小説♪いろいろ.com

現在連載中の小説♪「音葉の梦」
昔の小説♪「鏡花水月」←結構好評です。是非是非、読んで感想ください!!

小説♪音葉の梦 39

2008年10月12日 | 小説♪「音葉の梦」
眠い。
風邪引いたかも><
鼻水が止まりませんorz
でも今日カラオケ行くからなー(おい
しかも明日もイベント紗那達と行くかもなー(行くな。
というわけで現在休んでます(どこが


音葉の梦
 -断章-
  呪われし双子の兄妹2
 
 最初に、やられたのは私の実の母親だった。
 
 彼女は体が弱かったため、私達を生んでからずっと別荘で療養していた。それをいいことに、お父様は彼女と離婚し、新しい女をつれてきた。
 その人は単に金目当てで、何かあるごとにぎゃーぎゃーと叫ぶ人だった。その人はヒステリック気味で、一年もたたないうちに、十数個の宝石等を奪って長潟家を出て行った。
 その次に来た人が、今の私達の義母様。とてもお優しくて、私達の母親に対しても、敬意を払い、毎月お父様からもらうお小遣いの半分を別荘に送っていた。実の子供ではないお兄様と私達双子を心から可愛がってくださって、いろんなことをしてくださった。
 
 そんな優しい義母様から、実の母親が危篤状態にあると、学校に居る時に連絡がきた。私と愛梨はすぐに迎えに来た車に飛び乗って、隣県の別荘へと向かった。途中でお兄様とも合流する。
 別荘につくと、義母様が、お母様の隣に座っていた。お母様はとても荒い呼吸をしていて、脇に医者であるお父様が控えていた。他人のように、ただ、父は患者を診察するように、冷静に。
 比べて義母様は涙をぼろぼろ流しながら、お母様の手を握り締めていた。あぁ、この人は本当にお母様のことを思っていらっしゃるのだ、と私はそのときわかった。そして、お父様は、本当に私達のことはどうでもいいのだということも。
 
 それから数日間私達兄妹は別荘で過ごした。義母様がずっとお母様に付き添うといっていたのをなんとか抑えて、交代でお母様に付き添うことになった。お父様はただ静かに首を振って、自分の役目は終えた、と静かに告げた。それは、お母様がただ、いつ来るかわからない死の恐怖に縛られ続けながら逝ってしまう、ということだった。
 
 絶望が私を襲った。
 月に一度も会えないけれど、私の本当の母。別荘に行くと、いつも悲しそうな寂しそうな、それでも暖かな微笑みと抱擁をくれた母。母と何かをした思い出はないけれど、この別荘ではいつも母の大好きな桜の木に支えられて、母だけの優しい時間が流れていた。私はそれが大好きだった。
 いつも優しげな微笑をくれた母が、今いつにもなく苦しんでいる。 
 そして、自分はこんなにも無力で――――
 私は、別荘のはずれにある、古い小さなお御堂へ走っていった。そこには神父様もシスターも居ない、ただ数人が入れるだけの小さなお御堂。キリストの十字架がかかり、マリア様が慈しみの微笑みをたたえ、小さなステンドグラスから光があふれている、とても静かな場所。お父様も義母様もクリスチャンではないけれど、この別荘はお母様のおじい様、お父様の伯父様にあたる人のもので、彼はたいそうなクリスチャンだったそうだ。そのころに建てられたものらしい。
 私は、そこで懸命に祈った。ただただ、実の母のことを願って。
 しかし、祈りは届かなかった。

 ―――――数日後、お母様はもう二度と、帰らぬ人となったのだ。
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小説♪音葉の梦 38

2008年10月11日 | 小説♪「音葉の梦」
うわーまた一ヶ月以上あけちゃった><
ご、ごめんなさい・・・・
文化祭、楽しかったね。

なんか音葉いろいろ大変です><
でも頑張ります。
なんか一気にネタバレ的展開に・・・orz
しかも、これ絶対双子特に優梨の評価下がるよぉ・・・ほうけものから(ぇ
しかもものすごく唐突・・・
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

音葉の梦
 -断章-
  呪われし双子の兄妹1

「優輝は、男の子なんだから。」
「お兄ちゃんでしょ?もっとしっかりしなさいよ、優輝。」
 小さい頃から私は、男の子だから、とか、お兄ちゃんだから、とか周りの大人たちに言われていた。正直、うんざりしていた。どうして男の子が女の子に憧れちゃいけないの?どうして、痛かったり、悲しかったりしたときに、男の子やお兄ちゃんは泣いちゃいけないの?いつも、大好きなおばあちゃまのところに泣きながら私はお父様達に怒られたとき駆けていった。
「まったく、愛梨お嬢様ったら。男の子みたいに・・・。」
「お嬢様、愛梨お嬢様。お洋服がお汚れに・・・。」
 変わりに、妹の愛梨はよくお庭の大きな木によじ登っては、いつも上等なスカートを破いて、髪の毛をぐしゃぐしゃにして、顔を泥んこにしながらへらへらと笑っていた。

 私達は、生まれてくる時に性別と性格が明らかに間違えてしまった。

 私は男の子らしく振舞える愛梨に憧れてたし、自分よりも女の子っぽい私に愛梨は同じように憧れてた。
 物心ついた時には、私は家の外では「優梨」と名乗り、女の子として振舞った。学校も私達が幼等部当時中等部で生徒会長をしていた年の離れた異母兄弟である、大好きだったお兄様の権限で私は満森学園という世界のなかで、普通に女の子として振舞えた。
 一方、愛梨はだんだん大人しくなり、口調はお世辞にも可愛い令嬢なんて言えないけれど、昔みたいなやんちゃな真似はしなくなった。ちゃんと嫌がらないでスカートをはいて、大人しく大人の言うことを聞いて。――――そう、愛梨はだんだんと本当に、女の子になっていったのだ。
 私は男なのに女として振舞っている。とても中途半端な存在。それも、小学校低学年までは許された。
 しかし、中学年を過ぎると愛梨に、女としての肉体の変化があらわれてくる。もちろん私自身にも。
 それにつれて、私に変な感情が芽生えてきた。
 今まで愛梨と一緒だった部屋を、優しい血のつながりのない義母様に無理いって変えてもらった。一緒に入った風呂も、逃げ出し、後から一人で入った。洋服を分け合ったりしなくなった。
 周囲の大人たちは、私が男として目覚めてくれたと一瞬だが思ったらしかった。でも私はどんどん女として自分を磨いていった。家にいるときは一人称を「僕」にして、制服以外はちゃんとズボンをはいて、髪の毛は肩より長いと切られた。
 それでも、その分、外では思いっきり女の子を満喫した。愛梨より人懐っこくて、可愛い女の子を。
 しかし、もっと愛梨に近くなりたいと思った。それでも、一緒にいると、何故か悲しく、苦しく、痛かった。
 この感情が何かに気づくのに、一年半かかった。

