高校国語実践記録

向山型国語を高校で実践した授業記録です。

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先づ隗より始めよ(十八史略)

2008-11-13 20:11:52 | 教科書・漢文

(C)Two-Way/高校/国語/古典/漢文/故事

「先づ隗より始めよ」(十八史略)を「抑揚」を通して理解させる(高校1年・国語)

TOSS茨城NEVER  坂本佳朗(rekisi_sotuken@hotomail.com

「先づ隗より始めよ」は,「死馬すら且つ之を買ふ。況んや生くる者をや。」を十分に理解させてから,賢士を募集する話へ移る。「死馬を買う」→「生きている馬はなおさら買う」の間に,「生きている馬の方が価値がある」という前提があることを確認する必要があると考えた。
音読・現代語訳をさせた後の2時間目。

復習で追い読みをした後,基本的な設定を問う。

発問1 何という国の話ですか。(燕)

簡単な問題から入る。

発問2 燕の王・昭王の家臣は何という名前ですか。(郭隗)

発問3 昭王は郭隗に,どのような願いを話しましたか。現代語訳を参照しても良いから,簡単に答えます。(賢士を集めて斉に報復すること。)

次から,抑揚の話に移る。

指示1 「死馬すら且つ〜」に線を引きなさい。
説明1 この部分の意味を考えていきます。
指示2 ノートを出して,真ん中に横線を引きなさい。
 

作業が続くので,生徒が実際にノートに書いているか,確認する。

指示3 上半分に,「馬」と書きます。
発問4 「死馬」を,いくらで買ったのですか。(五百金)

ここから,「死馬すら〜」を考える上での前提条件を設定する。

説明2 みんなは,生きている馬を持っているとします。
     あるとき,先生が死馬を五百万円で買ったという話を聞きつけました。
発問5 先生は,みんなの馬をいくらくらいで買うと考えますか。

列で指名。少なくとも,五百万円以上でなければ,おかしい。

補助発問1 どうしてそう考えましたか。(死馬よりも生きた馬の方が役に立ち,価値があるから。)


指示4 そのことを踏まえて,【 】に不等号を入れなさい。(∧)
板書1
     馬              |
〈事実〉死馬 …五百金       |
    【 】              |
〈推定〉生きた馬…一億金以上?|
                    | 

発問6 結果,生きている優秀な馬は集まりましたか。(集まった)
補助発問2 どこから分かりますか。(至る者三)

指示5 下半分。「家臣」と書きます。
発問7 馬の例を参考にして,【  】を埋めなさい。書き下し文からの抜き出しですが,?の付いているところは,当てずっぽうで構いません。
板書2
     馬              |     家臣
〈事実〉死馬 …五百金       |〈事実〉【郭隗】(二字) …【宮】(一字)を築いてもらう
     ∧              |     【∧】
〈推定〉生きた馬…一億金以上?|〈推定〉【隗より賢なる者】(七字)…【     】?
                    | 

?以外の三箇所は,隣同士確認させて答え合わせ。
?のところは,挙手で発表させる。意見が出尽くしたら,「先生は,『お城』だと考えました。」「今だと,『ジェット機』になると思います。」など,スケールの大きな答えを出し,楽しく次へ進む。

発問8 賢士は,集まりましたか。(集まった)
補助発問3 どこから分かりますか。(士争ひて燕に趨く)
発問9 それは,賢士たちがどのように考えたからですか。図示された言葉を参考にして,三十字以内でまとめなさい。(郭隗より賢ければ,宮を築くより厚い報酬を受け取れる。)

ノートを持ってこさせ,板書させる。
板書された答えを評定する。
基準は,「隗より」…3点 「賢い」…3点 「宮」…2点 「報酬」「待遇」など…2点。
満点を取るのは少し難しいが,妥協しない。
満点が出なければ,評定を参考にして書き直させ,再度評定する。

説明3 良い待遇をアピールするために,最も身近な家臣・郭隗に贅沢をさせたのですね。
発問10 この話から生まれた故事成語「先ず隗より始めよ」は現在,どのような意味で使われていますか。(事をなすには,まず自分から行動を起こすべきだ。) 

その場で辞書を引いても構わない。ただし,辞書的意味をなぞるだけでは,今ひとつ納得できる感じがないだろう。そこで,具体的に例を作らせる。

指示6 「先ず隗より始めよ」で返答させるような文を,1つ作ります。たとえば,「『マラソン,頑張って走れよ。』→『先ず隗より始めよ。』」のようにします。 

次への伏線となるので,必ず全員に書かせる。
そのために,近くと相談しても良い。同じ答えを書いても良い。

説明4 答えを発表してもらいます。一人ずつ答えを読み上げたら,みんなが「先ず隗より始めよ。」と答えてあげましょう。○○君から,どうぞ!

「カラオケ,誰から歌う?」→「先ず隗より始めよ。」
「ちゃんと掃除するんだぞ。」→「先ず隗より始めよ。」
など。相手に厳しい要求をするほど,その厳しさがそっくり自分に返ってくる仕組みである。


使用教科書 『新精選国語総合』(明治書院)

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