シアタートラム、2017年2月24日19時。
原作/江戸川乱歩『二銭銅貨』『二癈人』『D坂の殺人事件』『お勢登場』『押絵と旅する男』『木馬は廻る』『赤い部屋』『一人ニ役』、作・演出/倉持裕、美術/二村周作。休憩なしの三幕仕立て。
大正から昭和にかけて活躍した異才の小説家の八つの短編をつないで編み上げられたような舞台で、おもしろく観ました。とはいえ私は乱歩には不案内で、学童保育で通っていたこども図書館で読んだポプラ社あたりの子供向け怪人二十面相シリーズ、くらいしか知らないので、知っている方が観たらもっともっとおもしろい舞台だったのかもしれません。
でも、自在な舞台の使い方や、時間が行きつ戻りつしつつ物語がお勢(黒木華)というひとりヒロインに収斂していく様子などをたいそうスリリングに観ているうちに、時間があっという間に経った印象でした。舞台って本当に無限で夢幻ですよね。だからこその、ラストの「おおげさねえ」というセリフが、なんとも沁みました。
ただ、ある程度そこが起用意図だったんだろうとは思いますが、私には、黒木華にはこの作品の確たるヒロインとしてのインパクト、存在感がないのではないか、と思えました。片桐はいりや梶原善を向こうに回して主役を務めるのはそりゃなまなかなことではないと思うし、だからむしら茫洋としたそれこそ夢のような幻のようなありかたを求めていたのかもしれませんが…ううーむ。
キャストでは他に、川口覚が素敵だなあと思いました。
原作/江戸川乱歩『二銭銅貨』『二癈人』『D坂の殺人事件』『お勢登場』『押絵と旅する男』『木馬は廻る』『赤い部屋』『一人ニ役』、作・演出/倉持裕、美術/二村周作。休憩なしの三幕仕立て。
大正から昭和にかけて活躍した異才の小説家の八つの短編をつないで編み上げられたような舞台で、おもしろく観ました。とはいえ私は乱歩には不案内で、学童保育で通っていたこども図書館で読んだポプラ社あたりの子供向け怪人二十面相シリーズ、くらいしか知らないので、知っている方が観たらもっともっとおもしろい舞台だったのかもしれません。
でも、自在な舞台の使い方や、時間が行きつ戻りつしつつ物語がお勢(黒木華)というひとりヒロインに収斂していく様子などをたいそうスリリングに観ているうちに、時間があっという間に経った印象でした。舞台って本当に無限で夢幻ですよね。だからこその、ラストの「おおげさねえ」というセリフが、なんとも沁みました。
ただ、ある程度そこが起用意図だったんだろうとは思いますが、私には、黒木華にはこの作品の確たるヒロインとしてのインパクト、存在感がないのではないか、と思えました。片桐はいりや梶原善を向こうに回して主役を務めるのはそりゃなまなかなことではないと思うし、だからむしら茫洋としたそれこそ夢のような幻のようなありかたを求めていたのかもしれませんが…ううーむ。
キャストでは他に、川口覚が素敵だなあと思いました。