 そう、私は、自分の双子の妹に、恋をしていた。

 これは許されないこと。
 古くから、双子は一家にとって忌むべき存在といわれてきた。
 お父様がそんなものは馬鹿馬鹿しいと、どちらかを消すようなことはしなかったけれど、自分は、どちらかが居なくなっていればこんなことにはならなかったと思ってしまった。むしろ、自分が生まれてこなければ良かった。そうしたら愛梨はいろんな人の愛を一身に受けていたのに。

 ――――――――――しかし、そんな私を、神様が許してくれるはずがなかった。
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小説♪音葉の梦 37

2008年09月08日 | 小説♪「音葉の梦」
運動会疲れるよね、うん

てか、ホントorzですうん(ぇ
でもメール着たしね。でもねぇー
紗那がなーーーーーーーーーーーーーー


音葉の梦
第三章
 創始(其の六)

 その部屋には、三体の真っ赤な血で染まったもはや生きていないであろう肢体があった。
「こ、、これは・・・」
 大輝が隣で呟く。優莉も愛莉も口をつぐんだまま、ぎゅっと拳を握り締めた。自分が、ちゃんと生きているかどうか、ということを確かめているかのように。
「見えた?・・・・・・これはね、あなた達の死体よ。」
 誰も、声が出なかった。自分達の、死体・・・?
 まるで、自分達はもうこの人物に殺されたかのような、自分達はもう生きていないかのような・・・。
 ここでちゃんと自分の足で立って、息をして、考えて。それなのに―――そのことすらも否定された。
 もう、自分達は死んでいるのだと、殺されているのだと。
 では、今こうして考えて息をして、肉体を持っている自分達はなんなのだろう?
 そもそも、これは自分達とはまったく関係のない―――
「この死体が違う人達のものなんて甘い考えは捨てなさい。警察の死亡鑑定にでも出してみたら明確。身元はあなた達のものになるのだから。」
 一瞬頭をよぎった、希望的観測はこの言葉によってかき消された。
「・・・・・・どういうことですか、先生。」
 優莉は美川に尋ねた。
「どうもこうも、あなた達はもう死んでしまったってことよ。」
「・・・意味、わかりませんよ。」
 今度は愛莉。
「わかりやすく言うと、あなた達がこの校舎に足を踏み入れた瞬間、あなた達は死亡したってことになるわ。」
 自分達はすでに死亡したことになっている、と美川は言う。
 それなら―――
「あなた達の今の姿は幽霊ってことになるわね。」
 三人の心の中を先読みしたかのように美川は言う。
「もう、後には戻れないのよ。―――もう生贄としては十分に働いてくれたわ。ありがとう。」
「そんな!」
 そんないきなり自分達はもう殺されていたなんていわれても、どうしようもないじゃないか。これからどうしろと。
「あっちは騒がしすぎる。ここはちょうど静かでいいわ。―――だってここは、音葉の神殿なんだもの。もうおわちゃったけれど、創始の儀式にはもってこいだったわね。」
 こうして、自分達の知らない間に儀式は終わってしまった。―――そして、自分達は殺されてしまった。この女によって。



***************
なんか自分で書いてて意味わからん。
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小説♪音葉の梦 36

2008年09月06日 | 小説♪「音葉の梦」
明日運動会ですね!
がんばるぞb

てか、更新もがんばるぞ!


音葉の梦
第三章
 創始(其の五)

 大輝達が美川に連れられて来たのは、山奥の大きめな木造建築の古い建物だった。横長長方形で二階建て、ということは昔使われていた校舎か何かだろうか。少なくとも、三人の中にこの建物の存在を知るものはいなかった。
 昼間なのに、暗すぎる廊下を、鮮やかすぎるほど白い美川が歩く。その姿はもはや、彼女が人間ではないと実感してしまうほどのものだった。しかし、三人はそんな美川の後を少し離れて歩き続ける。歩く度に軋む床の不協和音を聞きながら、もう、後戻りはできないことはしっているから。
 外から見たら普段使っている校舎よりも小さかったけれど、廊下は異様なほど暗く、果てがいつまで歩いても見えない。床の軋む音しか聞こえない、不気味なほどの静けさが、逆に怖かった。烏や蝉の一匹もいない。自分達以外の生命体が、すべて消えてしまったかのような―――


 こんな噂を聞いたことがある。
 昔この学園がまだ小さかった頃、初等部の校舎は裏山の中にあったということ。そして今ではその校舎は放棄されていること。そして―――幽霊がでる、ということ。
 大輝はそんなことを思い出し、思わず身震いしてしまう。それでも両隣を双子の姉妹にはさまれたまま、大輝は歩き続けた。果ての見えない廊下の、終わりを目指して。
 姉妹の顔の表情はよく見えない。でも二人から感じ取れる空気で、二人に後悔がまったくないことを感じ取ってしまった。それでも大輝は今更ながら、帰りたくなってくる。自分の意志は、茉莉を守るという大輝本人の意志は、こんなにも弱かったのかと、自分でも絶望する。それでも帰れずただ、歩き続ける。美川が何か一言でも言葉にするか、足を止めることを待ちながら。

