すると彦一は、ニッコリ笑って、
「もったいないな。捨てた魚なら、おらが拾っていこう」と、魚のカゴをかついで、さっさと行ってしまいました。
「彦一め!よくもやったな!」
金作じいさんは、地面を蹴って悔しがりました。
次の日、金作じいさんは彦一が田圃で稲刈りをしているのを見つけました。
「しめたぞ。あの稲を取り上げてやろう」
金作じいさんは、彦一の所へやってきて、
「おう、彦一、稲刈りか?」と、声をかけました。
彦一も、ここで『うん』と言ったら負けになるので、
「いいや稲捨てだよ」と答えました。
それを聞いた金作じいさんはうれしそうに笑うと、
「捨てた稲なら、わしが拾っていこう」
と、彦一が買った稲をみんなかついで、村の方へ持っていきました。
すると彦一は、平気な顔で金作じいさんのあとについて歩きます。
そして自分の家の前まで来ると、
「じいさん、おらの田んぼに稲を拾いに行ったのかい?」と、尋ねました。
金作じいさんは、
「いいや、稲刈りに行ったのさ」ち、答えました。
それを聞いた彦一はニッコリ笑うと、
「アハハハハハハハッ。借りた物なら、かえしておくれよ」と、言って、金作じいさんが運んできた稲をみんな取り返してしまいました。
これでは、金作じいさんは彦一の稲を田んぼから家まで運んでやったようなものです。
さすがの金作じいさんも、これにはすっかりまいってしまいました。
「いやいや、お前は大したとんち小僧だ。この勝負はわしの負けだ。もうこれからは、あまのじゃくは言わない事にするよ」
その日から金作じいさんは、とても素直なおじいさんになったという事です。
おしまい。
「もったいないな。捨てた魚なら、おらが拾っていこう」と、魚のカゴをかついで、さっさと行ってしまいました。
「彦一め!よくもやったな!」
金作じいさんは、地面を蹴って悔しがりました。
次の日、金作じいさんは彦一が田圃で稲刈りをしているのを見つけました。
「しめたぞ。あの稲を取り上げてやろう」
金作じいさんは、彦一の所へやってきて、
「おう、彦一、稲刈りか?」と、声をかけました。
彦一も、ここで『うん』と言ったら負けになるので、
「いいや稲捨てだよ」と答えました。
それを聞いた金作じいさんはうれしそうに笑うと、
「捨てた稲なら、わしが拾っていこう」
と、彦一が買った稲をみんなかついで、村の方へ持っていきました。
すると彦一は、平気な顔で金作じいさんのあとについて歩きます。
そして自分の家の前まで来ると、
「じいさん、おらの田んぼに稲を拾いに行ったのかい?」と、尋ねました。
金作じいさんは、
「いいや、稲刈りに行ったのさ」ち、答えました。
それを聞いた彦一はニッコリ笑うと、
「アハハハハハハハッ。借りた物なら、かえしておくれよ」と、言って、金作じいさんが運んできた稲をみんな取り返してしまいました。
これでは、金作じいさんは彦一の稲を田んぼから家まで運んでやったようなものです。
さすがの金作じいさんも、これにはすっかりまいってしまいました。
「いやいや、お前は大したとんち小僧だ。この勝負はわしの負けだ。もうこれからは、あまのじゃくは言わない事にするよ」
その日から金作じいさんは、とても素直なおじいさんになったという事です。
おしまい。