北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

余市のオチガビ(OcciGabi)ワイナリーを訪ねる

2017-06-14 21:39:28 | Weblog

 小樽で挨拶回りをしたついでに余市まで車を走らせて、オチガビワイナリーさんを訪ねました。

 今年の11月に、私の所属する日本都市計画学会の全国大会が札幌で開催されるのに合わせて、エクスカーションと呼ばれる研修小旅行の計画をする必要があり、その視察先の一つとして、こちらのオチガビワイナリーさんにお願いをしようと考えたのです。

 オチガビワイナリーでは、専務の落希一郎(おち・きいちろう)さんにお話を伺く事ができました。

 落さんは、「日本のワインづくりは世界のワイナリーを見て歩いていないから、世界の標準と全く違うことになっている」と苦言を呈します。

 世界のワイン先進国では、小さなワイナリーを数多く作って、それぞれがブランド力を形成し、製造販売は少量にしてその一本の値段を高くするような戦略で経営を成り立たせているのだと。

 それが日本では、海外からのブドウやワインを仕入れてそれに地域の名前を付けたワインとして売るビジネスに成り下がっている。

 国では『酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律』に基づいて、平成27年10月に、『果実酒等の製法品質表示基準』を制定し、これで、地域名を名乗るときはその地域で収穫されたブドウが85%以上使われていることとするなど、地名の表記をより厳格なものにシフトしました。

 この基準の適用は平成30年10月からだそうですが、これが適用されると実際の産地のブドウが少なくて、これまでの「○○ワイン」と地域の名前が付いたワインが作れなくなるかもしれません。

 落さんの見立ては、「都市と地方の格差が大きくなる中、地方を活性化させるためには地域の価値を上げる必要があって、その流れのように思います。地域のブランドが価値を持つようになれば、日本ワインよりは北海道ワインが、北海道ワインより余市ワインが、余市ワインよりオチガビワインがより地域を限定させた付加価値を持つようになるのだと思います」とのこと。

 ワインを、『高付加価値化させられる大きな可能性のある六次産業』としてしっかりした考え方を持ち、実践されています。

         ◆   

 落さんは、東京外語大学を中退後にドイツへ向かい、そこでドイツ国立ワイン学校へ入りワインづくりを勉強しました。

 帰国後は、叔父さんが北海道ワインを経営していたとのことでそこで働きましたが、やがて独立して新潟でワイナリー事業を始め、「カーブドッチ・ワイナリー(CAVE D'OCCI WINERY)」を軌道に乗せました。

 そしてこのワイナリーを息子さんに譲った後は、「自分の残りの人生でやりたいことをやろう」と、ここ余市で「オチガビ(OcciGabi)ワイナリー」という新しいワイナリー事業を始めました。

 ワイナリーは余市町の山間で、谷を埋めて緩やかな斜面地を作ったところにブドウが植えられていますが、実は新潟で事業をしていたときから、リスクヘッジのためにこちらにワイン用のブドウを植えていたもので、それを利用して新しいワイナリーを作ることにしたのだそう。

「本州よりは北海道がワインづくりに向いているのですか?」と訊くと、落さんは「とにかく大面積の土地が安く手に入るところでなくてはワイナリーはペイしません。となると、本州ではそんな安い土地がないので、可能性があるのは北海道だけですね」とおっしゃいます。

 そして、「北海道が産物を安く買いたたかれるだけの農産地になってしまっていてはダメなんです。六次産業化して、農産物の産地近くで製造して販売することが一番地域が潤うビジネスで、そこを狙わないといけないのです。しかしそれを進めることには、なぜか行政も実に消極的なように見えます」とも。

         ◆ 

 

 落さんは、ワイナリーの建物前の庭を美しく飾っています。「庭造りは全部私の仕事です。特にバラが好きですね」

「美しい庭はビジネスの助けになりますか?」
「もちろんです。美しい風景はメディアが取り上げてくれますからね」

 
 最後に一言、実に基本的なことを聞いてみました。

「ところで、オチガビワイナリーのオチガビとはなんなのですか?」
「ははは、オチは私の名前の落、そしてガビは、妻の名前が"雅美"なのでガビなんですよ」
「あ、なあるほど!」

  
 今日は美しいワイナリーの風景とともに、美味しいランチもいただきました。

 北海道のワインの大きな可能性を感じる一日でした。   

 
 

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