 それからしばらく時間がたった。
 それでも、廊下は終わらない。彼にはこの廊下が永遠に続くかのように思われてしかたがなかった。とても、怖かった。

 急に数メートル先の美川が立ち止まる。多数ある扉の中で、他の扉とさほど変わりがあまりない扉の前に立つ。そして、思い切りその扉を――――――――


 一瞬にして、真っ黒だった闇は、真っ赤に染まった。

 美川が開け放ったとき、部屋から大量の真っ赤の血が吹き出たのだった。それには双子も度肝を抜いて、立ち尽くした。しかし、その真っ赤の血をかぶったのは美川だけでなく数メートル離れている自分達にも降りかかってくる。顔を、手を、胸を、体中を真っ赤に染められて、それでもなお、彼らにできることはなかった。

 美川が、その白い服を真っ赤に染めて、ニィっとワラッタ。

「おいで。」
 彼女は彼らを手招きする。
 そこらじゅうに漂ってくる血の腐臭に顔を顰めながら、そしてべたべたとくっついて離れない血に恐れを抱きながら。それでも彼らは歩を進めるしかなかった。
 美川に十数歩で追いつく。
 視線を恐る恐る、しかたがなく、拒否することもできず、その真っ赤な部屋へと向ける。

 そこには――――――――――――――――――――――――――――

 三体の、
 真っ赤に染まった
 死体があった。
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小説♪音葉の梦 35

2008年07月24日 | 小説♪「音葉の梦」
あ、忘れてた。
このたびはるさめは「春雨まひろ」と改名しました!
これからははるさめとも、まひろとも呼んでもらってかまいませんので、これからもよろしくお願いします。

あと、アリアブログ。しぇいくすぴあ。のほうでグラーヴェ・Webラジオをほうけものと収録したものを配信中です。
音葉の話もちょこっとでてたり。
興味のあるかたはどうぞw

ちなみにグラーヴェは無事、連載終了しました!今度はほうけものと紗那とか他の仔たちを引き込んで新シリーズ「私立流星高等学校」という壮大プロジェクトを開始しました。
・・・音葉は果たして無事終了できるのかな・・・夏休みだし頑張ろう・・・


音葉の梦
第三章
 創始(其の四)
 
「この空気、嫌いだわ。」
 一人有菜はつぶやいた、それにマリアンが反応し、鼻をひくつかせる。
しばらく山奥へと進んでいくと、ぽつぽつと木々の間から雫が落ちてくる。雨がふりだした。10分としないうちに大降りになる。雨にぬれることも気にしないで、有菜とマリアンは歩き続ける。
 この先にある惨劇も知らずに――――



「はぁはぁはぁはぁ」
 山田竹良は何かに追われるように走っていた。
 弟である京佑が何者かに、自宅である高層マンションから突き落とされて意識不明の重体に陥ったのは2日前。家族に犯人がいる可能性が高く、山田家関係者のみが知っている事実だ。
 その矛先が竹良に向けられるのも時間の問題だ。事実、昨日から何者かに追われている気がする。
 そして、現在にいたるのだ。

 そして竹良は、何かに惹かれるかのように、あの裏山へと逃げていったのだ。



すみません、いろいろ忙しくて、この続き書いてからうpしようと思ってたんだけど、さすがに三ヶ月越しに書いてたらだめだなぁと思って今回は短文でうp

そろそろネタがつきてきたなんてないんだからね!←
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小説♪音葉の梦 34

2008年05月28日 | 小説♪「音葉の梦」
ホント毎回遅くてごめんなさい・・・
ホントがんばるから、許してmom・・・じゃなかった紗那・・・

いましにがみのドラマCD聴いてる。
本当にあの4月10日までのほしかったorz
間に合わなかったよぉー


音葉の梦
第三章
 創始(其の三)
 
 『勇者』が集まって、壁に張り紙をされて・・・いろんなことがって、少し疲れていた。茉莉は、だんだん曇ってきた鉛色の空を見上げた。最近は嘘のように晴れわたっていた真っ青な空も疲れたのだろうか。雨が降る前の独特な匂いが漂っている。茉莉は、この匂いが嫌いだった。ずっと昔から。

 雨が降るかもしれないから、フリルのついたかわいい折りたたみ傘と、記録者からもらった歴代の略式の略のコピーを鞄に入れ込み、勾玉を首にかけ、無意識に勾玉を握り締めていた。翔汰と梨香には内緒で、音葉の神殿があるとされる裏山に向けて出発する。部室の階段に神殿があると思っていたら、三種の神器が保管されている位置と、現場と、神殿の位置などは一致しないらしい。この情報は記録者からもらった。
 
 震えている左手に気づかずに、茉莉は裏山へ向けて歩を進める。
 刹那、裏山から突風が吹き荒れた。烏がガァガァとうるさく鳴きたて、山から一斉に飛び立つ。一瞬にして、裏山の空気は一変した。
 もう一度、茉莉は勾玉を右手で握り締め、歩き出した。


  ***
「茉莉は?」
「知らない。消えてたぞ。」
「大輝たちもいないなんて・・・」
 読んでいた本から視線をあげ、翔汰は梨香を視界にとらえる。
 場所はテラス。一雨降りそうな空が彼らの頭上にあった。
「何か、嫌な予感がするな。」
「長潟姉妹と大輝が授業にも出ていない。」
「長潟姉妹は保健室に居るという可能性は無いしな。森下が保健室に行っても居なかったと言ってたから。」
「それに茉莉までいない。那覇は鶏小屋にいったまま帰ってこないらしいし。」
 心配そうに、梨香は空を見上げる。いつもの強気な表情はどこにいったのか、そういえばいざってときには、昔から茉莉のほうが強かったかもしれない。しかし今この状況で、自分の前にいる梨香という少女が愛おしいと思ってしまう自分に、翔汰はあきれてしまった。それでも、翔汰の決意は変わらない。なんとしても梨香は自分が守ると。最近大輝と思考回路が一緒になってきてしまったなと、心の中で自嘲してみる。それでも翔汰は、この決意は絶対に揺るがないものだと信じていた。
「梨香。」
「何?」
「中に入るぞ、じきに雨が降る。風邪をひかれても困るからな。」
「わかった。」
 本をパタンと閉じ、梨香を引き連れ翔汰は歩き出した。教室とは別の方向へ。我が吹奏楽部部室へと。


