょっと、お客さん、細かいのないの。千円もいってないのに、一万はないっし

ょ」

ゆかり「すいません」

運転手「そりゃあさ、あなたを乗せたから、まけてやりたいけどさ」

   副島はゆかりを車から降ろし、運転手

   に自分の名刺を手渡した。

   タクシーは去り、二人は並んで歩き始

   めた。

   

〇高層病院・廊下(夕)

   病院内に入ったゆかりは、すぐにサン

   グラスを外そうとするが、副島に止め

   られる。

副島「仙道きりこが病院に見舞いに来た」

ゆかり「……」

副島「少し背中が丸いな、いつものきりこさんじゃないみたいだ」

ゆかり「だって私は」

副島「あなたの知らない人がみんなあなたを知っている。運転手だって、バックミラーでずっと見てたんですよ。わかったでしょう」

   そして、副島は廊下の非常口のドアを   

   開けた。

   

   

 

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アナウンサーが失語症になったら?

2015-08-06 10:53:37 | 創作入門 失語症になった妹

〇北見家のマンション・廊下

   エレベーターに向かっているゆかり。

   携帯が鳴った。

副島の声「副島です。ご主人に番号、聞きま

した」

ゆかり「妹は、どうなんですか」

副島の声「それより」

ゆかり「えっ?」

副島の声「手術しても失語症だったら、何も

言えなくなるかもしれない」

ゆかり「失語症と言われても、私にはよくわかりません」

副島の声「ほんの少しの間でいいんです。き

りこさんになってください」

ゆかり「そんなの」

副島の声「有名人が病気になると大喜びする

人間はいるんですよ」

   副島が電話の向こうで泣いている。

ゆかり「でもアナウンサーだったら自分の病

気を自分で伝えたい。それが仕事だもの」

副島の声「そうなんです、そうなんですよ」

   エレベーターの階を押すゆかり。

   近づいたエレベーターが「ピンポーン

   」なる。

副島の声「何の音ですか」

ゆかり「エレベーターが近づくと鳴るの」

副島の声「じゃあ、誰か乗ってるかもしれませんね。電話切ります。今からはじめて欲しいんです」

ゆかり「何を?」

副島の声「今からきりこさんということで」

   一方的に電話が切れた。

   エレベーターのドアが開いた。

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妹が倒れた

2015-07-26 11:04:13 | 創作入門 失語症になった妹

○北見家・洗面所
   ゆかりがめぐみの髪を梳いている。
   二人に近付いたり離れたりして、キス

   という犬が走り回っている。
   眼鏡をかけたゆかりはめぐみの髪をド

   ライヤーで乾かし始めた。
   自分の汗をぬぐうゆかり。
   キスが吠えだした。
   電話が鳴っているのに気づくゆかり。

○同・リビング
   スーツの上着だけを脱いだ和朗はソフ

  ァーに座って夕刊を詠んでいた。
   ゆかりは小走りで電話に近付いた。
ゆかり「北見です」
   電話の向こうも何か言ったが、ゆかり

  は聞き取れない。
   しばらくたって電話は切れた。
   和朗が始めて顔を上げる。 
   ゆかりが首を傾げたので和朗は意味が

  わかったようで、また夕刊を読み始め

  る。
   ゆかりも出て行く。

○同・洗面所
   ゆかりが戻るとめぐみが拗ねているよ

  うに髪をいじっている。
ゆかり「もう少し早くわかっていたらパパとお風呂に入れたのにね」
めぐみ「パパいつも遅いもん」
   もう一度ドライヤーを手にして、
ゆかり「でも我慢して。めぐみは我慢するの上手でしょう?」
めぐみ「ママも上手?」
ゆかり「多分! ママが我慢したときは褒めてね」
めぐみ「うん、わかった」 

ゆかり「うんじゃなくて、ハイでしょう?」
   舌を出すめぐみ。
   めぐみを抱きしめるゆかり。
   ふと鏡を見るとわずかに開いているド

  アの向こうから和朗が近付いてくる。
和朗「すぐ病院に行った方がいい」
ゆかり「えっ!」
和朗「妹さん、きりこさんが倒れた。脳動静脈不全」
ゆかり「脳動静脈不全」

   呆然と和朗の言葉をただ何度も繰り

      返すゆかり。

        

〇北見家・寝室

   寝室のドレッサーを大きく開いて

和郎「化粧、濃くしろよ。ちょっと派手な洋服とサングラス。妹さんがくれたんだろ?

