Precious Memories

越後快酔の夕べをお楽しみ下さい。
“雪中梅” “千代の光” 蔵直店から、心に染み入る地酒・美酒をお届けします。

ご迷惑とは知りながら。またまた名作への誘い~。

2016年10月16日 | 日記
・・・でもきょうはすがすがしい、晴れわたった輝かしい朝で、この土地の秋にはめずらしいぃらいでございます。わたしは生き生きとした気持ちになり、喜ばしくこの朝を迎えました。こうして早くも秋がわたしたちを訪れたのです!わたしは田舎にいたころ、どんなに秋が好きだたのでしょう!わたしはまだ子供でしたけれど、その時分からもう、いろいろのことを感じていました。秋の夕暮れは明けがたよりも好きでした。~
露が草におりて、岸の家々に灯影がちらつきはじめ、家畜の群れが追われて帰って来る、~そういったときにわたしは自分の好きな湖を眺めるために、そっと家を抜けだして、よくいつまでも一心に眺め入ったものです。すぐ水際のところで、漁師たちがなにかの枯枝を燃やしていると、しの光が水面に遠く伸びていく。空は寒々と青み渡って、その端々には火のように真っ赤な縞が点綴せられ、 その縞がしだいしだいに薄れていきます。やがて月が昇ると、大気は冴えきって、ものの驚いた小鳥が飛び立つのも、葦がそよ風にさらさらと鳴るのも、小魚が水面を跳ねるのも、なにもかも残らず聞こえるのです。青い水面には白い、うっすらとした、透明な水蒸気が立ちのぼる。遠景は黒ずんでいって、もの皆が霧の中に沈んでゆくけれども、近くのほうのものはまるで鑿で刻んだもののように、くっきりと輪郭を見せています。~小舟、岸、島、岸辺に置き忘れられたられているなにかの樽がかすかに水に揺られ、黄ばみがっかた葉をつけた柳の枝がひと筋、蘆の中に絡まり、帰り遅れたかもめがさっと舞いあがったかと思うと、冷たい水に胸を浸し、それから、またもや空高く舞いあがって、霧の中に消えてしまう、~なんというすばらしさ、なんという気持ちの好さ、それでいて、わたしはまだ子供だったのです。ほんのねんねだったのです。・・・





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