 ***
 裏山の近くまで来た茉莉は、人の気配を感じ、しばらく裏山のふもとへには近づかなかった。ひそかに物陰に隠れて、じーっと何かを待ち続けた。

 昔から、気配を殺すのは得意だった。そこを父親に認められ、時にはスパイのようなことをしたこともあった。子供だからと油断されたところをついたりして。茉莉は自分の家系に道具として扱われることに慣れていた。将来は家を継ぐつもりだったし、それは家の仕来りだったから、逆らうつもりはまったく無かった。
 そんな心を揺るがしたのは、他でもない大輝だった。
 自分は強くなると決意していた茉莉は、どんな卑怯な手にも声をあげず、耐えることを決めていた。なのに、大輝は茉莉を守ると言った。その言葉に、茉莉は心を揺すぶられた。大輝に、無条件な笑みを向けられ、親切にされ、時には守られ、守って、茉莉はいつの間にか、大輝を好きになっていた。自分ではまだその気持ちに気づけていなくて。それは大輝以外に茉莉が無条件の愛情をもらったことがないからだった。

 ふと、足音が聞こえてきた。一人と、一匹の。
 
 それを別段驚きもせず、有菜とマリアンを見送って、裏山へと視線を投げた。
 すでに有菜はマリアンとともに裏山の中へ駆けていた。しばらくして、藪の中から、秀久が出てきた。そして、彼女らを追うような形で、裏山を登りだした。
 裏山を最後に上ることになるが、茉莉は秀久が上り始めてからしばらく時間を置いて、自分も裏山を登りだした。



 ―――茉莉はまだ、左手が震えていることに気づいていなかった。
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小説♪音葉の梦

2008年05月11日 | 小説♪「音葉の梦」
ホント長らくお待たせしてすみませんm(_)m
いろいろ忙しくてですねぇ〜(言い訳
いや、今年受験生だしねぇ〜(言い訳

というわけで、いろいろ大変になってきました音葉です。
PC勝手に変えられちゃたんで、変換でませんorz
夢の梦が出ません。
はい、コピペですorz
父様、PC前のに返してぇー

というわけでがんばっていきます音葉!
てか登場人物の名前すっかり忘れてるよヤバイヨ・・・


音葉の梦
第三章
 創始(其の二)

「そろそろ・・・」
 満森学園の北西に位置する学園所有の裏山には、神殿があるはずだ。
 先程うるさいほどに泣いていた烏が一匹も残らず飛んでいった山で何かが起こっているのは明白だった。
 秀久は普段他人に見せることのない、冷徹すぎる表情で裏山を見上げた。
 ここを上った先に、何が待ち受けているのか。

 秀久が一歩を進もうとしたそのとき、足音が聞こえた。
 とっさに木々の陰に隠れこみ、様子を伺う。
 犬の独特な獣のにおいと、鳴き声が聞こえた。
「『花』、か・・・」
 一人、小さく秀久はつぶやく。
 大きなゴールデンレトリバーを率いてやってきたのは、有菜だった。
「マリアン!」
 急に立ち止まったゴールデンレトリバーに向かって、有菜は叫ぶ。ちょうど秀久から有菜の位置までは5メートルくらいある。一瞬犬に気づかれたかと秀久は思ったが、すぐに犬は山の異変を嗅ぎ取ったのだと理解した。
 有菜の声に反応した犬は、山へ駆け上る。有菜はリードをはずし、それを投げ捨て、ゴールデンの後を追って走り出した。
 
「『花係』が動いたか。これで役者はだいぶそろった。」
 秀久は脳裏に吹奏楽部員の顔を思い浮かべる。部外者はほとんどいなくなった。今回は動かないかとおもった『花係』も今回は活発で助かった。

 今回の『音葉』で、生き残れる確立は低いだろう。

 秀久は口元を歪める。自分でも気づかないほど、気持ちが高揚していた。
 こんな『音葉』は初めてだ。
 なんと素敵な芝居をみせてくれるだろう。

 期待をふくらませ、秀久は裏山を登り始めた。


 一瞬油断をして、誰かがその姿を捉えていることに気づかずに。



***************************
なんか怖い。
てか秀久こんな黒かったっけ?(しらん
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2008年03月11日 | 小説♪「音葉の梦」
こんにちわ。

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小説♪「音葉の梦」32

2008年03月08日 | 小説♪「音葉の梦」
こんにちは
そろそろ日本帰りますよ〜
グラーヴェそろそろ終わりそうなのに音葉は終わりそうにない^^←
てかまだはじめじゃん。全然儀式とかいろいろないじゃん。
てか放置な話多いorz
コンクールとかほったらかしだし・・・他の登場人物とか全然役割果たしてないしorz
サマキャンもやりたいです。梨香の別荘で。



音葉の梦
第三章
 創始(其の一)
 
 那覇有菜は、だいぶ変わった令嬢として満森学園で扱われていた。唯一そのように扱わなかったのは、吹奏楽部員であり、その中心となったのは茉莉だった。茉莉は持ち前の社交性を発揮して、いかなる新入部員も吹奏楽部に溶け込めるようにとせっせと働いていた。彼女にとってはなんてことなかったが、そのおかげでこのような怪談があっても、未だに吹奏楽部が廃部の危機にさらされることがないのだ。
 また有菜は動物をとても愛していた。鶏の世話なんて自分から申し出た生徒は初めてだと学園長が梨香にこぼしていたらしい。有菜は毎日自分の愛犬を連れて登校した。普段は愛犬は鶏小屋につないである。

