宮崎信行の国会傍聴記

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[きょうの国会]年金持続可能性確保法案(年金カット法案)、参議院でクールに正常採決 IRカジノ施設法案は質疑は順調で大詰めに、衆委は早くも会期末処理

2016年12月13日 20時02分57秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]年金持続可能性確保法案を、淡々と採決する、参議院厚生労働委員会、2016年12月13日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 一部で再延長観測も無きにしも非ずですが、衆参27年ぶり自民党単独過半数で、審議そのものは順調に進んでいる印象です。あす会期末です。

【参議院厚生労働委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 延長国会の目玉「年金」「IR」となりましたが、民進党が「年金カット法案」と呼んだ、「年金持続可能性確保法案」(189閣法54号)は、午後5時半ごろ、与野党合意に基づき採決し、民共希の反対、自公維及び薬師寺道代委員の賛成多数で「可決すべし」と決めました。この後すぐに、反対した、民進党の足立信也筆頭理事が附帯決議案を提案。

 朝の理事会では採決の合意が無かったようで、理事会が8分延びて、午前10時8分頃から総理入り質疑が始まりました。

 民進党から質問し、川合孝典さんが「1週間前に厚労省が出すと言った資料が出ていない」とし、物価が上がり賃金が下がった、というケースでの年金試算を出すよう要求。

 30分前後の中断を経て、塩崎厚労相が「法案は法律として成立させてもらい、次の財政検証で参考資料を出したい」とお願いしました。比較的スムーズに野党も受け入れました。ただ、途中で先輩から助言があり、「衆議院解散の後、ということではないか」と念のための確認をすると、塩崎厚労相は「隣にいる総理が決めることだ」とかわしました。大政党である民進党、会期末特有の緊張感は参院側にも伝わっていました。 総理入り質疑は終局。公明党が質問を放棄したので、20分ほどのずれ込みで済みました。昼の休憩。

 この昼の理事会で、厚労省が会期終了後に試算を出すことが確認できたようで、与野党が採決に合意した、ということのようです。

 午後は、各党が締めくくり的な質疑。この中で、野党委員から「労働問題の質問が多くなってしまった」との発言があり、審議はあまり深まらない印象でした。

 午後5時10分過ぎに、質疑終局を宣言。正常採決で可決しました。この間の討論では、民進党が「審議が拙速だ」と反対、自民党と公明党が「将来の年金額を増やすことになる法案だ。ただ、GPIFは法律通りの組織改革をしっかりやってほしいと釘をさしたい。今回の法案のような、こまめなメンテナンスで世界に冠たる公的年金制度を維持したい」と絶叫しました。共産党が反対、維新が賛成、希望の会が反対の討論をしました。 

 附帯決議に対して塩崎厚労相が善処を約束し、淡々と散会しました。

 衆院側での「年金カット条項」発見から、高いテンションで通過した法案ですが、参院でのクールさとの温度差が気になりました。

【参議院内閣委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)

 先週来、新聞1面、テレビですっかり名前が知られた、難波奨二委員長。

 定刻通り始まりました。自民党側筆頭理事の上月良祐さんは「審議は十分だと思うが、最終確認として質問する。最近は余り行けないが、家族で海外旅行に行くと、楽しいが、帰ってきて、すぐにまた行こう、とは思わない。一つだけ例外があった。それはラスベガスだ。街全体が楽しめるようにつくってある」と語りました。統合リゾートの有用性を述べたものとみられます。カジノ依存症でまた行きたいということではないようです。

 衆議院側ではあまり登場しなかった、菅義偉・官房長官も民進党などに対する質疑では登場してます。昼の休憩。

 午後は共産党の大門実紀史さんが、発議者の衆院議員のパチンコパーラーからの献金を追求。大門さんは、最近電話で話したとして、旧民主党法務部門会議座長で6年前から議席を失っている、松野信夫元参議院議員(熊本の弁護士)の参考人質疑を求めました。

 この後、午後5時直前に休憩。

 そして、午後7時30分再開。ここで、歴史的な大展開で、突然修正可決しました。あす成立の公算。別エントリーで速報、詳報しました。以下は、別エントリーからコピペします。

 会期末前日の夜になって、大きな大転換がありました。 

 参議院内閣委員会は午後5時から7時30分まで休憩。

 午後7時30分、再開と同時に、委員長は「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)の質疑終局を宣言。
 
 ここで、自民党の上月良祐筆頭理事が、
 「政府は、カジノ施設の入場制限を検討する。ギャンブル依存症者を明示する」とし政府によるギャンブル依存症者の入場制限の検討を命じるとともに、5年後の見直し規定を盛り込む」

 とした法案の修正動議を出しました。

 ただちに、討論に入りました。民進党は、反対。この後、共産党は、自・民による、突然の修正に反対したうえで、原案などを強い口調で反対。希望の会の山本太郎さんは法案・運営とも「情けない」と反対。

