嫌な夢を見た。
ちょっと吐き出させてほしい。
ちょいグロ。後味が悪いので苦手な方は読み飛ばしていただきたい。
夕方。
地元の商店街。
大通りに面した定食屋で早い夕食を済ませ、そこで働いている母と何言か言葉を交わし、沢山の人をかき分け、店の外へ出る。
ちょうどその時、商店街と道路の境目のシャッターを、友人のろう者が勢いよく下ろす。
と、ほぼ同時に、後ろで響き渡る発砲音と、女性の甲高い悲鳴。
いま出た定食屋の向かいで 勢いよく吹き出す血飛沫。
蜘蛛の子を散らすように逃げ出す通行人。
私も駆け出すが、母親の事が気にかかり、店の方に目を向ける。
店内は逃げ出そうとする人々でごった返していた。
母親の姿は見えない。
後ろ髪をひかれながら、思い出し、ろうの友人のほうを振り返る・・・。
夢だとわかっていても 気持ち悪い目覚めだった。
地元の実際の商店街が出てきたが、
その定食屋はないし、そこで母親は働いていない。
道路の境目にそんなシャッターはない。
夢でよかった、と思うわけだけれど、
その ろうの友人には、発砲音も悲鳴も聞こえない。
なぜ人々が逃げ出すかすぐには分からないかもしれない。
パニックの状態で、どうやって、どれくらい伝えられるだろうか。
では、もし万が一、一緒にいたのがろう者ではなく、盲ろう者だったら・・・・・・?
いままで、私が関わったことがある盲ろう者は、触手話、接近手話、手書きなどで コミュニケーションをとる方たち。
伝えるのは、時間がかかる。
その間にも危険は迫っているし、逃げ惑う人々にもみくちゃにされるだろう。
そして、見えない・聞こえない人と一緒に、誘導しながらどうやって逃げられるのだろうか・・・・・・。
考えたくない。
では、視覚障害の人がいたら?
足が悪かったり、車いすの人がいたら?
障害を持っている人だけでなく、老若男女問わず足が悪い人、体調が悪い人、年配の方、子ども連れの人、妊婦さん・・・・・・。
被害にあうのはそうした社会的弱者と言われる人たちだ。
最近、事件や事故、災害が多い。
通訳ガイド中に何らかの危険に絶対に巻き込まれないとも限らない。
願わくば、いつ何時も、何事もないことを祈るだけだが、
何かあった時には冷静に対処できるようになりたいものである。