 ちょうど大輝達が美川に闇へ誘われたその時、有菜は鶏の世話をしていた。
「何か来た。」
 有菜は空を見上げ、学園の裏山の烏たちが騒いでいるのを見た。ちょうど餌をやっていた鶏たちも騒ぎ始めた。有菜にも感じられるほど、"それ"は強かった。"それ"が何かは、有菜にはわからない。でも何か、とても強い何か、そしてそれはきっと有菜の敵であることを、彼女は悟った。
 有菜が鶏小屋の隣につないでいる彼女の犬が遠吠えした。この犬が遠吠えするなんて滅多にないことだ。さらにどこからか答える遠吠えが聞こえた。狼みたいと有菜は一瞬思ったが、鶏小屋の鍵をきちんと閉め、自分の犬の名前を呼んだ。
「マリアン行くよ。」
 マリアンと呼ばれたゴールデンリトリバーは無理をしたら有菜一人乗れるくらいの大きさだった。有菜の声に答えるようにマリアンは一回だけ吠えた。
 有菜は悟った。すべてがこれから始まると。
 そう、これは創始の儀式なのだ。
「始まる。始まるよ。」
 有菜は覚悟を決め、創始の儀式へ向けてマリアンと走り出した。走り出した方向は北西。学園の裏山。烏たちが飛び立って、今は一匹も残っていないだろう深い森。有菜は恐れなかった。
 これから、どんなことが待っていたとしても。
 有菜は、勇敢な少女だった。


***********************************
ゲベって一応重要キャラなんだよぉ〜
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小説♪「音葉の梦」31

2008年01月13日 | 小説♪「音葉の梦」
こんにちは。
がんばります。本当にがんばるんで見捨てないでー
momoありがとー


音葉の梦
 姉妹 ─断章─

 物心ついたとき、私たちの血筋的母親に当たる人はいなかった。私たち姉妹を育てたのは血のつながった父ではなかった。私が生まれる前に既に父はいなかったからだ。私は父のことを全く知らない。でも、姉は知っている。それでも教えてくれない。父のことに振れると怒ったように姉は言った。
「忘れた。」

 姉は、父のことが嫌いだったようだ。当時姉に物心があったかはわからないが、その三文字は嘘にしか聞こえなかった。母親については私も少しは覚えていたし、母親にしても私的に好きではなかったので父親も姉にとってはそのような存在なのかと思うと、中まで話を踏み込めずにいた。
 私たちは大金持ちの家に引き取られた。金持ちのくせに子供に恵まれなかった老夫婦に。彼らは彼らの思う偽善の為に私たちを引き取った。どこで私たちを知ったのかは全くわからないが、彼らが私たちを引き取ったのは事実であり、子供である私たちにはどうすることもできなかった。
 彼らは私達を満森学園という金持ち学校へ入学させた。当時私は3歳、姉は6歳だった。ちょうど幼等部と初等部の入学に間に合い、私たちは無事満森学園へ無事入学することができた。
 老夫婦に引き取られてからは毎日が楽園のようだった。今まで使用人のように働いてきた私たちには数人の有能な使用人がつけられた。家はとても広く、私たちが今まで住んでいた家の100倍は少なからずあった。老夫婦は血のつながっていた母親よりやさしく、私たちを快く迎えてくれた。そこは、地上にある楽園だった。
 満森学園も家と同じく、もしくはそれ以上に快適な場所だった。生まれて初めて同い年の子と遊んだ。生まれて初めて男の子と話した。生まれて初めて友達ができた。生まれて初めて何かを丁寧に教わった。何もかも、私にとっては初めてだった。
 時は流れる。老夫婦も元気に私たちと一緒に暮らし、私は初等部に上がった。姉はその頃、吹奏楽部に入部した。姉はとても楽しそうだった。吹奏楽部の話をしている時の姉は、今までで一番幸せな顔をしていた。そして私はその顔を見るのが好きだった。


 しかし、そんな幸せな日々は続かなかった。


 続くはずなかった。こんな天国にいるような日々が。私に続くわけがなかった。

 老夫婦が死んだ。二人とも、一度に、ぱったりと。その時から、周りが急激に変化した。使用人の数は減った。家の土地もいくらか売った。財産の相続で論争が起きた。その頃私は何もわからず、ただ姉の後で姉の背中を見つめていた。大変なことを、一人でかかえた姉に。
 そして、姉に何かが取り憑いた。
 姉は変わってしまった。姉は、闇にとられてしまった。私の、大事な、大好きな姉は─────闇に、闇の世界へ取り込まれてしまった。

「言葉。」
「なぁに?お姉ちゃん。」
「音葉お姉ちゃんは言葉が大好きだよ。」
「私も大好きだよ、お姉ちゃん。」
「私たち、これからもずっと一緒だよ。」
「うん。」

 大好きな、大好きな姉は─────いなくなった。

 ある日、私は姉と姉の友人と一緒にかくれんぼをしていた。範囲は吹奏楽部部室周辺。何回目か、私が鬼になった。一人、部室の真ん中で目を閉じて数える。

「じゅーさん、じゅーよん、じゅうご、じゅうろく」

 笑い声と足音がばたばたと部屋に響く。それが私を安心させる。私はこの闇の中、一人ではないと。

「さんじゅはち、さんじゅきゅ、よんじゅ!もういいかーい。」
「まーだだよー」

 笑いながらこたえる姉の声。

「もーいーかーい」
「もーいーよー」

 目を開けて、周りを見渡す。そこは私が目を閉じる前の部室。他のどこでもない。何も変わってない。でも、何か変わっている。空気が、変わっている。怖い。何か、恐ろしいものが、私を待っている。

 そんな考えが浮かんで一生懸命忘れようとする。一人目に姉の友人を発見し、そしてまた一人見つけた。でも、姉が見つからない。

「お姉ちゃんは知らない?」
「えっと・・・たしか音葉ちゃんは楽器倉庫の方へ行った気がする・・・」

 楽器倉庫、普段は入ったら怒られる場所。私はまだ吹奏楽部員じゃないから。でも姉の友人に連れられて階段をのぼる。変な作りになっている倉庫は上へ登るにつれてだんだん怖くなってくる。何か、何かが私を─────!

