駒子の備忘録

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劇団メリーゴーランド『メリーメリーゴーランド!!』

2015年03月10日 | 観劇記/タイトルま行
 神楽坂THE GLEE、2015年3月7日マチネ(初日)。

 明日はロッソメーラ王国女王の戴冠式。王女シュゼット(羽良悠里)は戴冠式を目前にして何者かの策略により塔に監禁されていた。ところがシュゼットを連れてきた騎士テオドール(華波蒼)までが何故か閉じ込められてしまう。塔内の薄暗い小部屋には、王国では絶滅したはずの林檎がひとつ置かれていて…
 脚本・演出/平野華子、作曲/内海治夫、振付/俵ゆり、平野華子。

 第一部のミュージカル・コメディ『囚われの林檎姫』はふたり芝居の密室劇。第二部はこれまでのストーリー・ショーを濃縮したエンターテインメント・ショーでした。
 オリジナルミュージカルの上演を続けている女性だけの劇団で、知人に前回公演に誘っていただいてあまりのクオリティの高さに失礼ながら仰天したのですが、今回も楽しかったです。
 ライブハウスのような会場で、最小限の小道具や照明といった装置でしたが、舞台はなんだってできるんですね。
 なんといってもまず脚本が素晴らしい。キャラクター、シチュエーション、設定、会話の楽しい掛け合いやジョーク、そしてドラマと、何もかもがちゃんとしていました。最初っから笑う気満々の観客がいてなんでもないところから笑いすぎたのにまず引いた私が、それでもすぐに自然に笑い出し、話に引き込まれるのに時間はまったくかかりませんでした。いやぁ本当に才能あるなあ、勉強させたいプロの歌劇団の座付き作家を何人も知ってるなあ。
 どうして王子と魔法使いの娘が入れ替えられたのかとか、だったら国を継いで王になるのは王子ではないのかとか、つっこみたくなくもなかったけれどおもしろかったからいいや。魔法使いの娘に生まれて王女として教育を受けたヒロインなんて、最強だからいいのです。王子に生まれて魔法使いに育てられても魔法は使えないし王になる教育も受けてない青年は、それでもいいヤツなので女王を支えて国を栄えさせていくことでしょう、多分(笑)。ふたりに幸あれ。
 劇団の主演であるふたりは、たとえば外見とか演技のスタイルとかが実はけっこう違って私には見えて、いつもなんかもったいないなと最初は思うのですが、最終的にはなんかハマって見えてこれもアリかと思えてくるのだから舞台って不思議なものです。またふたりとも、こんなに狭い空間で観客がすぐ近くにいて、でもちゃんとスイッチが入っていて役になりきっているし、ショーでは釣ることすらするのです! すごい。
 ショーもふたりだけで歌い踊りMCでつなぎ、もとのショーを知らなくても全然楽しくて、いい曲が揃っていてよく聴かせて、実によくできていました。
 今年は秋に本公演があるそうです、楽しみです!!

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