九重自然史研究所便り

昆虫採集と観察のすすめ

1.チョウやガの翅に残る鳥の嘴によってできた傷から何がわかるか?その8および結論

2016-10-13 23:18:43 | 日記
1.チョウやガの翅に残る鳥の嘴によってできた傷から何がわかるか?その8
8.夜行性の屋根型静止するガには左右対称キズはできません。そのかわり屋根型に翅をたたんだ状態で背後から突かれると同じ側の前・後翅にキズができます。7-8のように後翅にのみ見られる傷は鳥が接近するのに気付いたガが急に翅を広げると後翅の模様と色が突然、現れます。鳥は驚いて後翅を突いてしまいます。その一瞬、ガは飛び立ち一気に逃げてしまいます。カトカラと呼ばれるガはみな夜行性で交尾、産卵などは夜間おこないます。昼間は樹皮に止まっており、樹皮と擬態しています。

9.結論 チョウやガの翅は破れやすい方向に進化した!
 今までビークマークを研究した日本人学者も外国の学者も、翅のキズがどのような角度から、どんな嘴で攻撃されたか、つまり鳥の攻撃法ばかり議論した。私の論文は鳥の攻撃を受けたチョウやガの生存率がかなり高いことに触れたが、しかしもっと大切な根本的なことに気づいていなかった。定年後、大分県九重町地蔵原高原で多くのチョウやガを観察しているうちにやっとそのことに気づいた。
 秋が近づくとビークマークを持ったチョウやガの割合が増えた。彼らは何度も危機を乗り越えて生き残ったものたちなのだ。
 多くのチョウやガは、数回鳥の攻撃を受けても生き残れるということは、彼らの翅が鳥に攻撃された際にうまく破れるような方向に進化したからに違いないと確信した。特にチョウは胴体が小さく翅が大きいので、体が大きく上下動するひらひら飛びをするから、鳥は目標を定めにくく翅をつついてしまう。 チョウやガの翅は致命傷にならないようにうまく破れる方向に進化した、と私より前に考えた人はどこかにいるかもしれない。もしそういう人を知っている方はご一報を!なおスズメバチは鳥より賢く、ガの背中を6本脚で迷わずつかむ。
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