 姉は、いなかった。

「え?」

 姉は、いなかった。

「お姉、ちゃん・・・?」

 いな、かった。

 
「あれ?階段、消えてる・・・」
「本当だ・・・でも私、音葉ちゃんが降りてきたの見てないよ・・・」
「ってことは・・・??」

 いなくなった。
 姉は、姉の美川音葉はいなくなった。
 この世から、永遠に。
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小説♪「音葉の梦」 30

2008年01月02日 | 小説♪「音葉の梦」
あけましておめでとうございます!!
本当に更新遅すぎですごめんなさいorz

それと、HNを春夢希優からはるさめに改名いたしました。
これからははるさめでお願いしますw

それと掲示板を移転する予定です。。
とりあえずは、アリブロ用の掲示板をお使い下さい。↓
http://6702.teacup.com/aria011/bbs?from=bbsticker

ほうけものと共同で小説サイトを開設しました!
こちらもよろしくお願いします。↓
http://arrivederci.hannnari.com/


今年もはるさめと音葉といろcomをどうぞよろしくお願いいたします。



音葉の梦  
 第3章 
 儀式(其の十一)
「もうすぐよ、お姉ちゃん。」
 昼間なのに暗く長い廊下を歩きながら音楽教師美川言葉は呟いた。
「うふふ、ふはは、はははははははははははははははははは!」
 その笑い声は、誰もいない廊下にこだまする。しかし、声はとても乾いていた。
 美川は気付いていなかった。自分の片方の瞳から、一筋の涙が流れていたことに。

***
 その頃。
 体育館裏に長潟姉妹と大輝はいた。
「今日がチャンスだよ。」
「私たちは行くけど、三矢はどうする?」
 似ている顔で二人は言う。その異様さに大輝は少し恐怖を覚える。仲間であるはずの二人に。今まで普通に仲間として接していた二人に。
 少しずつ違う顔もだんだん同じに見えてくる。
 同じ人間がその場に二人もいるかのような錯覚をおぼえる。
「な、何が・・・だよ。」
 おさえようとしても声が震える。大輝は二人についてきたことを今更ながら後悔した。断れなくて。そしてこのまま茉莉といつものようにいれる自信がなくて二人についてきてしまった。

「「『生贄』」」

 二つの同じ顔が、同時に口を開く。
「お、お前ら・・・」
「今日はチャンスだよ。」
「三矢は、いかないの?」

「「私たちは行くよ。」」

 また同じ顔が同じことを言う。
「死なないっていってたし」
「勇者にも会えるかもしれない。」

「「いかないの?」」

 何も口から言葉が出ない。

「「もしかして、怖い?」」

 そうじゃない。そうじゃない。・・・そうじゃない。やっぱり怖い。怖い。そりゃあ怖い。得体の知れないものは怖い。俺にとっては。でも。その前にお前らが怖いよ。

「黙れよ。」

「「え?」」
 二人の耳には届かなかったらしかった。なら大きく言ってやるまでだ。

「黙れよっ!」

 きいた。二人は驚いたらしかった。俺からの反撃を予測していなかったようだ。
「うるさいんだよ。お前らっ!黙れ!俺のことは自分できめられる。」
「でも、怖いんでしょ?」
「でも、心配なんでしょ?」

「「どうせ、自分じゃ決められないくせに。」」

「黙れっつったのが聞こえなかったかよ!自分で決められないのはお前らだろ!」


「「!」」
 愛梨と優梨は驚愕した。目が開かれ、口も開かれる。しかし、その開いた口からは一言も出ない。
「同じ顔したもう人と相談して考えないとできないんだろ!どっちだ!こんなこと考え出したのは!」
 無音。体育館裏には誰もいない。校庭で誰か遊んでいるはずなのに音がない。烏の鳴き声も聞こえない。風の音さえ、無い。
 夏のくせに寒気を感じた。半袖半ズボンから露出している手足にざぁっと鳥肌がたつのがわかる。

「どうして、どうしてそんなこと・・・」
「どうして、そんなことを・・・」
 二人が壊れだしたように言い出した。

「「・・・どうしてそんなこと」」

 やばい。これは、さっきよりやばい。本能がそう感じている。でも体が動かない。いざというときに言うことがきかない体を自分で呪う。でもそれでもしようがない。何も、できない。


「「どうしてそんなことを言うんだよ!!」」


 無音だった場所に、いきなり風が吹いた。ガァガァと烏が鳴き飛び上がる。二人の声はこだまして大輝の耳に入り、そして脳の中でこだました。
 世界が、変わった気がした。もう自分の今いる場所が体育館裏ではないと思った。・・・そして、それは事実だった。


「ふふふ、ようこそ。音葉の『神殿』へ」
 白の襦袢を着た大輝達の顧問である美川が、三人を暗闇へと導いた。


***********************
お久しぶりです・・・!
どんだけ開けてるんだよ。
てかもう年変わっちゃいましたね・・・
本当にごめんなさい。
てかぶっちゃけこれ読んでる人いるのかなぁ?
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小説♪音葉の梦29

2007年08月30日 | 小説♪「音葉の梦」
ドイツから帰ってきましたよノ
時差ぼけには幸いなりませんでした
でもアメリカがなぁ
時差ぼけつらそうだぁ・・・

今回はファイルを書いてみた(ひぐらし小説の影響)←

 音葉の梦
 ファイル1
 
 茉莉の推理ノート

 『音葉』の役割表。(7月×日現在)

*音葉:音葉(闇の中でないていた少女?)
*勇者:自分(玉)・梨香(鏡)・翔汰(剣)
*生贄:? 過去の例で最大30人まで
*記録者:錫君(弟) 過去の記録者用のノートもあるらしい。
*花係:? 女
*鍵守:? 手紙を送ってきた人?
*墓守:? 鍵守と同一人物の年も。
*語り部:? 4年がなる?
*死体洗い:? 音葉の儀式を推奨している人物?
*道具屋:? 親の企業関係者か?
*受け継ぐ者:? 前の語り部から受け継ぐ?現在はまだ不明。
*巫女:勇者の中から一人。鏡か玉。女のみ。
*神主:女の場合も。勇者ではない場合が多い。
*神:音葉の儀式を見えないところで操っている?音葉の儀式を主催している?どの年も不明。
他にも役があるかもしれないが、今は不明。