それがいい」

ゆかり「病院に行くのに?」

和郎「タクシーも呼んでやる」

ゆかり「和さん、ありがとう」

和郎「いいさいいさ、めぐみを寝かせておくよ」

   すぐに寝室を出て行った和郎。

 

〇ゆかりの声

   「仙道きりこ」ではなく、「北見ゆか        

   り」がアナウンサーになる。

   双子の妹の代わりにと私を変えた二人

   目の男は以外に私の夫だった。

   もちろん、私はまだ何も気が付いてい

   なかったけれど。

 

〇北見家・マンション・廊下

   いつもより派手なゆかりを和郎が玄関

   まで見送った。

   低くないパンプスだから、ゆかりは緊

   張して歩く。

   廊下の半分まで進んだところで、ゆか

   りの携帯が鳴った。

 

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ゆかりときりこ

2015-05-30 16:56:01 | 創作入門 失語症になった妹
○ゆかりの声
   「すべての始まりは何ヶ月か前のこと。もちろん私は知っている。でも妹は知らない。知らないのではなく、理解力を失ってしまったのだ。{あの日}は当たり前のように一本の電話で始まった」

○北見家・洗面所
   ゆかりがめぐみの髪を梳いている。
   二人に近付いたり離れたりして、キスという犬が走り回っている。
   眼鏡をかけたゆかりはめぐみの髪をドライヤーで乾かし始めた。
   自分の汗をぬぐうゆかり。
   キスが吠えだした。
   電話が鳴っているのに気づくゆかり。

○同・リビング
   スーツの上着だけを脱いだ和朗はソファーに座って夕刊を詠んでいた。
   ゆかりは小走りで電話に近付いた。
ゆかり「北見です」
   電話の向こうも何か言ったが、ゆかりは聞き取れない。
   しばらくたって電話は切れた。
   和朗が始めて顔を上げる。 
   ゆかりが首を傾げたので和朗は意味がわかったようで、また夕刊を読み始める。
   ゆかりも出て行く。

○同・洗面所
   ゆかりが戻るとめぐみが拗ねているように髪をいじっている。
ゆかり「もう少し早くわかっていたらパパとお風呂に入れたのにね」
めぐみ「パパいつも遅いもん」
   もう一度ドライヤーを手にして、
ゆかり「でも我慢して。めぐみは我慢するの上手でしょう?」
めぐみ「ママも上手?」
ゆかり「多分! ママが我慢したときは褒めてね」
めぐみ「うん、わかった」 ゆかり「うんじゃなくて、ハイでしょう?」
   舌を出すめぐみ。
   めぐみを抱きしめるゆかり。
   ふと鏡を見るとわずかに開いているドアの向こうから和朗が近付いてくる。
和朗「すぐ病院に行った方がいい」
ゆかり「えっ!」
和朗「妹さん、きりこさんが倒れた。脳動静脈不全」
ゆかり「脳動静脈不全」      呆然と和朗の言葉をただ何度も繰り返すゆかり。
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東京タワー

2015-02-25 17:23:42 | 創作入門 失語症になった妹
○東京・上空(夜)

○首都高(夜)
   一台の車が走っている。

○車内(夜)
   ゆかりが後部座席に座っている。
   窓の外を見ている。
   車が走るとやがて東京タワーが現れる。
   今度はゆかりはバックミラーに目を移す。
   運転している副島もチラチラとバックミラーを見ている。
副島「完璧ですね」
   バックミラーの中の副島が笑っている。
   ゆかりも小声で答えたが副島にはなんと言ったかわからない。
副島「きりこさん、何ですか?」
ゆかり「私はゆかりよ」
副島「……」
   ゆかりは突然窓を叩きはじめる。
   ぎょっとして振り向く副島。
   車が白線を超え、クラクションの音がする。
   慌てて前方に目を向ける副島。
   窓を叩くのをやめたゆかり。
   今度は含み笑いで、副島に近づいて来る。
ゆかり「運転、気をつけなさいよ。こんなところで、私と死ぬことになるのよ」
副島「……」
ゆかり「私は、それはそれでいいけど」
   と、また窓の方に目を向ける。

○ゆかりの声
   すべての始まりは何ヶ月か前のこと。
   もちろん私は知っているけれど、彼女は知らない。
   知らない、というより理解力を失ってしまったのだ。
   「あの日」は当たり前のように一本の電話で始まった。



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