 修正可決後には、附帯決議が16本提案され、自公維3党のみの賛成で採択。成立後の1年間、国土交通省、内閣官房の「宿題」となります。

 今国会はあす閉幕する公算ですが、衆議院本会議の終了時刻は昼下がり以降になる見通し。

 今回の修正は、衆参単独過半数時代に、「修正路線」による国会対策を進めた、田中角栄先生・竹下登先生・金丸信先生らの経脈をつぐ、自民党の吉田博美、民進党の小川勝也、両参議院幹事長が主導したものと推測できます。

 ただ、民進党内では数時間前に代表が廃案に言及していました。

 一方、自民党は、自ら「歴代最軽量級」と語った橋本聖子参議院議員会長のもと、辛酸をなめる、旧田中派の吉田さんが一矢を報いた格好なのかもしれません。

 27年ぶりに、自民党(政権党、与党第1党、第1会派)が衆参単独過半数をしめた国会がまもなく年を終えようとしています。

【衆議院法務委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 「民法債権編改正案」(189閣法63号及び189閣法64号)。私の計算では9日目。

 自民党のYouTubeでネットカフェの司会をしている、今野智博さんが登場し「当委員会は円滑に審議できることを感謝する」と与野党に語りました。民進党の枝野幸男さんは「相殺について、判例を条文に落とし込んでいる部分と落とし込んでいない部分がある」と指摘。「代理について、私は本人です、と名乗った代理人の効力について条文が無い」と語ると、小川・法務省民事局長は「その効力は本人に帰属するというのが判例、通説だ」と答弁。枝野さんは「条文に書いちゃうと、本人です、という代理を推奨しているようになってしまうから、分かる」と同意しました。民進党の井出ようせいさんは「取引上の通念という言葉が10か所以上出てくる」として確認しました。

 午前の部だけで散会。いずれにせよ、越年です。

【衆議院安全保障委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 一般質疑で、「北朝鮮核ミサイル問題等」に関する参考人と委員との着席のままの意見交換がありました。

 参考人の教授からは、「北朝鮮は核の小型化は成功したのではないか。ただ、ことしはICBMについては消極的だった」とし、お金がかかる大陸間弾道弾よりも、違う開発をしているのではないかと示唆。民進党の神山洋介さんは、「THHAD(サード)の開発、3段構え(サード、イージス、ペトリオット)を整えようとしているが、それでいいのか。予算面もあるし、現場の負荷で自衛隊が回らなくなるのではないか」という趣旨で議論しました。自民党は、補選後やたら登場する和田義明さんが質問し、大きい派閥(清和会)だと質問回数も多いのかなと思いました。この後、文脈が分からないのですが、なぜか、山口壮委員長が北朝鮮核実験の過去の経緯や民主党政権の尖閣諸島の問題などの経緯を長い時間語り、参考人にお礼し、散会を宣言しました。

【衆議院農林水産委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 一般質疑がありました。この後、例年通り、「平成29年度畜産の価格に関する件」を議題に。民進党の小山展弘さんが朗読し、賛成多数で採択しました。TPP国内法で「TPP発効日に施行」となっている、マルキンについて、豚のマルキンを充実させるよう求める文章も入りました。

【参議院農林水産委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 8分前後遅れで始まり、一般質疑、おもに畜産に関する件。質疑終了後、「平成29年度の畜産の価格に関する決議」がされました。これは、民進党の徳永エリさんが朗読。だいたいこういうときは、徳永さんの出番だという感じです。参議院という世界は、院内での実績と選挙がつながらないところですが、6年半、ひたすら、農業とTPPに専念した徳永さんだと、北海道選挙区定数3で、あれだけの好成績で再選できるのだな、という感じがしました。

【衆議院本会議 平成28年2016年12月13日(火)】

 午後1時設定。事前の議題は無く、そのまま開かれないまま、午後6時前後に流会しました。

【衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 加藤拉致相、岸田外相の所信的発言に対する一般質疑がありました。

 自民党の2期生、中川郁子さんが「延長国会ギリギリとはいえ、開催につながった委員長、両筆頭理事に感謝します」と切り出しました。これは、先代(夫)が拉致問題で名をはせたから、この委員会に属しているということなんだと、気づきました。もちろん、中川昭一さんは、農政、財政、金融とも詳しかったのですが、ただ、「拉致」で、安倍首相、中川さんらが人気議員になっていったということを思うと、拉致は自民党政権下で起きたことですし、もう少し冷静な政治を見る有権者であってほしい気もしました。

 この後、すでに別エントリーでも報じましたが、閉会中審査要求などの、会期末手続きがとられました。

この記事の本文は以上です。

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