・・・・・・わからないことが多すぎる。


===================================
秀久の推理ノートも公開したかったんですが、激しくネタバレなんでやめました。
秀久は見えないところでいっぱいいろんなことしてます。
茉莉たちより情報が多い。
でも一番記録者の錫君が情報が多いんですよ〜(何
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小説♪「音葉の梦」28

2007年08月06日 | 小説♪「音葉の梦」
こんにちわー実力テストの正解先生がくれなかったorz
眠い、眠いよーーーーーーーーー
でも音葉がんばりマスです。


 音葉の梦  
 第3章 
 儀式(其の十)
「何あれー?」
「アイちゃん見えるー?」
「ううん、ユウは?」
「見えないよー。」
 目の前で双子が自分の背の低さを嘆いていた。
 その様子に少し微笑みながら、茉莉は大輝の手を離し、二人のうち今日は愛梨を抱き上げた。
「ほら、これで見える?」
「うん。ミッツーありがと!」
「いえいえ。」 
 自分にこんな邪気のない笑顔はできないと思いながら、自分でも読めない柱の文章を愛梨が読むのを待つ。
 そして、一瞬デジャヴかと思った。
「ミッツーイヤだ。読みたくない。」
 一通り文章に目を通した愛梨がそう言った。
 前の優梨みたいに・・・!
「ちょっと、アーちゃん?!」
「ごめん。ミッツー。ユウ、行こう。・・・あと、三矢も来て。」
「え?・・・あ、ああ。」
 大輝が二人について歩いていく。
 何?何が書いてある?

 人混みをかき分けて柱にたどり着いて、唖然とした。

『音葉の儀式は終わりません。次は生贄の晩。心配はいらないわ。誰も死なない。でも生贄になるだけ。誰も死にません。自らを生贄にしたいと思う者は今晩、楽器倉庫へ。勇者ももちろん来ること。』

 そんな・・・!そんな、予定が早すぎる!
 図書館にあった昔の先輩がまとめた音葉についてのレポートには生贄をささげる儀式は三日目だって・・・
 二日目は何も無かった。どの年も・・・五年前も!
 なんで、どうして二日目に生贄を捧げる?!
 
カリカリカリカリ
 
 ふと、隣で何かを書いている音が聞こえた。
 隣で、錫俊平が古ぼけた大学ノートにシャープペンを走らせていた。
「錫君?」
 彼は、何をしているのだろう?
「光宮先輩・・・」
 いつもの静かな声で茉莉の声に顔を上げる。
「何してるの・・・?」
「この文章を書き写しているんです。」
「何で?」

 俊平とは関係の無い話だろう・・・?

「研究してるんです。音葉のこと。この前、楽器倉庫の掃除をしていたら、このノートを見つけて・・・」

 俊平はノートを見せる。

「歴代の音葉の行動をまとめてあるんです。不思議なことに、毎回誰かがこのノートを見つけていて、細かくまとめられているんです。」
「そんな・・・」
「最初に書いてあるんです。このノートについてのルールが・・・『勇者』の光宮先輩。」

「えっ?」

「このノートの内容が知りたければ、今夜『儀式』の後、図書館の談話室でお待ちしております。今日から図書館は夜一時まで開いてるので。」

 そう言って、俊平は再びノートにシャープペンを走らせた。

 そうか・・・これが『記録者』のことか。記録者はすべてのことを記録し、次の代へ引き継ぎをする。
 レポートに書いてあった。
 そうか、俊平が今回の記録者か・・・
 では、他の役は誰が・・・?

 『勇者』である茉莉は頭の中で吹奏楽部の部員の顔をめぐらせた。


=================
やたっ!やっと錫君を出せたよ!とっぷしーくれっと!
ちょっと伏線多めにしたかったなぁ・・・
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小説♪「音葉の梦」27

2007年08月01日 | 小説♪「音葉の梦」
こんにちわ。


ではでは音葉がんばります。


音葉の梦 
 第3章 儀式(其の九)
 
 大輝が茉莉と一緒に部室に来たときには、いつかの日みたいに柱に人だかりができていた。
 また、音葉だろうか・・・
 そう思って目をさりげなく凝らしてみると、制服の裾をぎゅっと握られた。
 下に目を向けると、茉莉が大輝の制服の裾をきつく握っていた。
 いつもなら喜ぶかもしれない。でも茉莉の目に浮かんでいる不安の色。大輝は茉莉が心配になる。
「茉莉?」
「え?大輝?何?」
「え・・・大丈夫か?」
「何が?」
「え、いや・・・」
 とっさに答えられなくなって下を向くと、茉莉はふっと笑っていった。
「大丈夫だよ、大輝。ありがと。」
「え、あぁ。」
 自分はやっぱり茉莉の笑顔が一番好きなのだと大輝は思う。
 自分が、茉莉の笑顔を守るのだと。
 八年前に誓った、自分との約束。

           
 八年前。その日は快晴ですがすがしい風がふいていた。
 
 茉莉の家、光宮家は由緒ある家系である。
 光宮家の次期当主は茉莉と生まれたときに決まった。
 当主になるには、いくつかの条件がある。
 光宮家では優先的に、足から生まれてきた子供、そして産声を上げない子供に当主権が与えられる。
 そして、茉莉はどちらにも当てはまる子供だった。
 そして茉莉は物心つく前から光宮家当主としてふさわしくなるための教育を受けてきた。内密に。
 外では天然な女の子を演じることを覚え、親戚の前では言うことを聞く可愛い人形として振る舞い、そして光宮家次期当主として強い女になることを覚えた。
 彼女にとっては、それが次期当主として当たり前だと思っていた。


 ある日。
 快晴ですがすがしい風がふいていたあの日。

 茉莉は、近所の男にかこまれて殴られたり、蹴られたりしていた。
 すでに彼女の体のどこかしらじゅうから血がにじみ出ている。
 
 でも茉莉は、声一つあげず、助けを求めず、泣きもせず。
 そして、反抗もしなかった。
 普段から護身術をみにつけている茉莉には、こんな男など一発だが、茉莉は何故か一人にも手を出さなかった。

