北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北海道のニジマスの未来やいかに~外来種対策

2014-02-02 22:54:18 | Weblog

 渓流釣りをする方ならば既にご存知の方も多いとは思いますが、今年の1月8日から北海道庁による「北海道外来種対策基本方針(素案)」に関するパブリックコメント(通称「パブコメ」)が始まっています。

 パブコメは、地方自治体が新しい条例などを作る際に、行政だけで決めてしまわずに広く公に意見を求めることで、事前に多くの意見を聴取してから物事を決めようという行政手続きです。

 今回パブコメの対象となっているのは「北海道生物の多様性の保全等に関する条例」において、「北海道外来種対策基本方針の素案」についてです。

 その中身は、北海道の「指定外来種」にどの外来種(動植物)を選定したらよいのか、ということで、事前に多くの意見を聴取してからその選定に反映させようとする手続きです。

 外来種とは、本来その土地にいない動植物が外から持ち込まれたもののことですが、中でも、それが持ち込まれたことによって、生物多様性に著しい影響を及ぼしたり、または影響を及ぼす〔おそれがある〕と認められるものをを指定することにより、生物多様性への影響を防止することが必要と考えられるものです。

 指定の前提としては、(1)明治時代以降に道内に導入されたもの、(2)原則として生物分類上の「種(亜種・変種含む)」を単位とし、必要に応じてはそれより広い「科」が単位となる、(3)識別が容易な大きさで生きているものに限る、とされています。

 この外来種は、四つの視点でいくつかのカテゴリー分けがされていて、「北海道ブルーリスト」というデータベースで公開されています。

視点1:本道に導入されているか
視点2:本道に定着できるか(その恐れ含む)
視点3:本道に定着しているか
視点4:本道への影響が報告されている、あるいは
    懸念される

 そしてこれら四つにすべて合致するカテゴリーA1~A3のなかのA2として魚類のニジマスが含まれているのです。

 


     ◆   


 ニジマスの日本移入は明治10(1877)年にアメリカのカリフォルニア州からが最初とされていて、道内では大正10(1920)年に支笏湖に放流されたのが最初とされています。

 今日、多くの渓流で放流が盛んに行われ、かかった際のファイトで多くの釣りファンを魅了する渓流釣りの代表的な魚になっています。 
 
 確かに明治期に外から持ち込まれたもので、元々本道にはいなかった魚ではありますが、指定外来種となるとどういうことになるでしょう。

 上記の「基本方針(素案)」には、指定外来種の規制に関する基本的な事項が盛り込まれていて、そこには、「飼育に当たっては外に逃げ出さないような方法、飼育施設の構造・強度などを定める」というのはまだ良い方。

 指定外来種になると、本来防除されるべきものという扱いになるので、飼育・栽培・保管して野外に放つことは禁止されてしまいかねません。

 今のところ全てがそうなるとは限らない、ということと、捕獲・採取したその場で放すことはこれに該当しないとされているので、フライフィッシングによるキャッチ・アンド・リリースは制限されないようですが、漁協などによる育成と放流は禁止されてしまいかねません。

 また広範囲にまん延して生物多様性に著しい影響を与えるまたはその恐れがある場合は防除もされる対象になる可能性があります。

 今日、この定義通りであればニジマスが指定されかねない流れに多くの渓流釣りのファンが不安を抱き、また憤っています。

 ニジマスは針にかかった瞬間から前後左右に泳ぎだし、ものすごい抵抗を示します。

 魚体も大きなものだと50センチ以上にもなり、しばしば釣り糸が切られて敗北を味わわされます。

 そうした強烈なファイトがこの魚の醍醐味で、道内の渓流に本州などから渓流釣りに訪れる人たちにとっての大きな魅力の源泉です。

 私の個人的な意見としては、もはや導入から140年になろうとしていて、本道の代表的な渓流魚の一つとして認知されメリットをもたらしている実態を考えた時に、生物多様性の理想と現実社会との折り合いをつけるバランスがあって良いように思います。


 ちなみに、他の魚の幼魚を食べる性質が強く在来種への影響が強く懸念され悪評の高い、ブラウントラウト、カムルチー、カワマスは北海道内水面漁業調整規則によって移植放流などが既に禁止されています。

 またブルーギル、オオクチバス、コクチバスについては、今回の指定以前に、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(略名称:外来生物法)によって特定外来生物に指定されていて、『飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入・野外に放つこと』が禁止されています。
 これらはキャッチ・アンド・キルであって、リリースすらできません。

 ニジマスはこれらとはまだ一線を画した魚という扱いになっているのです。


 賛否はいろいろにあると思いますが、少なくとも渓流釣り・フライフィッシングファンはその意見を道庁に寄せるべきだと思います。

 道内はもちろん、道外からの釣りファンの意見も受け付けてくれるそう。

 募集期間は2014年2月7日金曜日(最終日必着)までです。

 よろしくお願いいたします。


【「北海道外来種対策基本方針(素案)」に関するご意見を募集します】
 http://bit.ly/1eqx5gr

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4 コメント

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ニジマスは外来種。 (伊藤重行)
2014-02-05 18:19:45
小松さま

鶴居村出身の伊藤重行です。残念ですがニジマスは外来種です。釧路川系の久著呂川が道開発の工事失敗で下流が閉鎖。そのためニジマスが繁殖。困ったものだ。阿寒川上流は釣りきちには発電所があって閉鎖系なのでニジマスは良いでしょう。しかし釧路川系雪裡川は今から50年前はイトウ、そしてハナカジカの復活です。いま道開発のでたらめでハナカジカがゼロです。イトウとハナカジカの復活が最適です。もう河川をいじくらないで欲しい。
Unknown (萌音)
2014-02-08 14:40:37
こんにちは。楽しく読ませてもらいました。このブログを今後も参考にさせてもらいます。ありがとうございました。
伊藤様 (管理人)
2014-02-09 06:46:48
 確かにもともとはいなかった魚で、イトウなどにも影響しているのでしょうか。一律に「良い」とか「仕方がない」とか「ダメ」という以上に、ここなら良いとか、ここはだめといった調整の仕方もできないものかと思います。
 知恵を出したいですね。
萌音さま (管理人)
2014-02-09 06:47:51
 釣り専用のブログではありませんが、ときどきフライフィッシングについて書いています。どうぞよろしくお願いします。

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