近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
会の様子や文学的な話題をお届けします。

1/26 卒業論文最終報告会

2015-01-29 23:52:58 | Weblog
こんにちは。
あっという間に1年が過ぎてしまったような気がします。
今回は、1月26日に行われた卒業論文最終報告会について、ご報告させていただきます。
発表者は、4年佐藤さんと4年岩渕さんです。司会は3年松尾が務めさせていただきました。

まず佐藤さんに、夏目漱石「文鳥」の発表をしていただきました。副題は、―隠喩としての文鳥―です。この卒業論文の論点としては、文鳥を飼うということの隠喩性という部分に焦点が当てられていました。
質問として以下のような意見があがりました。
・結論である「人間が生き物を飼育することの問題意識」について
・文鳥に対するイメージの矛盾について
・文鳥と女性を重ね合わせることをどのように結論に結びつけたか
岡崎先生からは、結論の方向性に対するご意見や、夏目漱石が恋愛を扱ってきた作家であることにも着目すべきである、などのご指摘をいただきました。

続いて岩渕さんに、梶井基次郎「闇の絵巻」の発表をしていただきました。副題は、―光を内包する闇―です。この卒業論文では、語りと闇の性質や、「私」の個としての意識について論じられていました。またそのことから結論として、「闇」を空想として表現し得た、と論じています。
質問では、次のような意見をいただきました。
・発表者が作品を3部に分けた理由
・「闇の風景」の構成力とは何か
・文明論について
岡崎先生からは、「共感覚」という言葉についてや、副題にもあげられている「闇」の捉え方についてなど、多数のご意見をいただきました。


最後に、皆さん1年間お疲れ様でした。まだまだ自分には至らない部分も多くありますが、来年度もよろしくお願いいたします。
それでは失礼いたします。

3年松尾