 しかし、その憮然とした態度が、男の怒りの炎をさらに燃やした。

 それでも、茉莉は声をあげなかった。

 茉莉は、強かった。
 
 茉莉は───強いと思っていた。
 
 痛かった。
 痛くないはずが、なかった。
 とても痛かった。

 でも、ここでこんな奴らに屈するわけにはいかなかった。
 自分から手をだすわけにもいかなかった。
 負けるわけには、いかなかった。
 男達にも、自分自身にも。

 声をあげず、涙を流さず。
 
 ただ、痛みに耐える。

 それが、茉莉の選んだ道だった。
 茉莉は、一人で耐える道を選んだ。


 しかし────彼は、そうではなかった。


「茉莉ー!」
「何だこいつ。」
 
 敵中に飛び込んできたのは、大輝だった。
 大輝は、素手で茉莉を殴って蹴っていた男達を殴った。
 でも、殴られた。
 大輝の体は宙を飛ぶ。
 
ぐちゃ

 そんな音がした。

 茉莉が、行動を起こした。


 リーダー格の男を殴りとばした。

ぐちゃ

 
 茉莉の顔は平然としていたが、大輝は男を殴りとばすたびに一瞬だけ見せる表情をみのがさなかった。

 茉莉は、一度だけ目をつむり、悲しさに一瞬だけ顔をゆがませた。


 
 茉莉は、俺が守る─────


 
 八年前、そう、大輝は決めたのだった。


 いつまでも、茉莉の隣で、彼女の笑顔を見れるように。


 それが、たとえ自分の命をなくしてしまうことになっても。



============================

また遅くなったorz
がんばります。
見捨てないでー茉莉ー(ぇ
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小説♪「音葉の梦」26

2007年07月21日 | 小説♪「音葉の梦」
こんにちわです。夏休みすたーとしましたです。
これからは音葉もグラーヴェも真面目に・・・
と、とにかく、できるだけ音葉がんばりたい!・・・です(何
が、がんばるので応援よろしくです!(図々しい・・・

音葉の梦 
 第3章 儀式(其の八)
「三矢君!」
「あ?ユウにアイ。何だ?」
「ちょっと、相談したいことがあって・・・放課後、練習の後「後藤カフェ」でいいかな?」
「え・・・わかった。」
「じゃ、ばいばい〜」
 優莉と愛梨が手を振って去っていった。大輝は小首を傾げながら、二人を見送った。
 優莉と愛梨は、何の話を自分にするのだろう?
 一人、取り残された気持ちになりがら、歩き出した。


放課後。
「起立、姿勢、礼。」
 翔汰のかけ声により、部活が終了した。
 しかし、部員の数名しか気づかなかっただろう。
 翔汰の美川を見る目に恐怖が浮かんでいたこと、握った拳が震えていたことに。
 大輝は、そんな翔汰の様子に気づかなかった。
 これからのことがずっと頭にひかかっていたからだ。
「大輝〜」
「茉莉?」
 茉莉が梨香を引き連れてやってきた。翔汰は二人の隣で帰りの準備をしている。
「今日は一緒に帰れるよ〜」
「・・・ごめん。今日は俺が無理。」
「あ、そっか。うん、じゃ、また明日。」
 笑顔で少し残念そうな顔をしながら、茉莉は去っていった。
 そんな彼女に罪悪感を感じながら、
 
 「後藤カフェ」とは、この学園の生徒がよく利用する喫茶店の一つだ。
 学園の生徒の親が趣味でやっている店が多い。
 「後藤カフェ」は、後藤という家がやっている喫茶店で、個室に別れているので大切な話などをするときによく使われる。
 個室じゃないと、できない話・・・
 大輝は疑問を抱えながら、喫茶店へむかった。

「満森学園の生徒さんですか?」
「はい。満森学園で小さめの女子二人組は来てませんか?」
「二人組・・・あ、いらっしゃってますよ。こちらにどうぞ。」
 エプロンドレスに身を包んだ店員に連れられて、奥の部屋へ通された。
「三矢君!」
「遅いよ。」
「ごめん。」
 入るなり、いつもよりテンションが微妙な二人に迎えられた。
 いつもの定番、オレンジジュースを頼んだら、店員は部屋を出ていった。
「それで、話って何だ?」
「・・・昨日、楽器倉庫の柱に音葉が儀式をするって書いてあったのみた?」
「あ、うん。」 
 それは梨香と翔汰と一緒に見た。二人は大輝が予想していた以上に動揺していた。
「それでね、ミズ君が昨日忘れ物したんだって。それこで、楽器倉庫を通ったら、ミッツーとリー先輩と部長が幽霊と話しているのを見たんだって。」
「翔汰と茉莉と梨香が?」
「うん。私たちも聞いたときは驚いた。」
「それって、三人が勇者だってことか?」
「多分・・・ミズ君はそうじゃないかって言ってる。」
「どうすればいいとおもう、三矢。」
「どうするって・・・部外者は突っ込めない事情だろ?」
「「 部外者? 」」
 二人の声が不気味なほどに重なった。話している内容が内容だけに、それは少し大輝に恐怖を招く。
「私たちは、部外者なんかじゃないよ。」
「三人は、私たちの友達・・・同じ部員でしょ?」
「「 どうして自分たちは部外者なの? 」」
「え・・・いや・・・」
「私たちが三人を救わなきゃいけないでしょ?」
「音葉は、やめさせないと。」
「「 被害は増える一方。 」」
 何だ、この奇妙な感覚は・・・
「「 わかった?三矢大輝。 」」
「・・・やめろ。」
 二人は、何だ?
「やめろぉぉぉおおおおおおお!」
 大輝は、走りだした。
 怖いんじゃない。
 あり得ない。
 そんな、

 三人が、茉莉が、勇者だなんて・・・!


 大輝の頭にはは、無意識に茉莉の笑顔が浮かんでいた。

 彼女が、そんなはずは・・・!



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うううううう。長潟姉妹は変にする予定無かったのに・・・
もっとややこしくしてしまったorz
が、がんばろ。
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