宮崎信行の国会傍聴記

(1)政権交代ある二大政党政治を実現する。
(2)開かれた国会を報じる。

[きょうの国会]5会派とも同じ色、代表質問が終了し、補正に加えて平成29年度当初予算も衆議院予算委員会で審議入り

2017年01月25日 17時27分36秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 衆参代表質問は、主要5会派(自公民共維)の質問答弁で、働き方改革で同じような色合いの議論が相次ぎ、私としては過去に例がないような国会になっている気がします。政策の打ち出しでの政権交代戦術が難しい時代になったのは明らか。衆では、補正のみならず、平成29年度当初予算案も同時に趣旨説明されました。あす8時55分から予算委。

【参議院本会議 平成29年2017年1月25日(水)】

 代表質問の最終日となりました。

●参議院公明党は以前以上に首相を持ち上げるトーンだが、地方創生の成否は正念場を迎えていることを自ら認める。

 山口那津男代表は、自公政権が5年目になったと強調。山口さんは時々安倍首相に苦言を呈したり、外交問題に「逃げたり」する代表質問が多かったのですが、自民党が衆参単独過半数となったことを懸念してか、今まで以上に、安倍首相に同調するトーンだったように、感じました。

 山口さんは働き方改革に言及。「地方創生の成否は正念場をむかえている」 と自ら認めて、社会インフラの老朽化対策を求めました。安倍首相は、「一億総活躍のもっとも大事なとりくみは働き方改革だ」との認識を示しました。

●参議院共産党も政権に近い質問。

 小池晃書記局長が質問し、「残業代ゼロ・労働基準法第14条など改正法案(189閣法69号)」の撤回を要求しました。原子力発電所の廃止について、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉決定も含めて衆より多くの時間を割いて質問しました。

 小池さんは、改革には、(1)税金の集め方の改革、(2)税金の使い方の改革、(3)働き方の改革、(4)産業構造の改革ーーが必要だと認識を示しました。あたかも、二大政党のように、政権担当能力があるように感じさせる演説でした。

●参議院維新の会は、101法案について「他の党の協力も得たい」と難化。

 片山虎之助・日本維新の会団長は、「昨年の参院選で我が党は12議席となり、(参での法案)提案権を得て、101本の法案を出した」と切り出したうえで、「他の党のご協力もいただきたい」としました。101法案は、すべて同党単独提出ですが、何度も言及しているように、付託も趣旨説明も継続調査手続きもなく、全法案が廃案となりました。片山さんは手詰まり感を認めたのかもしれません。

●参議院民進党の風間直樹さんが会計検査院から学校法人への天下りを暴露、なぜなのか。

 同じ色の国会審議に特徴が出たのは、民進党3人目(衆参含む)の風間直樹さん(2019年改選、新潟)。

 風間さんは会計検査院から学校法人への天下りが10名以上いるとしました。イニシャルで、A学園(江戸川区)、S大学、医大などの学校法人に天下っているとしました。これは私には驚きで、なぜ、検査院を学校法人が受け入れる必要があるのか。文科省、国税庁ではなく検査院を受け入れるということは、私学助成金を本来の目的外に使用しているのか。

 昨年の通常国会は、「保育園落ちた日本死ね」でしたが、今年の通常国会は「学校法人儲け過ぎ、森喜朗死ね」国会として、学校法人利権のドロドロを暴き出してほしいと期待しています。

●参議院自民党が「参議院の1県1代表の憲法改正明記」に言及。

 参議院自民党でも、違う色がありました。岡田直樹さんは、「参議院を都道府県代表にする、参議院の在り方検討チームを会派内に立ち上げた」とし、合区(徳島と高知、鳥取と島根)を見直し、「1県1代表を憲法を改正して明記すべきだ」とする、参議院自民党独特の考えを首相(自民党総裁)に訴えました。 

 この後、岡田さんと安倍首相の間でやりとりがありました。安倍首相は岡田さんに対して、「誰もが希望すれば進学できる社会にする」と発言。 これは、先の参院選で、民進党の長妻昭さんらが打ち出した「希望すればだれでも大学にいける社会」と軌を一にしています。首相は幼児教育、高等学校の無償化、大学への「希望すればだれでも使える」無利子奨学金や、給付型奨学金の充実を明言しました。これは、民進党の政策を大幅に取り込んだ発言です。岡田さんは、清和会所属の文教族。

 安倍首相は、岡田さんに対して「いじめや発達障害があっても学校に通える環境づくりにとりくむ」とも答弁しました。

●参議院民進党の牧山ひろえさんも加配定数の基礎定数化に不十分と発言。

 安倍首相の答弁の後、民進党合計4人目の牧山ひろえさんが登壇。ここでも、発達障害などがある児童に対して、教師を厚くする加配定数についての質問がありました。牧山さんは「概算要求などで、加配定数の基礎定数化が認められたが不十分だ。発達障害がある児童や外国人の生徒に対する、教職員の一層の充実が不可欠だ」としました。政府は、昨年末の大臣復活折衝もふまえて、「義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案」(193閣法 号)を2月上旬に国会に提出します。

 これは前からあった現象ですが、自民党では森喜朗元首相率いる清和会、民進党内では県教組の応援がもらえる参議院側が力を持つと、学校法人の充実については、二大政党が似てきます。

 そのなかでは、上述の風間直樹さんの検査院から学校法人の天下り指摘は、乾坤一滴に感じます。

●参議院らしさをみせた、山本太郎さん。

 希望の会が初めて登壇しました。

 山本太郎さんは話題としては、格差、奨学金などを取り上げました。これはここ3日間の国会で、5大会派がすべて言及してきたことです。ただ、山本さんは「褒め殺しをする」と宣言。「アベノミクスは誰のための政治か? 庶民を犠牲にして、大企業を儲けさせるものだ」と指摘。

 そのうえで、「奨学金の延滞金は年40億円だ」とし、無利子奨学金があっても、遅延損害金で首が回らなくなる大学卒業生の存在を指摘し、希望という名の欲望をねらい打つ政府主導の強欲金融資本主義による搾取を、「国がサラ金をやってどうする?」と表現しました。山本さんは「安倍総理のバスの行き着く先は地獄の一丁目一番地だ」と痛烈に皮肉りました。

 ただ、希望の会5人が単独で政権を担うことは到底見通せないことから、野党で唯一「安倍首相の退陣時期はいつか?」と自発的な辞任を求めました。首相は「国がサラ金をやっているという批判はあたらない」とぬけぬけとうそぶき、在任期間に関して国民の支持がある限りやる、という趣旨のことを言って、かわしました。この時点で、午後3時18分で、NHK国会中継は同40分までの予定。議場内交渉が起こりましたが、1分程度で終わり、議長が「山本君の発言については、速記録を議長が確認することとし、散会します」と迅速な対応で、代表質問を終えました。

【衆議院予算委員会 平成29年2017年1月25日(水)】

 参議院本会議散会後の午後3時50分に設定され、定刻に始まりました。

 議題は、「平成29年度予算案」と「平成28年度第3次補正予算案」とされ、その順番で、麻生財務大臣が趣旨説明ました。

 そのときの、今年度最終補正予算案と来年度当初予算案がまとめて、衆・予算委で趣旨説明された例を、多少調べたら、そこそこあることのようです。例えば、自社さが衆参過半数を得ていた、第2次橋本内閣は、平成9年1997年1月24日(金)に両案同時の趣旨説明をしています。とはいえ、当初予算案の「1・25趣旨説明」は圧倒的に早い時期であり、与党ペースが強まっていることは間違いありません。このペースだと、3月中旬には当初予算も成立するようにも感じますので、後半国会でいったいどの法案を確実に成立させたいのか、憲法改正発議はどこまで進めるのかが、前半国会から探っていきたいところです。

 予算では、麻生財務相が、来年度の税収見積もりを57兆円、特例公債を34・3兆円と説明。補正では、最終的な28年度予算は一般会計は100・2兆円だとしました。特別会計については相変わらず「所要の措置を行うものとする」だけで、純計、総額などは示されませんでした。麻生財務相は「後年度負担の仮定計算も提出した」と述べました。この後、木原稔財務副大臣が「公共事業は5・9兆円だ」などと補足説明しました。国交省分のほか、農水省分の「農林水産基盤整備事業」は内数で、0・6兆円だと説明されました。いくらなんもで、当初で5・9兆円は多すぎますので、そろそろ、持続可能な建設業のためにも、自民党は絞った方がいいでしょう。建設業者の未来が地獄です。補正に関しては「災害0・2兆円、防衛0・2兆円、外務省国連分担金など0・2兆円」という大づかみなイメージの予算となっており、早期に成立すると思います。

 ただ、同時に審議入りするのはいいとして、なぜ議題が「平成29年度当初」と「平成28年度第3次補正」という順になるのでしょうか。

 予算委は、「あす26日から午前8時55分から質疑を行う」こととして散会しました。

【参議院国家基本政策委員会】

 国政調査要求と、衆側との合同審査会要求の手続きを全会一致で議決しました。党首討論の開催についての手続きが、早い段階で整いました。

【参議院議院運営委員会】

 午前9時40分設定で行われました。

この記事の本文は以上です。

(C)2017  宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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